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ピアラ Research Memo(3):業界特化型マーケティング支援企業で、成果にコミットするKPI保証が特徴(2)
2019/9/24 15:03
FISCO
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*15:03JST ピアラ Research Memo(3):業界特化型マーケティング支援企業で、成果にコミットするKPI保証が特徴(2) ■会社概要 2. グループ体制と事業内容 (1)子会社の状況 ピアラ<
7044
>の事業は、同社及び連結子会社5社により構成されている。子会社のうち、沖縄県でマーケティングオートメーション・データ・コンテンツの研究やアプリケーション開発を行う(株)PIALab.では、2018年5月に徳島支社として「徳島おもてなし研究センター」を開設しており、同拠点にてコールセンター業務(アルバイトを含めて65名程度)を立ち上げており、今後はチャットやメルマガ等に領域を拡げつつ、人とテクノロジーによる新たな「おもてなしサービス」を開発していく予定となっている。これまで、同社ではコールセンター業務については外部委託(8カ所、20拠点)していたが、今後一部を内製化する。 タイのPIATEC(Thailand)Co., Ltd.は、システム開発・制作業務とタイへの進出支援業務や和食料理動画メディア「Channel J(チャンネルジェイ)」の運営を行っている。また、中国の比智(杭州)商貿有限公司では、大手ECサイト(天猫/淘宝網等)や、大手SNS(微信、微博)などを活用したマーケティング企画、制作、デザイン、広告運用等を行っている。 (2)事業内容 同社グループは「全ての行動がWINの世界を創る」という経営理念のもと、「Smart Marketing for Your Life」をビジョンとし、「ECトランスフォーメーション」※を推進している。顧客がより良い商品に出会い、購買自体を楽しんでもらうことに価値を見出し、顧客満足を最大化することをミッションとし、B&H及び食品市場にフォーカスし、ECを運営するクライアントに対して新規顧客獲得から顧客育成までの各種マーケティング支援を行っている。 ※「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念である「デジタルトランスフォーメーション」を同社グループの事業基盤に当てはめて再定義した造語。ここ数年で、ECを取り巻く環境は劇的に進化しており、スマートフォンの普及による購買行動やコミュニケーションの変化、SNSの活用、アドテクノロジーの進化、大手ショッピングモールのIDが自社ECでも利用可能になるなど、ECを取り巻く環境変化に対応するにはそれ相応のコストと知見が必要になる。ECトランスフォーメーションは、この環境変化に対応し企業指標を達成するために、最適なソリューション選択、総合したマーティング活動の効率化とエンゲージメントを高めることで、消費者とのより良好な関係の構築を目指している。 サービス別では、ECマーケティングテック※及び広告マーケティングに分けており、2018年12月期の売上構成比ではECマーケティングテックが71.5%を占める主力サービスとなっている。主にB&Hや食品業界に特化して事業展開している。国内の総人口は減少傾向にある一方でシニア層は今後も当面は増加傾向が続くため、アンチエイジングや予防医薬など健康・美容志向の高まりにより、これら市場も安定成長が見込まれるためだ。また、これら市場はデジタルマーケティングとの親和性が高く、同社がこれまで蓄積してきた専門的なノウハウやビッグデータ分析とAI技術の活用により、競合と比較してもより費用対効果の高いマーケティング支援が可能であると考えているためだ。 ※マーケティングとテクノロジーの融合を表した造語。テクノロジーによってマーケティングを最適化すること、またそのためのテクノロジーそのものを指し、MAツールやECカートシステムなどの各種ソリューションのほか、DMP(p6参照)、AIなどが含まれる。 a)ECマーケティングテック ECマーケティングテックは、B&H及び食品領域の通販企業向けに対して、独自開発の「RESULTシリーズ」を利用したKPI保証型サービスを提供している。累計600社以上のマーケティング支援におけるノウハウや独自のデータ蓄積を基に、B&H及び食品領域特化型のユーザーの悩み別にデータを蓄積したDMP※(過去の事例に基づく選好情報、属性等)とAI機能を搭載した「RESULT MASTER」を中心に「RESULTシリーズ」をクライアントまたは同社、もしくは両社で利用することで行われる。新規クライアントに関しては約8割が広告代理店等からの紹介となっている。 ※DMP(Data Management Platform):オンライン上に蓄積された様々な情報データを管理するためのプラットフォーム。DMPを活用することで各種情報をセグメントでき、個々のユーザーに合わせたOne to Oneマーケティングが可能となる。 