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エーバランス Research Memo(3):グリーンエネルギー事業を軸に、主力の3事業を展開

2019/10/30 15:03 FISCO
*15:03JST エーバランス Research Memo(3):グリーンエネルギー事業を軸に、主力の3事業を展開 ■Abalance<3856>の会社概要 3. 事業内容 同社グループは、グリーンエネルギー事業を主軸に建機販売事業、IT事業の3事業を営み、グリーンエネルギーの総合カンパニーを形成している。直近3期間の事業セグメント別売上構成比で見ると、グリーンエネルギー事業が8割以上を占めており、次いで建機販売事業、IT事業と続く。 (1) グリーンエネルギー事業 太陽光発電は裾野が広くサプライチェーンも長いため発電設備の一式を単独で調達・準備することは困難といわれ、自社で提供可能な製品・サービスを峻別したうえで技術・販売面で提携可能なパートナー企業を模索することが多い。同グループではソーラー発電に関する企画・開発から施工、運営、保守・管理までを一貫して行う垂直統合型のワンストップソリューションを展開する。グループにパネル製造を行うベトナム現地法人のVSUNを有している。こうした一気通貫の体制を整備している企業は上場会社でも珍しく、他社との差別化要因となっている。 ソーラーパネル及び関連商材(パワーコンディショナ、蓄電池等)の仕入販売やソーラー発電所の売買(中古案件含む)、自社運営による売電事業等も行っているほか、エネルギー需要が旺盛な東南アジア圏にも進出しており、現地企業と合弁会社を設立しEPC事業やIPP事業などを営む。さらに、2019年からはソーラー発電のノウハウを生かし、新規事業として風力発電事業(小型、陸上)の開発を国内で開始した。 顧客は、ソーラー発電所を保有する国内外のIPP事業者のほか、地域の工務店(住宅用ソーラーパネル及び関連商材の卸販売)や一般事業会社及び公共施設等(ソーラーパネル設置工事)、B to Bビジネスに属する。ソーラーパネルは中国の大手メーカーから調達し、自社ブランド「Maxar®(マクサ)」として販売しているほか、現在はグループ会社のVSUNからの調達も開始し、VSUNパネルの国内販売会社として2019年3月にVSUN JAPAN株式会社を設立した。性能、価格面ともに中国製と遜色はなく、変換効率が上回る製品もラインナップしている。また、パワーコンディショナについては信頼性の高い大手日系メーカーから調達。ソーラー発電所の建設エリアとしては、東北から千葉圏を中心とする関東エリアのほか、近畿並びに九州エリアまで展開。主に関東エリアはWWB、九州エリアはバローズが手掛けている。 (2) 建機販売事業 WWBにおいて建設機械の販売・レンタルリースを国内及び東南アジアで推進。中古建機の取扱いで強みを持ち、中国の世界的建機メーカーである三一重工(ブランド名:SANY)やサンワードの正規代理店となっている。顧客は国内外の建設会社や土木工事会社、物流関連会社、輸出入販売会社等である。ここ最近では、東南アジアのODAプロジェクトで現地に進出している日系ゼネコン会社向けの受注を獲得しているほか、ソーラー発電プロジェクトの建設現場での利用等、事業間の連携も進んでいる。 (3) IT事業 企業の業務効率化を支援する情報共有・ナレッジマネジメントツール「Knowledge Market」の販売のほか、マイクロソフトのコラボレーションソフト「Share Point」やそのオプションとなる「Nintex Workflow」(開発元:豪Nintex)等のライセンス販売、導入支援サービスを行っている。 近年はIoT、RPA、AI等の成長分野にフォーカスしており、なかでもRPAツールとなる「Robowiser Framework」(開発元:オルタフォース(株))の受注が伸びている。同ツールはデータ入力等の定型業務の自動化にとどまらず、人の判断領域とされる非定型業務に対してもロボットAPIを搭載することで自動化できることが特徴。その他、IT技術を生かして、ソーラー発電所向けの遠隔監視システムの開発販売なども手掛ける。 IoT、RPA、AI等は成長分野であると共に市場変化が速いため、その柔軟な対応を図るために従来はAbalanceの一事業として行っていたIT事業を会社分割(簡易新設分割)の手法により、2019年10月1日からはAbit株式会社を新設し新会社の事業としてスタートを切っており、今後の動向が注目される。 4. 同社グループの強み 同社グループでは、独自のビジネスモデルを構築し、ワンストップソリューションをはじめとする以下のような強みをもつ。 (1) ワンストップソリューション 太陽光発電は裾野が広くサプライチェーンも長いため発電設備一式を自社で用意することは困難であり自社で提供可能な製品・サービスを峻別したうえで、技術や販売面で提携できるパートナーを模索するのが一般的だが、同社グループでは企画から発電システムの調達、設計・工事請負、運用・保守までワンストップソリューションで提供可能であり、他社との差別化要因となっている。(上場企業でも一貫体制を整備している会社は少ない) (2) 独自のシナジー効果 近年加速させているグリーンエネルギー事業の海外進出を可能としたのは、建機販売事業で長年培ってきたノウハウの活用にある。また、グリーンエネルギーからのデータ活用や稼働状況を適時把握するための遠隔監視装置のノウハウはIT事業から生まれている。3事業間のシナジー効果は同社独自のものであり、他社にない強みとなっている。 (3) 持続可能な投資循環サイクル 自社保有による売電収入、O&M(管理件数は累計1,000件以上)からの管理報酬を中長期的な安定収益源とするキャッシュ・フローを原資として、発電所開発への再投資を可能とする。持続可能な投資循環のサイクルの形成は、中長期の企業価値向上に寄与するものといえる。 (4) グループのVSUN、欧米向けパネル製造・販売拡大 ベトナムの現地法人VSUNは、2018年4月にベトナム政府からハイテク企業の認定を受けているほか、2019年8月公表のBloombergNEF(BNEF)にてTier1 Module Maker Listにラインクインされている。VSUNが業績反映された場合には、グループ業績の上振れ期待のほか、ベトナム国で上場した場合には更なるビジネスの拡大が見込まれる。 (5) 収益源の地域分散化 グリーンエネルギー事業、建機販売事業は国内のみならず海外で幅広く事業展開。太陽光発電における国内市場のシュリンクや少子高齢化による内需減退が懸念されるなか、アジアを中心とする海外における事業の拡大、そのための先行投資を積極的に行っていることは収益源の地域分散化のほか、カントリーリスク、為替リスクのヘッジにも寄与。 (6) IT成長分野へのフォーカス 同社のIT事業は、2019年10月から会社分割(簡易会社分割)により設立されたAbit株式会社に承継されている。成長分野である一方、市場変化が速いIoT、RPA、AI等の先端分野へリソースをフィットさせる狙いがある。最近受注が好調に推移してきたホワイトカラーの生産性向上を企図したナレッジ・製品の提供のほか、IoTの技術が銀行・保険等の金融分野だけでなく農林水産等の分野にも裾野が広がっており、豊富な経験に基づくファリシリテーションにも定評がある同事業にはビジネス機会が多く存在している。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《MH》
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太陽光発電システムなどグリーンエネルギー事業が主力。太陽光パネル製造事業、IT事業なども手掛ける。太陽光パネル製造事業は堅調。米国向けパネル販売は底堅い。売上原価は減少。24.6期1Qは大幅増益。 記:2024/02/25