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エーバランス Research Memo(2):アジア圏の再生エネルギー企業へ。子会社は抗菌・抗ウィルス液を開発(2)

2020/4/14 15:32 FISCO
*15:32JST エーバランス Research Memo(2):アジア圏の再生エネルギー企業へ。子会社は抗菌・抗ウィルス液を開発(2) ■要約 3. 今後の成長戦略 Abalance<3856>は今後、ESG、SDGsの推進による社会価値と企業価値の両立により、アジア圏での再生エネルギーグローバル企業を企図している。このための戦略として、1)発電所の自社保有によるキャッシュ・フローの拡大、2)保有発電所から得られるキャッシュ・フローによる海外投資等の加速、3) 新規事業によるアップサイドの獲得——の3点を掲げる。 (1) 発電所の自社保有によるキャッシュ・フローの拡大 再生可能エネルギーの比率を高めていく国の方策に今後も大きな変更はないものと予測され、台風等の災害原因ともされる地球温暖化の防止やCO2削減の取り組みは喫緊の課題であり、CO2を排出しないグリーンエネルギー事業を営む同社にとっては追い風となる。 同社は2030年までに、国内と海外を合わせて、保有発電所1GWを目標としている。これを実現した場合、試算では、売電収入は100億円以上とまさに安定収益源となり、キャッシュ・フローの源泉となる。自社保有の開発例として、宮城県角田市の発電所はグループ最大級の発電所で、総投資予定は56億円、2021年3月の完成後、初年度売電収入7.5億円を見込んでいる。大和町太陽光発電設備、大衡村太陽光発電所、福島大波太陽光発電所などの各発電所は2020年11月以降、順次完成・売電開始の予定のため、事業構造の転換は投資実行の段階から収益計上、キャッシュ・フロー獲得という実現段階へ着実に移行していくものと予想される。 (2) 保有発電所から得られるキャッシュ・フローによる海外投資等の加速 自社保有発電所の売電収入で獲得したキャッシュ・フローを活用し、電力需要が旺盛な海外市場への投資を拡大していく。既に、ベトナムでは現地企業との合弁会社でソーラー発電プロジェクト(EPC及びIPP事業)を含む複数のプロジェクトが進行中で今後も拡大する方針となっている。 2020年2月には、環境省が実施する2019年度「二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism:JCM)」資金支援事業のうち、設備補助事業の案件公募に代表事業者として採択されたことを発表。本案件は、WWBがカンボジア国内において1MWの太陽光発電と0.5MWのバイオマス発電を併設した計1.5MW規模のJCM初のハイブリッド発電設備を建設、現地精米所に発電電力を供給する計画となっている。カンボジアの温室効果ガスを削減し、日本国のGHG削減目標の達成への貢献を目的としており、プロジェクトはカンボジア政府と日本政府の協力の下で実施される。今回の案件を一つの契機として、今後さらに同種の案件獲得が期待される状況となっている。 ベトナム法人のVSUN※は、2019年12月期の単体売上は100億円を超え、パネル製造能力は年間1.5GW、世界で25位にランクインされている同社グループ企業である。VSUNの業績は、当第2四半期連結業績に反映されていないが、当期中の持分化をすべく現地監査法人ERNST&YOUNGアースト&ヤング(EY)と協議準備している。持分化されれば連結業績の経常利益に反映されることになり、プラス寄与が期待される。 ※2015年に創業来、日本人の技術指導を受けながら太陽光パネルの性能や品質、信頼性の向上を図り、競争力を強化してきた会社で、主に欧州向けの販売拡大で成長し、2018年4月にはベトナム政府からハイテク企業賞を受賞している。 (3)新規事業によるアップサイドの獲得 既存事業の拡大戦略に加えて、卒FIT、蓄電池、風力開発等の新規事業の育成にも注力していく。市場では、2019年11月以降、順次買取契約を終える卒固定価格買取制度(FIT)に注目が集まっており、これについて、同社では卒FIT※1戦略として、第三者保有やPPA※2モデル等を検討しているほか、FIT売電型に代わって、自家消費型の市場拡大が見込まれる蓄電池事業に本格参入する構えだ。 風力開発では、WWBは北海道檜山エリアにおける風力発電所(陸上・小型)3基の開発を完了し売電を開始しており、すでにその一部は収益計上、キャッシュ・フローの獲得段階に入っている。売電を開始した本3基を含む計10基について、風力発電事業における初期の事業投資として推進中で残りの7基も本年度中の稼働予定としている。年間100基程度の風力発電所(陸上・小型)の開発を進め、毎期30億円超の投資計画となっている。 ※1 FIT制度(固定価格買取制度)とは、再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が約束する制度。発電した電気は全量買取対象となるが、住宅用等の10kW未満の発電設備では自家消費した後の余剰分が買取対象となる。 ※2 PPAモデルとは、「Power Purchase Agreement(電力販売契約)モデル」の略で、電力の需要家がPPA事業者に敷地や屋根などのスペースを提供し、PPA事業者が太陽光発電システムなどの発電設備の無償設置と運用・保守を行う。PPA事業者は需要家からの売電収入によって収益を獲得する。 ■Key Points ・同社グループは、ESG、SDGsの推進に基づく社会価値と企業価値の両立により、アジア圏での再生エネルギーグローバル企業を目指す ・2020年6月期第2四半期累計業績は当初計画通りに進捗 ・VSUNの持分法適用関連会社化を実現すれば増益要因となる ・新型コロナウィルス感染症の世界的拡大を契機に、WWB子会社の日本光触媒センターがスプレー型光触媒抗菌・抗ウィルス液「ブロッキン」を販売開始、需要が急増している ・今後の成長戦略は、発電所の自社保有による安定収益、キャッシュ・フローの確保、電力需要が旺盛な海外投資等の加速、新規事業によるアップサイドの獲得にあり、企業価値拡大が期待される (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《EY》
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太陽光パネル製造事業が主力。太陽光発電所の自社保有等を行うグリーンエネルギー事業、IT事業、光触媒事業も手掛ける。太陽光セル等の内製化図る。太陽光パネル製造事業ではグローバルサプライチェーンを強化。 記:2024/07/08