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Jオイル Research Memo(1):引き続き第五期中期経営計画に沿って戦略展開

2019/7/9 15:21 FISCO
*15:21JST Jオイル Research Memo(1):引き続き第五期中期経営計画に沿って戦略展開 ■要約 J-オイルミルズ<2613>は、(株)ホーネンコーポレーション、味の素製油(株)、吉原製油(株)の3社が統合して設立された油脂メーカー大手である。大豆など輸入原料を国内で搾油し、国内で油脂・油糧製品を製造販売する油脂事業を主力としている。ほかにマーガリンや粉末油脂などの油脂加工品事業、スターチや化成品などの食品・ファイン事業も展開している。強みは、統合した3社がそれぞれに培ってきたノウハウや技術にあり、味の素製油は油脂のおいしさの研究や「AJINOMOTO」ブランドによる高い認知度、ホーネンコーポレーションは原料を使い切る取り組みや業務用における強固な営業基盤、吉原製油は油種のバラエティや顧客に対する課題解決力が強みとなっている。こうした強みを相乗的に生かし、商品の高付加価値化や事業の効率化を進めている。 中期的な基本方針は成長戦略と構造改革だが、同社は第五期中期経営計画(2017年度−2020年度)の力点を特に成長に置いているようだ。人口減少などで数量の増加を期待しづらい国内では、油脂などの高付加価値化及び業務用におけるソリューション事業の強化が、成長のための重点戦略となっている。同社は、業務用として長持ち油「長調得徳®」やプロのための調味油「J-OILPRO®」シリーズといった調理場の課題を解消する商品を有している。家庭用には、需要が増しているオリーブオイルやプレミアムオイルなどを販売している。このように同社は、高付加価値化とソリューションをバネに、「あぶら」を究めることでおいしさを創造する「おいしさデザイン企業」への進化を図っている。 2019年3月期の業績は、売上高186,778百万円(前期比1.9%増)、営業利益5,663百万円(同41.4%増)となった。高付加価値品の拡売、価格重視の販売戦略、良好なミール相場などにより油脂事業が好調に推移、油脂事業のセグメント利益は4,919百万円(同102.3%増)と好調であった。油脂加工品事業は粉末油脂の部門の販売数量減にマーガリンの原料費の上昇が重なってセグメント利益が148百万円(同68.8%減)、食品・ファイン事業は原料高及び一部製品の価格改定遅れからセグメント利益が458百万円(同47.7%減)と厳しかった。加えて積極的な宣伝販促や運賃上昇などコストプッシュもあったが、油脂事業の好調でカバーし、全体では増収大幅営業増益を達成した。 2020年3月期業績見通しについて、同社は売上高190,000百万円(前期比1.7%増)、営業利益6,500百万円(同14.8%増)を見込んでいる。油脂コストの上昇や物流費の増加を、販売価格の改定や高付加価値品の販売強化、広告費の効率化などでカバーして営業増益を達成する計画になっている。油脂事業が高付加価値品の拡大や汎用品の収益力改善、油脂加工品事業が製菓・製パン領域の強化や粉末油脂の拡大、食品・ファイン事業がソリューション提案力の強化やSOYシートの拡大、ケミカルの強化——を推進するなど、各事業とも引き続き第五期中期経営計画の基本方針に沿って戦略展開していく計画である。2021年3月期目標の営業利益80億円以上、ROE5.0%以上へ向けて弾みを付ける。なお、ROEは2018年度で5.6%と前倒しで達成した。2019年度でも更に向上を図り、2020年度において、より高い水準を目指す考えである。 ■Key Points ・統合3社の強みを相乗的に発揮する油脂メーカー大手 ・商品の高付加価値化とソリューション提案を強化 ・2020年3月期も成長戦略を中心に中期経営計画に沿って事業展開 (執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) 《YM》
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時価総額 71,540百万円
味の素製油、ホーネンコーポレーション、吉原製油の経営統合で誕生。家庭用油脂、業務用油脂、ミールの製造・加工・販売等を行う。国内業務用食用油の販売量シェアは約4割。油脂汎用品の価格適正化などに取り組む。 記:2024/10/20