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RSテクノ Research Memo(7):生産能力拡大を軸に成長に取り組む

2019/9/26 15:37 FISCO
*15:37JST RSテクノ Research Memo(7):生産能力拡大を軸に成長に取り組む ■RS Technologies<3445>の再生ウェーハ事業の成長戦略と進捗状況 1. 中核事業としての再生ウェーハ事業 プライムウェーハ事業に進出した現在でも再生ウェーハ事業の重要性は何ら変わらない。プライムウェーハと並ぶ成長エンジンの1つという位置付けだ。投資を抑制しながら業容拡大進めてきたこともあり、収益性では再生ウェーハ事業がプライムウェーハ事業を大きく上回っており、当面は収益の中核事業としての座は揺るがないと言える。 再生ウェーハ事業の成長戦略は大きく2つの軸から成ると弊社では理解している。1つは生産能力の拡大による成長だ。「世界シェア40%」の達成・維持を計数目標に掲げている。もう1つの軸は潜在的市場の開拓、すなわち新市場の創出による成長だ。これは同社固有の技術である金属膜除去技術がカギとなる。 このうち、生産能力拡大については2017年12月28日付で能力増強計画が発表されており、現在は着々と投資が進捗している状況だ(詳細は後述)。 一方、金属膜除去技術については、2017年12月期中に一部顧客から認定を取得したことが明らかになった。それを受けて2018年12月期から実際の受注がスタートするかに思われたが、これまでのところは具体的な進展はない。同社自身はこの技術の商業化をあきらめてはいないもようだが、現状では再生ウェーハ事業については能力増強に意識を集中させているものと弊社ではみている。 三本木工場で月産2万枚、台南工場で同3万枚の12インチ再生加工能力を増強。計画どおり2019年夏から順次稼働の見込み 2. 再生加工能力の増強計画 2017年12月に同社は再生加工を手掛ける三本木・台南両工場における能力増強投資を発表した。再生加工における主力製品は12インチウェーハとなっており、今回の能力増強も12インチウェーハについての増強となる。 同社の12インチウェーハの再生加工能力は、2017年までは三本木工場が月産20万枚、台南工場が同10万枚の計30万枚となっていた。その後、両工場においてデボトルネックを実施し、2018年にはそれぞれ月産22万枚、12万枚へと生産能力を増強した。しかしながら増加の一途をたどるウェーハ再生加工需要を背景に、もう一段の能力増強が必要と判断し、今回(2019年)の増強投資に踏み切った。 今回の能力増強投資は、三本木工場で月産2万枚、台南工場で同3万枚となっており、投資額はそれぞれ7億円を予定している。設備の導入は順調に進んでおり、2工場とも予定どおり2019年夏(第3四半期)から新設備が順次稼働する予定となっている。 弊社では、今回の能力増強投資は、規模、タイミングともに適切なものだと考えている。現状、三本木・台南両工場ともフル稼働が続いて顧客からの需要の応じきれなくなりつつある。他方、増強投資を行うと生産能力は階段状に増えるため、設備稼働率が一時的に低下して収益性の低下につながる。2万枚~3万枚という増設規模は顧客対応と収益性維持の両立の最適解だと考えている。 しかしながら、2019年の能力増強投資はあくまで途中経過に過ぎず、建屋に余裕がある三本木工場においては、2020年と2021年と2年間で合計14億円を投下し、月産27万枚へとさらに3万枚の能力増強を計画している。2019年の増設投資(2万枚の増設に対して7億円の投資額)と比較すると投資効率が悪化する計画となっているのは、デボトル投資効率の低下によるものと考えられる。 再生ウェーハの需要量は、世界の半導体生産に投入されるシリコンウェーハの総枚数の約20%~25%と言われている。2017年頃は12インチウェーハの世界需要は月間500万枚~520万枚と言われており、そのうち約20%に相当する100万枚~120万枚が再生加工需要とされていた。2019年の現時点ではその数が、12インチウェーハ世界需要600万枚、再生ウェーハ需要120万枚~150万枚へと一段増加した状況にある。同社はかねてより世界シェア40%を目標として掲げているが、市場自体が成長しているため、世界シェア40%を維持するためには同社自身も能力増強を図ることが不可欠な状況となっている。 前述のように2021年に三本木工場が月産27万枚体制(台南工場も合わせた全社ベースでは同42万枚)体制となった後については、さらに抜本的な能力増強の検討を迫られる可能性がある。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之) 《SF》
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時価総額 89,946百万円
シリコンウェーハ再生事業、プライムシリコンウェーハ製造販売事業、半導体関連装置・部材等を手掛ける。再生ウェーハで世界トップシェア。半導体関連装置・部材等では営業活動の強化により、新規市場開拓を図る。 記:2024/10/05