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昭和産 Research Memo(4):4つの穀物を取り扱うポートフォリオとノウハウを用いた提案力が強み

2019/12/24 15:04 FISCO
*15:04JST 昭和産 Research Memo(4):4つの穀物を取り扱うポートフォリオとノウハウを用いた提案力が強み ■強み 同社グループは、小麦・大豆・菜種・トウモロコシの4つの穀物を国内食品メーカーの中で唯一取扱う企業である。製粉業界内におけるシェアは、日清製粉グループ本社<2002>、日本製粉<2001>に次ぐ第3位に位置する。食用油では、J-オイルミルズ<2613>、日清オイリオグループ<2602>に次ぐ第3位に位置する。さらに糖化品では加藤化学(株)、日本コーンスターチ(株)、日本食品化工<2892>に次ぐ第4位に位置している。昭和産業<2004>はいずれもトップではなく、1割から2割ほどのシェアを握っている状況である。しかし、4つの穀物を取扱うポートフォリオと同社のノウハウを用いた提案力が強みとなる。 1. 「国際バルク戦略港湾」に選定されている鹿島臨海工業地帯 世界各国から運ばれてくる多種多量の穀物を貯蔵する大型穀物サイロを鹿島・神戸・船橋の3工場を合わせて合計36.5万トン備えている。鹿島・神戸工場においては、1隻に約7万トンの穀物を搭載できるパナマックス級(パナマ運河を通航できる最大船型)大型穀物船が接岸できるバース(桟橋)も完備しており、取扱う穀物量は食品メーカーの中で日本一を誇る。原料調達の際に多種多量な穀物を扱い、大型船に一度に大量に積み込むことで、輸送コストの削減と効率化が図れる。 資源・エネルギー・食糧などの特定貨物を大量に輸入する拠点として国が選定した港湾である「国際バルク戦略港湾」に選定されている鹿島港において、同社の鹿島工場は、港の中央という一等地にある。バースには、船から穀物を吸い上げる「アンローダー」という設備が3基体制で運用されており、1時間に1,800トンの荷揚げを可能にしている。また、同一拠点に製粉・製油・糖質の工場を配置することで、大型船から荷揚げした穀物を他拠点にある工場へ輸送する手間とコストを省くことができる。さらに、優れた発電効率・環境性能を持つガスエンジンCGS(都市ガス燃料、発電出力 7,800kW、発電効率 49.5%)を鹿島工場内に設置しており、CGSと工場内の既存発電所を組み合わせることで工場における電力の自給率は約70%である。 2. 4つの穀物を取扱うポートフォリオが生かされる 原料価格がリスク要因となる。小麦については政府の国家貿易によって管理されていることから、価格変動があっても大きなリスク要因にはなりづらい。一方で、食用油(大豆、菜種)、糖質・飼料(トウモロコシ)の価格は穀物原料を海外から輸入していることから、世界の需給バランスによる原料相場に影響を受けるほか、為替相場の変動にも影響を受ける。原料相場の上昇や為替相場の円安によって原材料の価格は上昇することになるが、加工メーカーなどへの製品価格へ転嫁ができなければ、業績に影響を与える要因となる。これまでの業績推移を見ると、2015年3月期に営業利益が前期比16.5%減と、4期ぶりに営業減益に転じているが、為替市場での円安、穀物相場上昇の影響とされる。しかしながら、この時は製粉事業が好調であったため業績への影響は限定的であり、こういった意味では小麦・大豆・菜種・トウモロコシの4つの穀物を国内食品メーカーの中で唯一取扱う企業というポートフォリオが生かされていることにつながっている。 3. セブン-イレブン向け パンビジネスはグループシナジーと提案力に優位性 同社グループは、(株)セブン-イレブン・ジャパン向けに冷凍パン生地および菓子類を製造するグランソールベーカリー(株)、その冷凍パン生地を焼成する(株)スウィングベーカリーを連結子会社に持ち、小麦粉・プレミックスなどの原料供給から焼成までの一貫体制を有している。セブン-イレブンでは、コンペを経て納入業者が選定されるが、同社は市場分析はもちろん、小麦粉、プレミックス、食用油、糖化品等幅広く事業展開している利点を生かし、様々なノウハウを用いて迅速な提案活動で対応している。2018年にはカルビー<2229>が保有するガーデンベーカリー(株)の株式66.6%を取得するとともに、ガーデンベーカリーの子会社タワーベーカリー(株)をグループに取り込み、カルビーとの事業連携強化とともに、競争力のある商品の開発と生産性の向上を目指している。一例だが、グループ連携によるパン用のオリジナル原料を開発するとともに、製粉事業の小麦粉やプレミックス、油脂食品事業のオリーブオイル、糖質事業のドーナツシュガーを組み合わせることでシナジー効果を発揮し、パンの品質向上を実現している。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 村瀬智一) 《MH》
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2001 東証プライム
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時価総額 167,343百万円
国内製粉業界2位。1896年創業。小麦粉やミックス粉、パスタ、乾麺、冷凍食品等を手掛ける。パスタ関連商品は「オーマイ」ブランドで展開。配当性向30%以上目安。オーマイプレミアムブランドの販売を強化。 記:2024/08/12
2002 東証プライム
1,828
11/22 15:30
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時価総額 556,366百万円
日清製粉、日清製粉ウェルナなどを傘下に持つ持株会社。1900年創業。国内小麦粉販売シェアトップ(重量ベース)。家庭用製品でも国内トップシェア商品多数。豪州製粉事業、インドイースト事業の業績回復施策を推進。 記:2024/07/29
2004 東証プライム
2,776
11/22 15:30
-3(-0.11%)
時価総額 91,594百万円
小麦粉や植物油、コーンスターチなど食品事業が主力。昭和天ぷら粉など定番商品多数。飼料事業、植物工場なども。食品事業は堅調。価格改定効果も。植物由来タンパク質で新ブランド投入、シート状食品を外食向けに販売。 記:2024/09/27
2229 東証プライム
3,050
11/22 15:30
-8(-0.26%)
時価総額 408,486百万円
かっぱえびせん等スナック菓子大手。ポテトチップスは国内シェア高い。北米、アジアなど海外でも事業展開。25年度の海外売上高比率は30~35%目標。国内海外ともに堅調。値上げで原材料高こなす。工場効率化進める。 記:2024/10/08
2602 東証プライム
5,060
11/22 15:30
-60(-1.17%)
時価総額 170,603百万円
食用植物油大手。パーム加工品などの加工油脂、チョコレート、調味料、化粧品原料等も手掛ける。国内油脂の販売シェアは3割超。油脂事業では付加価値品の拡販図る。今期は国内油脂における販売数量増などを見込む。 記:2024/06/13
2613 東証プライム
2,135
11/22 15:30
+16(0.76%)
時価総額 71,540百万円
味の素製油、ホーネンコーポレーション、吉原製油の経営統合で誕生。家庭用油脂、業務用油脂、ミールの製造・加工・販売等を行う。国内業務用食用油の販売量シェアは約4割。油脂汎用品の価格適正化などに取り組む。 記:2024/10/20
2892 東証スタンダード
2,684
11/22 15:30
+4(0.15%)
時価総額 17,178百万円
コーンスターチ等の食品用素材、環境配慮型樹脂等の工業用素材、ファインケミカル製品等を手掛ける。三菱商事グループ。1948年創業。静岡県富士市、岡山県倉敷市の2拠点で製品を製造。食品向け澱粉は需要回復傾向。 記:2024/06/03