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日本再生可能エネ Research Memo(2):太陽光発電等の再生可能エネルギー発電設備が主な投資対象

2019/10/17 15:02 FISCO
*15:02JST 日本再生可能エネ Research Memo(2):太陽光発電等の再生可能エネルギー発電設備が主な投資対象 ■概要・特長 1. 同投資法人及びそのスポンサー 日本再生可能エネルギーインフラ投資法人<9283>は、2016年8月2日に設立登記され、2017年3月29日に、東京証券取引所インフラファンド市場に3番目のインフラファンドとして上場した。決算期は年2回(発電量の多少に伴う収益の季節性を排除するために1月と7月の年2回決算にしている)である。 同投資法人では、自然の活動によってエネルギー源が絶えず再生される再生可能エネルギーの導入・普及は、持続可能な社会を実現するために社会全体で取り組むべき重要な課題の1つであると考え、化石燃料に比べて「枯渇の心配がなく」「どこにでも存在し得る」「CO2をほとんど排出しないクリーンエネルギー」などの特長を持つ再生可能エネルギー発電設備等を主な投資対象として、安定的なキャッシュ・フローと収益を創出する投資機会を投資家に提供することを目指している。また、再生可能エネルギー発電設備等に対する投資運用を通じて地域経済の活性化及び発展に貢献し、環境関連産業の育成や雇用の創出といった新たな取り組みも促す。同投資法人は、このような投資を通じて得られる安定的なキャッシュ・フローと収益により、中長期的に投資主価値を最大化することを目指している。 同投資法人では、スポンサーサポート契約に基づきスポンサー兼オペレーターであるリニューアブル・ジャパンが保有する再生可能エネルギー発電設備運営の終始一貫した事業体制を最大限活用し、またスポンサーの全額出資子会社である資産運用会社(アールジェイ・インベストメント)独自のネットワークを活用すること等により、同投資法人の成長を図る計画である。 同スポンサーは、「再生エネルギー事業本部」及び「運営事業本部」などの下に多様な部署を編成し、再生可能エネルギー発電設備等の開発及び運用における各段階において、スポンサーのノウハウ(情報収集・分析力、企画・開発力、資金調達力、運営・管理力)を生かした終始一貫した事業体制を構築している。また、同スポンサーは、自らが有している再生可能エネルギー発電設備等の運営手法にかかる情報や資産運用業務の遂行に必要な再生可能エネルギー発電設備等の運営管理の知識及びノウハウ等を同資産運用会社に提供することになっている。さらに、同スポンサーは、再生可能エネルギー発電設備等の運営手法にかかる情報や資産運用業務の遂行に必要な再生可能エネルギー発電設備等の運営管理の知識及びノウハウ等を同資産運用会社が可能な限り活用することを目的として、同資産運用会社において必要とされる人材の確保につき、合理的な範囲で協力することにもなっている。 このように、同スポンサーが有するノウハウや人材の活用に加え、同スポンサーの豊富なパイプラインによって、同投資法人では長期的な事業拡大、成長を見込むことができると考えられる。 なお同ファンドでは、オペレーターSPCの設置によってスポンサー/オペレーターから倒産隔離されており、万が一スポンサー/オペレーターが倒産した場合にも、ファンドの運用が直ちに停止しない仕組みを構築している。これは、インフラファンドとして同投資法人が初めて完全な形で導入した特色である。 さらに、スポンサーではFIT制度により認定取得済で未着工・未稼働の太陽光発電設備が大半を占めていることから、将来の電力買取価格低下の影響を受けないことはスポンサーとしての大きな強みだろう。また同投資法人は、同スポンサーが開発中の太陽光発電所を優先的に買い取る権利を有している。 2. 投資方針とポートフォリオの状況 政府のエネルギー政策によれば、日本の発電電力量に占める再生可能エネルギーの割合が今後拡大する見通しであることから、同投資法人では再生可能エネルギー発電設備等を主たる投資対象とする。