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Jトラスト Research Memo(1):2019年3月期で想定リスクに手当て、2019年12月期から業績回復基調に

2019/9/9 15:01 FISCO
*15:01JST Jトラスト Research Memo(1):2019年3月期で想定リスクに手当て、2019年12月期から業績回復基調に ■要約 1. アジアを中心に発展を目指す金融グループ Jトラスト<8508>は、東証2部に上場しており、傘下に国内外の金融事業、非金融事業などを有するホールディングカンパニーである。国内外で数々のM&Aにより成長を続けてきた結果、日本金融事業、韓国及びモンゴル金融事業、東南アジア金融事業を中心に2019年6月末の総資産は624,006百万円の規模に拡大している。2019年3月期には東南アジア金融事業および投資事業において大幅な営業損失を計上したが、不良債権の抜本的処理を断行し、2019年12月期からの業績回復への道筋を付けた。今後も、アジアでの金融事業を中心にグループの成長を図るとの収益モデルに変更はない。 2. 2019年12月期第1四半期は、韓国及びモンゴル金融事業が東南アジア金融事業をカバー 2019年12月期第1四半期の営業収益は18,279百万円(前年同期比5.1%増)、営業利益は481百万円(同40.4%減)の増収減益決算であった。日本金融事業は、信用保証業務と債権買取回収業務が安定的に推移して同11%増益となった。保証残高がアパートローンを中心に増加し、不良債権の買取も引き続き好調であった。また、韓国及びモンゴル金融事業も、貸倒引当金繰入額の減少と不良債権売却益などにより同75%増益となった。債権の「質」を重視し、安定した貸出資産の維持に努めており、サービサーにおける不良債権買取も順調である。一方、2019年3月期決算で不良債権の抜本的な処理を実施した東南アジア金融事業では、営業損失を計上した。銀行業ではアセットの減少に伴い収益減となり、サービサー事業では銀行から移管された不良債権への貸倒引当金を計上した。また、前期にGroup Lease PCL(以下、GL)に対する債権の全額に対して貸倒引当金繰入額を計上した投資事業でも、小幅の損失を計上した。 3. 2019年12月期は小幅の営業黒字を計画するが、計画を上回り着地する可能性大 同社では、海外子会社の増加に伴い、決算期を3月から12月に変更する。それに伴い、2019年12月期は9ヶ月決算となり、営業収益は64,397百万円、営業利益は61百万円を予想する。ただ、韓国及びモンゴル金融事業が好調で、日本金融事業も堅調であったことから、営業利益は第1四半期段階で通期の計画を上回っており、最終的に計画を上回って着地する可能性が大きい。日本金融事業では、新たな保証商品の開発やサービサー事業の安定成長などにより、安定した利益を計上する。韓国及びモンゴル金融事業では、金融規制の変更にも柔軟に対応して、利益確保につなげる。一方、東南アジア金融事業では小幅損失を見込むが、グループの精鋭メンバーを中心に銀行の再建に取り組むとともに、マルチファイナンス会社のPT JTRUST OLYMPINDO MULTI FINANCE(以下、JTO)を主軸に良質な債権を積み上げる。さらに、2019年8月にはカンボジアの優良銀行であるANZ Royal Bank(Cambodia)(以下、ANZR)を傘下に収め、JTrust Royal Bank (以下、JTRB)に商号変更をした。2019年3月期決算で、現状想定できる限りのリスクに対して手当てを行ったことで、2019年12月期からの業績回復を目指すための準備が整ったと言えるだろう。なお、配当については早期の業績回復を優先するために年間1円への減配を予定する。 4. 2020年12月期以降は、東南アジア金融事業を中心に本格的な業績回復を予想 中期的には成長可能性が大きい東南アジア金融事業を原動力として、同社グループは持続的な成長を目指している。2019年12月期には黒字転換を果たし、2020年12月期の営業利益は60億円へ、さらに2021年12月期には100億円規模に拡大すると見込まれる。日本金融事業、韓国及びモンゴル金融事業では安定的な利益を稼ぐ一方、東南アジア金融事業では、引き続き銀行の経営再建を進めるとともに、JTOを中心に貸付金額の増加を図る計画だ。また、JTRBは安定した利益貢献を続けると見られる。さらに、投資事業では、貸倒引当金の戻入れによる利益計上が期待される。2020年12月期以降は、東南アジア金融事業の改善を中心に、本格的な業績回復基調に入ると見る。 ■Key Points ・日本金融事業、韓国及びモンゴル金融事業、東南アジア金融事業など、アジアを中心に発展を目指す金融グループ ・2019年12月期第1四半期は481百万円の営業利益を確保した。韓国及びモンゴル金融事業の大幅増益が東南アジア金融事業の損失をカバーした ・2019年12月期は、営業利益61百万円にとどまると予想。ただ、第1四半期の実績を考えると、計画を上回って着地する公算が大きい。2020年12月期からの本格的な業績回復に向けて、東南アジア金融事業の再建に注力する ・同社グループの収益モデルに変更はなく、今後は潜在成長性が大きい東南アジア金融事業を原動力として、持続的な成長を目指す計画である (執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希) 《YM》
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