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アイエスビー Research Memo(6):ベトナム拠点のオフショア戦略で成果。国内のニアショア戦略も期待高まる
2019/3/25 15:56
FISCO
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*15:56JST アイエスビー Research Memo(6):ベトナム拠点のオフショア戦略で成果。国内のニアショア戦略も期待高まる ■中長期の成長戦略と進捗状況 4. 「コスト競争力強化」と「グループ経営戦略の強化」 これら2つの重点取り組みも前中期経営計画から継続した取り組みだ。今中期経営計画においてはその内容において、これら2つの取り組みが重複する部分が一段と多くなったため、統合した形で進捗状況を説明する。 コスト競争力の強化は、前中期経営計画では1)不採算プロジェクトの削減と、2)労働時間の削減(労働時間短縮による残業手当等の人件費の削減)の2つがメインとなっていた。これら2つのテーマは今中期経営計画にも引き継がれている。前述のように、2018年12月期は営業利益が上方修正後の予想をさらに上回って着地した。その要因としてアイ・エス・ビー<
9702
>はプロジェクトマネジメントの成功と働き方改革への取り組みを挙げており、これら2つのコスト削減策は順調に進捗していることがうかがえる。 もう1つの重要なコスト削減策は、オフショア・ニアショア戦略の強化だ。これはグループ企業の立地や得意分野を生かして、協業・分業を進めてコスト削減を図る取り組みであり、「グループ経営戦略強化」の中心的内容でもある。 オフショア戦略とはベトナム子会社のISB Vietnam Co., Ltd(以下、「IVC」と略)の活用だ。IVCは従来、グループ外の顧客からの受注拡大による独立独歩の経営を志向していた。しかしながら、国内において需要の増大に対して人材の確保が追い付かず、失注するケースも多かった。そこで同社は、2016年12月期からIVCの位置付けをオフショア開発・生産拠点へと変更(IVCの“ラボ化”と称することもある)し、営業はISB本体(及び国内の関連会社)が行う体制とした。 IVCを開発・生産拠点として活用するオフショア戦略自体は従来からあったがそれが徹底されておらず、一方で独立独歩の志向が強かったものの経営的には厳しい状況が続いていた。ラボ化はオフショア戦略の徹底化によって同社グループとしてコスト競争力を強化することが狙いだ。 ラボ化によってIVCの売上におけるISBグループからの割合は、2017年12月期には87%となったが、2018年12月にはさらに上昇して約94%となった。IVCをラボ化した結果、IVC自体の損益が改善したほか、同社本体もIVCのコスト競争力を生かして受注に成功する機会が大幅に上昇した。外部の価格見積もりサイトの活用で営業経費も削減できており、オフショア拠点としてのIVCの活用は売上と利益の両面で大きな効果を生み出している。 ニアショア戦略とは国内における協業・分業体制強化による受注拡大・コスト削減の取り組みだ。同社は札幌に札幌システムサイエンスを抱えていたが、道内の案件が不足していて稼働率が上がらず、札幌拠点の強みを生かしきれていなかった。一方、インフィックスは東京に拠点を置き、金融や公共向けに強みを有していたが要員不足による受注機会の損失に悩んでいた。そこで同社は2019年1月1日付で両社を合併(存続会社は札幌システムサイエンス)させ、社名をスリーエスに変更した。今後は両社の強みを補完し、かつ一体的に運営する体制となったことで、受注拡大とコスト競争力の強化が期待される状況となっている。 ニアショア戦略ではほかにも、(株)アイエスビー東北や2019年1月に子会社化したコンピュータハウスの活用も期待されている。コンピュータハウスは業務システムや組込みを得意分野とするが、九州(福岡)地区への事業を拡大しつつある。 また2019年1月に子会社となったテイクスは、その550名近い陣容(社員数)から、業務面での協業が期待されている。テイクスは大手システムインテグレーターの下請けに徹する形で業容を拡大してきたため、幅広いビジネスフィールドに対応する技術力を有している。また、首都圏エリアに多数の拠点を有するほか、人材育成のノウハウを有する点も強みだ。同社自身もテイクスとは従来から取引関係があり、子会社化したことによって同社自身の事業領域も拡大することが期待される。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之) 《RF》
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9702 東証プライム
アイ・エス・ビー
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時価総額 15,842百万円
独立系SIer。車載・産業機器向けなどの組込み・制御ソフトウェア開発等を行う情報サービス事業が主力。出入管理システム等のセキュリティシステム事業も。プロダクト事業推進。26.12期売上高375億円目標。 記:2024/10/07
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