その中でも、太陽光発電設備等への投資を90%以上(取得価格ベース)とし、風力発電設備等、地熱発電設備等、小水力発電設備等、バイオマス発電設備等、その他の再生可能エネルギー発電設備等への投資も検討する計画である。 同投資法人は2019年8月に公募増資(33,079口)を実施し、第三者割当(1,653口)と合わせて3,153百万円を調達した(発行済総投資口数156,398口)。これに伴い、新規の太陽光発電所11物件を8,178百万円で取得し、20.14MWのパネル出力を追加した。この結果、2019年9月12日現在の同投資法人のポートフォリオは、太陽光発電設備が100%を占め、取得物件数合計は46物件、資産規模(取得価格合計)は34,801百万円、合計パネル出力は88.691MWになっている。2017年3月の上場時の保有物件数8物件/資産規模8,258百万円に比べて、2年半で保有物件数は約5.8倍、資産規模は約4.2倍に成長している。この結果、保有物件数は上場インフラファンド6銘柄合計の117件の中で最多を占めている。 地域別には、上場時には東北、近畿、中国、四国だけであったが、その後、新たに北海道、関東、中部、九州の物件を組み入れている。発電設備を日本国内の広い範囲に分散することにより、災害や地域的な天候不順、電力会社による出力制御などによる影響を分散・極小化し、所在地管内の電力需要を勘案しつつ、より安定的な発電を目指していることは注目される。また、買取電力会社も分散されており、今後の売電安定性も評価できる。 なお、2019年9月時点で保有する発電所46物件のうち、11物件は資産運用会社独自ルートによるセカンダリーマーケットからの資産取得であり、今後もスポンサーのパイプラインに加えてセカンダリーマーケットからの取得が同投資法人の中長期的な成長に貢献すると見られる。 3. 安定的に分配金を提供する仕組み 同投資法人及びスポンサーでは、投資家に対して安定的に分配金を提供するための仕組みを構築していることも重要な特長である。その仕組みとは、第1に、オペレーターSPCがオペレーター兼スポンサー(リニューアブル・ジャパン)から倒産隔離されており、スポンサーが万一の場合にも発電や分配金支払い等に影響がない仕組みにしている。 第2に、賃料等積立口座に基本賃料1年分の12の3相当額を積み立てており、仮に天候不順、自然災害、出力制御等の影響で予想より売電料収入が少なかった場合には、賃料等積立口座から補うことで基本賃料を支払い、投資家には予定どおりの分配金を支払うことができる。 第3に、平年より日射量が多く、売電収入が予想の110%を上回った場合には、基本賃料に変動賃料を上乗せすることで、ボーナス分を投資家に分配する仕組みを採用している。 第4に、オペレーターSPCにおける発電事業リスクへの対策として、自然災害による発電所毀損のリスクに対してはオペレーターSPCが利益総合保険に加入しており、自然災害発生時にも売電収入が減少しないように対策を施している。実際、2019年9月9日に上陸した台風15号は千葉県を中心に甚大な被害を及ぼしたが、同投資法人が所有する2発電所には損傷はなかったものの、送電線網の破断など東京電力ホールディングス<9501>側のトラブルに伴う収入減は保険でカバーされる見通しである。加えて、利益総合保険のオプションとして、九州で発生している電力会社による出力制御に伴う利益減少リスクに対しては、必要時にはオペレーターSPCが出力制御保険を付保することで、売電収入の減少をカバーする方針である。 以上から、投資家は同投資法人に安心して投資をすることができ、また魅力的な利回りを享受できると弊社では考える。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希) 《YM》
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電力事業を行う東京電力グループの事業持株会社。福島第一原発の廃炉作業や賠償・除染事業に重点。電気代の値上げは寄与するが、原油高や節電進み環境厳しい。柏崎刈羽原子力発電所7号機は再稼働の時期を見通せず不透明。 記:2024/07/13