ユーザーの悩み別にデータを蓄積している強みは、ソーシャルメディアから収集するデータのなかからヒットした商品の条件をリアルタイムに取り込みデータ管理するだけでなく、例えば“しみ”や“しわ”などユーザーの悩み別にタグ付けすることで、AIにより顧客の商品一つひとつに最適化したマーケティング施策を導き出すことができる点にある。 また、KPI保証とは、クライアントの商品を新規顧客が購入するためにかかる「新規顧客獲得単価」を同社が保証することを言う。例えば、最初にクライアントと交渉し、KPIとなる「新規顧客獲得単価」を決定したうえで、同社が「RESULT MASTER」からの情報と独自で蓄積してきたノウハウ(人による判断を含む)を基に、最適化したマーケティング予算配分に基づき、広告出稿する媒体(各種ポータルサイト、ソーシャルメディア、Youtube 等の動画メディア等)やアフィリエイト、ディスプレイ広告等の広告手法を決定し出稿を行う。なお、広告手法のうち、1~2割は新技術や新手法にも取り組んでいる。全ての広告手法においてデータを蓄積していくことが重要と考えているためだ(最近では、Vtuberがリアル映像を交えながら商品を紹介する動画広告の反響が大きい)。これらマーケティング施策の結果として、新規顧客がクライアントの商品を購入した場合に、「購入した新規顧客数×新規顧客獲得単価」が成果報酬となり、同社の売上高として計上されることになる。なお、料金プランとしては1案件当たり最低50万円からとしている。KPIには新規顧客獲得のほか、定期購入への入会、休眠顧客による再度購入など様々な設定があるが、現在は約9割が新規顧客獲得をKPIとしている。 クライアント側から見れば、新規顧客1人の獲得に対し、事前に決められた一定対価のみの支払で済むため、費用対効果が事前に確定していることになる。一般的なマーケティング支援サービスでは、プロモーションの予算が決められ、その枠内で各種広告運用を行っているが、結果的に成果が当初の目標に達しないケースもある。その場合、費用対効果が低下したことになるが、KIP保証サービスの場合、結果に応じて対価が発生するためそうしたリスクはなく、結果、クライアントも利用しやすいサービスとなっている。 なお、同社における費用の大半は各種媒体への広告掲載料で占められ、売上原価として計上される。主要な媒体は、Google、Yahoo!、LINE、Facebookなどで、2018年12月期まではYahoo!が全体の約4割を占めていたが、2018年12月以降、B&H領域の広告規制を実施した影響で構成比率は大きく低下している。また、売上高が成果報酬型であるのに対して掛かる費用は変動するため、プロモーション案件ごとに利益率も変動する(売上総利益率で3~30%レンジ)。このため、収益性が悪化するリスクもあるが、同社では事業リスク軽減のための施策として、KPI保証で「顧客獲得件数に関する保証はしないこと」、また、当初見込んでいたマーケティングの成果が出なかった場合のコストカットルール(一定期間トレーディングの実績がない場合、累積損失額が一定水準を超えた場合等)を社内で設け、自動的にストップするようにしている。仮にコストカットルールに抵触した場合でも、当該クライアントとの信頼関係は変わらず、他の商品に切り替えて再度プロモーションに取り組むケースが多いと言う。 b)広告マーケティング 広告マーケティングは、「RESULTシリーズ」を利用しないマーケティング支援サービスとなる。クライアントのダイレクトマーケティングにおける課題に合わせて、通常の媒体から地方紙、エリア限定誌等のニッチな媒体まで多様かつ最適な媒体や手法を提案することでEC支援を実施している。また、同社独自の取り扱い広告枠といった独自媒体も展開し、広告枠の販売やテレマーケティング、DM、リアルイベント、WEB動画やバズマーケティングのほか、中国等海外への進出支援事業(WEBマーケティングやサイト制作、SNS運用やセールスプロモーション等)などを展開している。 クライアントから得る収益モデルは、支援サービスの成果に関係なく一定額の報酬(手数料)をクライアントから得るビジネスモデルだが、直近ではクライアントの課題や予算を基に設定したKPIの成果に応じた報酬を請求する、KPI保証型サービスへのシフトを進めている段階にある。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《YM》
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ピアラ
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時価総額 1,952百万円
EC支援事業を展開。KPI保証サービスが主力。通販DXサービス、広告マーケティング等も手掛ける。ヘルスケア&ビューティ、食品市場が主要事業領域。通販DX事業ではSNSellマーケティングなどに注力。 記:2024/10/12
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