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飯野海運 Research Memo(6):外航海運業は市況低迷や入渠費用増加で大幅減益、内航・近海海運業は大幅増益

2019/7/3 16:06 FISCO
*16:06JST 飯野海運 Research Memo(6):外航海運業は市況低迷や入渠費用増加で大幅減益、内航・近海海運業は大幅増益 ■飯野海運<9119>の業績動向 2. セグメント別の業績・取組状況 セグメント別(連結調整前)の業績及び取組状況は以下のとおりである。 (1)海運業 外航海運業は売上高が前期比4.9%増の64,873百万円、営業利益が同66.0%減の583百万円だった。売上面ではケミカルタンカーの新造船竣工による隻数増加、オイルタンカーやガスキャリアの中長期契約への継続投入などで増収だった。利益面では、ドライバルクが不採算船処分などの構造改革効果、市況上昇のタイミングを捉えた配船などの効果で採算改善したが、ケミカルタンカーが市況低迷や入渠費用の増加など、大型ガスキャリアが売船による隻数減少や2018年3月期の市況低迷時の価格をベースに契約した一部のVLGCの影響などで、いずれも採算が悪化し、全体として減益だった。 なおオイルタンカー市況は2018年秋頃から高騰したが、期末にかけて軟化傾向となった。ケミカルタンカー市況は、プロダクトタンカーのケミカルタンカー市場流入圧力などで、期中を通じて低迷した。大型LPGキャリア市況は、米国からアジア向け輸送の拡大で堅調だった。大型LNGキャリア市況は、冬季需要一服と新造船流入で期末にかけて軟化傾向となった。ドライバルクキャリア市況は、期中には前期を下回る水準に下落する場面があったが、期末にかけて回復基調となった。 取組状況としては、ケミカルタンカーは市況回復が想定より遅れたが、新規COA獲得(2019年3月期実績3件)や船隊整備(2019年3月期7隻竣工)を通じて、主要航路である中東航路のシェア拡大を推進した。また安定収益基盤の積み上げに向けて、オイルタンカー、ガスキャリア、ドライバルクキャリア(専用船)は、中長期契約への継続投入や積み上げを推進した。なおガスキャリアでは2018年12月に、スノービットLNGプロジェクトのLNG船保有会社NLTC1及びNLTC2の株式を追加取得して持分を増やした。またドライバルクキャリアでは2018年2月に、運航効率の優れた88,000型新造用船が竣工している。 内航・近海海運業は売上高が前期比4.6%増の9,427百万円、営業利益が同32.3%増の926百万円だった。輸送量は内航、近海ともやや低調だったが、内航ガス輸送における契約有利更改、近海ガス輸送における期初の市況上昇に伴って有利更改した定期用船契約などの効果で採算が改善し、大幅増益だった。 (2)不動産業 不動産業は売上高が前期比1.2%増の10,669百万円、営業利益が同1.1%増の3,273百万円と横ばいだった。笹塚センタービル売却(2017年3月)や、新橋田村町地区市街地再開発事業(2018年着工、2021年春に建物竣工予定)に伴う東京桜田ビル解体で、一時的に稼働棟数が減少しているが、既存ビルが順調に稼働し、NS虎ノ門ビル(2017年12月一部持分取得)も寄与した。安定収益源であることに変化はない。 純資産は中期目標に向けて着実に積み上げ 3. 財務概要 収益性では、2019年3月期の売上総利益率は13.8%で前期に比べて1.6ポイント低下、販管費率は8.1%で同0.3ポイント低下、営業利益率は5.6%で同1.3ポイント低下した。経常利益は営業外損益が改善して小幅増益だったため、経常利益率は5.5%で同0.2ポイント低下したが、営業利益率に比べて低下率が小幅だった。親会社株主に帰属する当期純利益は特別損益が改善して2ケタ増益だったため、親会社株主に帰属する当期純利益率は5.5%で同0.3ポイント上昇、ROE(自己資本当期純利益率)は6.6%で同0.4ポイント上昇した。 財務面では、2019年3月期末の総資産が船舶や建設仮勘定などの増加で前期末比12,198百万円増加した。自己資本比率は32.8%で0.1ポイント低下したが、純資産は同3,840百万円増加して73,077百万円となり、同社が中期目標として掲げる1,000億円超に向けて着実に積み上がっている。海運業と不動産業を両輪に安定収益基盤を積み上げている強みで、財務健全性に問題はないだろう。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) 《SF》
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海運中堅。業界首位級のケミカルタンカーに強み。本社ビル賃貸でも稼ぐ。24.3期3Q累計は不動産賃貸が経費増。だが大型ガス船が堅調。市況軟化のケミカルタンカーなども想定以上の運航採算確保。配当性向3割目安。 記:2024/04/12