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KLab Research Memo(1):2018年12月期は過去最高の売上高、営業利益を更新。海外売上高が大きく拡大

2019/3/19 15:41 FISCO
*15:41JST KLab Research Memo(1):2018年12月期は過去最高の売上高、営業利益を更新。海外売上高が大きく拡大 ■要約 1. 会社概要 KLab <3656>は、スマートフォン向けアプリを中心にモバイルオンラインゲームの企画、開発を手掛けている。主要タイトルである既存の「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」(以下、スクフェス)、「BLEACH Brave Souls」(以下、ブレソル)のほか、2017年にリリースした「キャプテン翼~たたかえドリームチーム~」(以下、キャプ翼)がグローバル版を含めて順調に立ち上がった。日本の人気漫画やアニメーションをゲーム化し、運用するところに強みがあり、海外への展開にも積極的である。海外売上比率は35%(2018年12月期)を超え、足元でも急速に拡大している。また、上位3タイトルで売上高の大部分をバランスよく構成しており、特定のヒットタイトルへの依存度が高い業界においては非常に安定的な収益構造と言える。 ここ数年は、スマートフォンゲーム市場全体に停滞感が漂うなかで、新規タイトルの不振や方針転換等に伴うリリースの見送りなどにより、業績に伸び悩みが見られた。しかしながら、直近では運営力及びマーケティング力の進化により既存タイトルが好調に推移していることや、固定費の圧縮及び変動費化が進んできたことに加えて、2017年にリリースした「キャプ翼」がグローバル版を中心に大きく伸びており、同社は本格的な成長フェーズに入ってきたと言える。 2. 2018年12月期の業績 2018年12月期の業績は、売上高が前期比22.0%増の32,673百万円、営業利益が同2.1%増の4,995百万円と増収及び営業増益を実現し、過去最高の売上高、営業利益を更新した。また、修正予想(2018年11月8日付)に対してもすべて上回る着地となっている。特に、「キャプ翼」が国内版及びグローバル版ともに大きく拡大。FIFAワールドカップロシア大会の開催が追い風となるなかで、多言語化や積極的なプロモーション展開、効果的な運営施策などが奏功した。海外売上高も11,508百万円(前期比129.3%増)と大きく拡大。また、3周年を迎えた「ブレソル」についても、国内版及びグローバル版ともに過去最高の売上高を更新している。一方、新作タイトルについては、開発スケジュールの変更により2本の共同開発タイトルをリリースするにとどまった。厳しい市場環境(ヒット作を出すのが難しい状況)を鑑み、より完成度を高める必要があると判断したことが理由である。損益面では、「労務費」や「外注費及び業務委託費」、「使用料及び支払手数料」の拡大等により売上原価率が上昇。販管費も「人件費」や「広告宣伝費」の増加等により拡大したものの、増収により営業増益を確保した。 3. 2019年12月期の業績見通し 2019年12月期の通期業績予想(レンジ形式)※について同社は、売上高を32,000百万円(前期比2.1%減)-40,000百万円(同22.4%増)、営業利益を1,000百万円(前期比80.0%減)-4,500百万円(同9.9%減)と見込んでいる。売上高は、3本の新作タイトルのほか、既存タイトル他言語版のリリースを予定する一方、既存タイトルについては売上ライフサイクル(自然減)を見込んでいる。一方、費用面では、新作タイトルの積極的なプロモーション展開やイベント出展による広告宣伝費の増加、新作タイトルのリリースに伴う減価償却の開始及び運営費用の増加、人員拡大による労務費及び採用関連費用の増加等により、レンジ幅の上限/下限にかかわらず、営業減益となる見通しである。 ※同社は、2017年12月期よりレンジ形式による「通期業績予想開示」を採用している。 4. 成長戦略 同社は、ゲーム事業中心に成長路線を継続するとともに、グローバルで高い価値提供を行い、「KLabブランド」を確立する中期目標のもと、「ゲームの長期安定運営」と「ヒット率の向上による収益の拡大」という2つの事業方針を掲げている。特に、2017年12月期に打ち立てた「3PILLARS」、すなわち、 1)Japanese IPs(有力IPの獲得)、2)Global Growth(グローバル展開の強化)、3)Original Creations(自社IPの創出)の3つの柱をさらに深化させていく考えである。 弊社では、スマートフォンゲーム市場の先行きに不透明感があるなかで、海外への展開、残存者利益の享受(外部リソースの活用を含む)は同社にとって絶好の成長機会になるものとみている。また、コンテンツの価値を高め、メディアミックス展開を狙う施策や、未配信のプラットフォームやデバイスへのゲーム展開により1タイトル当たりの収益最大化を目指す施策などは、手堅い成功が期待できる合理的な戦略であると注目している。今後も、日本のIPをゲーム化し世界中へ展開していくノウハウや独自のマーケティング力を生かして、いかに同社ならではの新たな価値を創出していけるかが成功のカギを握るだろう。 ■Key Points ・2018年12月期は過去最高の売上高、営業・経常利益を更新 ・予定していた新作タイトルにスケジュール変更があったものの、「キャプ翼」等により海外売上高が大きく拡大 ・2019年12月期は新作タイトル3本等により、売上高の積み上げを目指す一方、利益面では減益予想 ・今後も、有力IPの獲得、グローバル展開の強化、自社IPの創出などに取り組む (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) 《SF》
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モバイルオンラインゲームの開発・運用等を行う。「BLEACH Brave Souls」、「キャプテン翼」などが主力タイトル。ラピスリライツ等のIP事業も。ハイブリッドカジュアルゲームの新規開発等を推進。 記:2024/08/23