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SBSHD Research Memo(3):2019年12月期は物流事業がけん引し過去最高業績を更新

2020/4/21 15:03 FISCO
*15:03JST SBSHD Research Memo(3):2019年12月期は物流事業がけん引し過去最高業績を更新 ■業績動向 1. 2019年12月期の業績概要 SBSホールディングス<2384>の2019年12月期の連結業績は、売上高で前期比25.6%増の255,548百万円、営業利益で同23.5%増の10,176百万円、経常利益で同33.7%増の10,172百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同37.9%増の6,079百万円となった。これは、売上高で3期連続増収、営業利益と経常利益で2期連続増益となり、過去最高業績を更新した。また、会社計画(2019年11月修正発表値)に対しても、すべての項目で上回って着地した。 2018年8月に子会社化したSBSリコーロジスティクスの業績が通年で寄与したことにより、売上高で38,086百万円、営業利益で606百万円(のれん償却・PPA費用控除後)の増収増益要因となったことが大きいが、同要因を除いても増収増益となっている。不動産事業やその他事業は減益となったものの、主力の物流事業がEC市場の拡大や新物流センターの稼働、3PL事業での新規顧客開拓が順調に進んだこと、また、料金価格の適正化や3PL事業の収益改善が進んだことが増収増益要因となった。 営業外収支が前期比で629百万円改善したが、これは主に持分法による投資利益の増加(+214百万円)と、前期に計上した訴訟損失引当金繰入額(220百万円)がなくなったことによる。また、実効税率が前期から低下したことにより、当期純利益の増益率が高くなっている。 物流事業はSBSリコーロジスティクスの通年寄与とEC市場の拡大を追い風に大幅増収増益 2. 事業セグメント別の動向 (1) 物流事業 物流事業の売上高は前期比27.6%増の240,772百万円、営業利益は同37.3%増の6,278百万円となり、同事業セグメントとして過去最高業績を売上高、利益ともに大幅に更新した。SBSリコーロジスティクスを除いた既存事業だけで見ても、売上高で前期比9.2%増の166,252百万円、営業利益で同26.5%増の5,254百万円と好調に推移した。 売上高の増収要因の内訳を見ると、SBSリコーロジスティクスの通年寄与で381億円、EC市場の拡大によるBtoCやBto small Bの成長で87億円、2019年3月に開設した「大阪物流センター」(18,450坪)の稼働に伴う増収で16億円、既存顧客の物流増や新規案件の獲得、料金適正化等で37億円となっている。 また、営業利益の増減要因の内訳を見ると、増益要因としてはSBSリコーロジスティクスの通年寄与で912百万円、既存事業における増収効果で414百万円、料金適正化で677百万円、赤字3PL案件の損益改善で226百万円、M&A費用がなくなったことで310百万円となり、減益要因として「大阪物流センター」の立ち上げ費用131百万円、SBSリコーロジスティクスののれん償却及びPPA費用で306百万円、人件費や傭車費用の増加で397百万円となっている。なお、燃料(軽油)の平均仕入価格は前期の100円/Lから98.5円/Lと若干低下した。1円/Lの下落で年間約20百万円の増益要因となっている。 会社別で見ると、SBSリコーロジスティクスはSBSグループが保有する倉庫や車両の相互活用や構内作業者の融通などグループ経営資源の有効活用を進めたほか、国内外での拠点統廃合並びに福岡と名古屋に新たな倉庫を賃借するなど業容拡大にも取り組んだことで、2019年12月期下期も業績は堅調に推移した。 SBSロジコムについては既存顧客との取引拡大や新規顧客の開拓が進み、また、SBSフレックでは料金の適正化に取り組んだことが増益要因となった。また、SBS即配サポートについては、EC市場の拡大を追い風に首都圏での即日配送事業が大きく伸長し、増収増益となった。 (2) 不動産事業 不動産事業の売上高は前期比4.5%減の7,802百万円、営業利益は同3.2%減の3,787百万円となった。このうち、開発事業は前期と同様、横浜市の物流施設「長津田物流センター」の信託受益権の一部(30%)を売却したことにより、売上高で前期比横ばいの5,377百万円、営業利益で同0.8%増の2,417百万円となった。一方、賃貸事業は自社保有施設の売却によって賃料収入が減少し、売上高で前期比13.2%減の2,425百万円、営業利益で同9.7%減の1,369百万円となった。 (3) その他事業 その他事業の売上高は前期比3.8%増の6,972百万円、営業利益は同32.1%減の186百万円となった。主力の人材派遣事業はEC通販市場の旺盛な需要を取り込んだことで、売上高は前期比5.5%増の4,052百万円と伸長し、営業利益も拠点の統合を実施したこともあり、13百万円(前期は31百万円の損失)の黒字に転換した。 また、マーケティング事業も自社運営するペットフードのEC販売が好調だったほか、ECサイト構築支援サービスも堅調に推移し、売上高で前期比2.8%増の1,524百万円、営業利益で同30.8%増の102百万円となった。太陽光発電事業は天候不順の影響で発電量が伸び悩み、売上高で前期比2.1%減の414百万円、営業利益で同5.8%減の147百万円となった。環境事業・その他については、売上高で前期比1.3%増の981百万円となったものの、営業利益は環境事業の設備更新により営業を一時縮小したことや、減価償却費を前倒しで計上したこともあって、78百万円の損失(前期は70百万円の利益)となった。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《YM》
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3PLに強みを持つ総合物流企業。SBS東芝ロジスティクス、SBSリコーロジスティクスなどを傘下に持つ。不動産事業、人材派遣事業等も展開。ECプラットフォームサービス「EC物流お任せくん」の本格展開図る。 記:2024/09/01