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ケネディクス Research Memo(1):足元業績は受託資産残高拡大に伴って安定収益が順調に成長

2019/9/6 15:11 FISCO
*15:11JST ケネディクス Research Memo(1):足元業績は受託資産残高拡大に伴って安定収益が順調に成長 ■要約 ケネディクス<4321>は、国内最大の独立系不動産アセットマネジメント会社である。1995年の設立以降、日本の不動産証券化ビジネスの勃興期から活躍するとともに、不動産アセットマネジメント会社の草分けとして業容を拡大してきた。メインスポンサーJ-REITの3銘柄や私募REITのほか、多数の私募ファンドを運用しており、受託資産残高(以下、AUM)は2.2兆円を超える。国内外の機関投資家や年金基金など幅広い投資家層を顧客基盤に持つ。堅調な不動産市況に加えて、同社が目指してきた「ケネディクスモデル」※が本格稼働フェーズに入ってきたことから、ここ数年の業績は順調に拡大基調にある。最近では、ホテルや住宅を対象としたコアファンドの設立のほか、「アウトバウンドファンド」や「デジタルセキュリタイゼーション」など、将来を見据えた新規分野の拡大にも積極的に取り組んでいる。また、新たな不動産投資の仕組みである不動産クラウドファンディング事業についても順調に立ち上がってきた。 ※不動産を自ら保有せず、グループで組成・運用するファンドが保有することにより、安定的な収益力を追求する収益モデル。 同社は、2015年に定めた長期ビジョン「Kenedix Vision 2025」のもと、2018年12月期からは、新たな3ヶ年の中期経営計画「Partners in Growth, Next 2020」をスタートした。新中期経営計画は、前中期経営計画の方向性を継承し、「ケネディクスモデルの発展期」と位置付けられている。すなわち、同社の強みである投資案件の組成力と運用力を高め、顧客投資家層を拡大し、「ケネディクスモデル」を多方面に発展・深化させることで、同社の収益基盤を一層強化する。また、機動的な投資と健全な財務体質を維持しながら、資本の有効活用と株主還元の充実を図り、不動産アセットマネジメントのリーディングカンパニーとして企業価値の一層の向上を目指す方針である。定量計画として、ROE(3年平均)10%以上、総還元性向(3年平均)50%以上を掲げている。 2019年12月期上期の業績は、営業収益が前年同期比30.5%減の34,217百万円、営業利益が同32.1%減の6,923百万円、経常利益が同27.1%減の7,237百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同47.0%減の4,963百万円と各段階利益で減益となったが、通期予想に対しては順調に進捗している。減益となったのは、前年同期と比べて不動産売却益が減少したことが理由であり、AUMの拡大に伴ってアセットマネジメントフィーを中心とした安定収益が順調に伸びているところは評価すべきポイントである。 2019年12月期の業績予想について同社は、期初予想を据え置き、営業総利益を前期比0.4%増の22,100百万円、営業利益を同0.6%増の14,600百万円、経常利益を同6.9%増の14,600百万円、親会社株主に帰属する当期純利益を同18.1%減の10,100百万円と見込んでいる。営業総利益は、不動産投資事業が減益となるものの、アセットマネジメントフィーを中心とした安定収益の増加によりカバーすることで増益を確保する見通しである。一方、親会社株主に帰属する当期純利益が減益となるのは、前期における特殊要因(物件売却益上振れの影響等)のはく落や法人税等の増加が理由であり、業績トレンドの後退を示すものではない。したがって、業績の伸びは一旦緩やかになるものの、「ケネディクスモデル」は引き続き順調に進展するものと捉えることができる。また、配当についても、安定収益基盤の確立を踏まえ、中間配当を開始するとともに、前期比8円増配の1株当たり15円(中間7.5円、期末7.5円)に大きく引き上げる予定である。 同社の中長期的な成長戦略は、これまでの「メインスポンサーREIT」と「私募ファンド」の2つの事業の柱に加えて、新たな成長軸である「アウトバウンドファンド」(海外展開)及び「デジタルセキュリタイゼーション」(クラウドファンディング事業との連携を含む)の推進により、投資対象及び投資家層の拡大を図りながらAUMの成長を目指すものである。弊社でも、「ケネディクスモデル」を確立してきた同社にとって、外部環境(好調な不動産投資ニーズの継続等)を追い風としながら、持続的な成長を実現することは可能であると評価している。最大の課題は、AUM4兆円の達成に向けていかに拡大ペースを引き上げていくのかにあるだろう。特に、「アウトバウンドファンド」や「デジタルセキュリタイゼーション」がどのように業績に寄与してくるのかに注目したい。 ■Key Points ・2019年12月期の上期業績は減益ながら、通期予想に対してはおおむね計画どおりの進捗 ・前年同期に比べて不動産売却益(不動産投資損益)が減少した一方、AUM拡大に伴って安定収益(ベース利益)は順調に成長 ・2019年12月期の通期予想を据え置き。安定収益を軸として高い業績水準を継続する見通しであり、大幅な増配を予定 ・今後は、「メインスポンサーREIT」と「私募ファンド」の2つの事業の柱に加えて、新たな成長軸である「アウトバウンドファンド」及び「デジタルセキュリタイゼーション」の推進によりAUMの成長を目指す (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) 《YM》
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独立系の不動産ファンド運営会社。不動産管理・運営も。20.12期はコロナ禍に伴う運営ホテルの一時休業などが痛手に。三井住友F&リースによるTOBが成立。3月19日付で上場廃止に。伊藤忠との業務提携は解消。 記:2021/03/09