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シンバイオ製薬 Research Memo(1):「トレアキシン(R)」の適応領域拡大と抗ウイルス治療薬候補品の導入

2019/11/27 15:01 FISCO
*15:01JST シンバイオ製薬 Research Memo(1):「トレアキシン(R)」の適応領域拡大と抗ウイルス治療薬候補品の導入 ■要約 シンバイオ製薬<4582>は、患者数が少ないが医療ニーズの高い「がん、血液、希少疾病」領域をターゲットに、臨床試験段階からの開発を進めるバイオベンチャー。主要開発パイプラインは悪性リンパ腫向け治療薬として適応拡大が進んでいる「トレアキシン(R)」、骨髄異形成症候群(MDS)向けに開発が進んでいる「リゴセルチブ」のほか、2019年9月に抗ウイルス薬「ブリンシドフォビル(以下、BCV)」が新たに加わった。既に上市済みの「トレアキシン(R)」については適応拡大を進めると同時に、凍結乾燥注射剤から液剤タイプへの切り替えを進めるべく開発を進めている。また、2020年末にエーザイ<4523>との販売契約が終了し、自社販売体制に移行する。 1. 2021年12月期黒字化への蓋然性が高まる 同社は2019年2月に発表した中期経営計画で、2021年12月期に売上高9,132百万円、営業利益1,225百万円と黒字化を達成する目標を打ち出した。2019年に入って輸入した「トレアキシン(R)」に関する品質問題が影響して、2019年12月期業績は期初計画を下方修正したものの、2021年12月期の黒字化実現に向けた3つの戦略については順調に進んでいる。第1に、「トレアキシン(R)」の適応拡大を目的に進めてきた再発・難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)を対象とする第3相臨床試験(リツキシマブとの併用療法)で主要評価項目(奏効率)が達成されたことが発表され(2019年11月5日付)、2020年第2四半期中の承認申請、2021年中の販売開始の可能性が高まったこと、第2に、液剤タイプ(RTD製剤)への切り替えに関しては、2019年9月にRTD製剤の承認申請を行っており、2021年第1四半期の販売開始が見込まれること、第3に、自社販売体制の構築については2019年7月までに20名のトレアキシンマネージャーの採用を完了し、全国営業体制の構築に向けて順調に進んでいること、などで、特にRTD製剤への切り替えでは従来の凍結乾燥注射剤と比較して利益率も向上することになり、弊社では2021年12月期黒字化の蓋然性は高まったと考えている。 2. 抗ウイルス薬「ブリンシドフォビル」を追加 キメリックス<CMRX>(米)から導入した「BCV」は、DNAウイルスの増殖を大幅に抑制し、かつ高い安全性を持つことが特徴で、広範なDNAウイルス感染症の治療薬としての開発が期待される。まずは、注射剤にて「空白の治療領域」となっている医療ニーズの高い造血幹細胞移植後に発症するウイルス性出血性膀胱炎(vHC)とHHV-6脳炎をターゲットに、2020年から国内での臨床試験開始を目指している。また、グローバルライセンス契約を締結したことから、臓器移植の市場規模が大きい欧米市場や中国市場も含めたアジア地域での事業展開も視野に入れており、対象疾患の地域特性を生かしたパートナーシップ戦略も推進していく方針だ。なお、開発元のキメリックスに対して、契約一時金5百万米ドル(約540百万円)を2019年第3四半期に支払い、将来的なマイルストーンとして最大180百万米ドル(約194億円)、製品売上高に応じて2ケタ台のロイヤリティを支払う契約となっている。「BCV」が新たにパイプラインとして加わったことで、同社の成長ポテンシャルはさらに高まったと言えよう。 3. 業績動向 2019年12月期第3四半期の業績は、売上高で前年同期比33.8%減の2,008百万円、営業損失で3,536百万円(前年同期は1,907百万円の損失)となった。「トレアキシン(R)」の販売が品質問題により一時的にストップしたことが減収要因となっている。費用面では、研究開発費が「BCV」の契約一時金を計上したこともあり、同52.5%増の1,971百万円に、自社営業体制構築に向けた費用増等によりその他販管費が同38.3%増の2,127百万円となった。2019年12月期の業績は、売上高で前期比19.4%減の3,092百万円、営業損失で3,780百万円(前期は2,656百万円の損失)と2019年8月に修正した業績見通しを据え置いた。「BCV」の契約一時金が利益の下振れ要因となりそうだが、「トレアキシン(R)」は仕入先の製造拠点を変更し、第4四半期以降は売上も回復する見通しだ。 ■Key Points ・2019年12月期は「トレアキシン(R)」の品質問題が発生するも、2021年の黒字化に向けた取り組みは順調 ・「トレアキシン(R)」は悪性リンパ腫の標準療法として適応拡大が進み、2021年以降は液剤タイプへのシフトも進む見通し ・BCVの導入により売上の成長ポテンシャルは一段と拡大 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《ST》
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国内製薬大手。神経領域、がん領域が重点領域。抗がん剤「レンビマ」、不眠症治療剤「デエビゴ」などが主力製品。一般用医薬品でチョコラBBなど。アルツハイマー病治療剤「レケンビ」に積極的な成長投資実施。 記:2024/10/20
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がん、血液、ウイルス感染症分野がターゲットのバイオベンチャー。抗悪性腫瘍剤「トレアキシン」が主力。トレアキシンの処方患者数は3.7万人超。アデノウイルス感染症など抗ウイルス薬BCVのグローバル開発推進。 記:2024/08/19