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ソフトブレーン Research Memo(3):「eセールスマネージャー」が総合満足度No.1の評価を獲得、国産ベンダ

2019/3/15 15:03 FISCO
*15:03JST ソフトブレーン Research Memo(3):「eセールスマネージャー」が総合満足度No.1の評価を獲得、国産ベンダ ■会社概要 2. 事業内容 ソフトブレーン<4779>は「営業イノベーション事業」「フィールドマーケティング事業」を軸に「システム開発事業」「出版事業」を合わせた4つの事業により、企業の営業・IT・マーケティングをワンストップで支援するサービスを展開している。2018年12月期の業績で見ると売上高の92.0%、利益の94.1%を「営業イノベーション事業」「フィールドマーケティング事業」の両事業で占めており、連結子会社数は5社となっている。各事業の概要は以下のとおり。 (1) 営業イノベーション事業 営業イノベーション事業は、営業支援システム(CRM/SFA)「eセールスマネージャー」のライセンス販売、クラウドサービス、カスタマイズ開発及び営業コンサルティング、営業スキルトレーニングのほか、タブレットやスマートフォンなどスマートデバイスの導入支援サービス及び教育サービスなどからなる。 同社では企業が抱える営業課題解決のための仕組みづくり(ITを活用した営業の情報武装)として、「eセールスマネージャー」やスマートデバイスの販売・導入コンサルティングを行い、また、型づくりとして営業課題にフォーカスしたコンサルティングやトレーニングを実施することで、より効果的に営業生産性を高めていく取り組みを子会社と連携しながら進めている。なお、子会社のソフトブレーン・インテグレーションは2014年に米Apple(アップル<AAPL>)の認定を受け、Apple Consultants Networkに加入しており、iOSデバイス(iPhoneやiPad)の導入支援コンサルティングを行っているほか、2018年1月より企業のiOSデバイスに関わる運用・テクニカルサポートを行う新サービス「iOSデバイス運用代行サービスAMC(Apple device Management Center)」を開始している。 「eセールスマネージャー」は、営業活動における各工程を「見える化」することによって定量的に状況を把握し、改善点を抽出することによって、営業部門の生産性向上(労働時間削減+売上増加)を図る営業支援ツールとなる。クラウドサービスの普及により安価な初期コストで利用できるようになったことや、「働き方改革」を実現するツールとしての注目度が高まるなかで、導入する企業も増加傾向となっている。販売形態としては、ソフトウェアのライセンス販売で収入を得るライセンス型と、月額使用料を徴収するクラウド型とに分けられ、その比率は半々程度となっている。また、ライセンス型にはサーバーなどの物理環境を自社で構築するオンプレミス型と、サーバーを保有しないホスティング型とに分けられ、ここ最近ではサーバーなどの設備負担を必要としないホスティングサービスを利用する顧客が増加傾向にある。 クラウド型に関しては「eセールスマネージャーRemix Cloud」(1ID当たり月額6,000円~)を2010年にリリースして以降、個人事業主や小規模企業(従業員1~数名)をターゲットに機能を絞った簡易版「eセールスマネージャーnano」(1ID当たり月額1,000円)や、中堅・中小企業向け(営業人員5~20名規模)をターゲットとした「eセールスマネージャーRemix MS」(1ID当たり月額3,500円~)をリリースしている。このうち2017年12月にリリースした「eセールスマネージャーRemix MS」は、オンラインで顧客自身が導入から各種設定を行えるセルフサーブ型サービスで、「Remix Cloud」とほぼ同様の機能を安価な料金で利用できることが特長となっているが、現時点ではまだ顧客要望を聞きながら機能やUI等の改善を進めている段階で、本格的なマーケティング活動は行っていない。 同社の強みは大きく3点挙げられる。第1に、「使い勝手」の面において業界で最も高く評価されていることである。調査会社の(株)ESP総研が2018年5月に実施した「CRM/SFAに関するユーザー調査」※でも、「eセールスマネージャー」が総合満足度でNo.1になったことを発表している。CRM/SFAの使い勝手や業務改善効果、導入効果、サービス内容、システム利用に関する調査で全38項目中、30項目で1位の評価を獲得した。これは同社が「使い勝手No.1のCRM/SFA」を開発コンセプトに1999年の販売開始当初から取り組んできたことが、結果となって表れた格好と言える。 ※セールスフォース・ドットコム<CRM>、オラクル<ORCL>、マイクロソフト<MSFT>、サップ<SAP>、ソフトブレーンの5社の製品を対象として、実際に利用している企業の経営者・営業担当者計300名(各製品60名)にWebアンケート調査を実施した。 第2の強みとしては、サービス形態がクラウド型、ホスティング型、オンプレミス型とすべての顧客ニーズに対応が可能であることが挙げられる。大企業の場合はカスタム仕様の要求も多いが、こうしたニーズにも対応できる柔軟な設計・開発力を有している。競合他社のクラウドサービスを利用していた企業が、使い勝手の悪さから同社のサービスに切り替える案件も増えてきている。 第3の強みとしては、製品を導入するだけにとどまらず、導入効果を高めるための教育、トレーニングや導入後の定着支援サービスなどトータルソリューションサービスとして提供できる体制を子会社とともに構築していることが挙げられる。業種や会社の規模を問わず、累計5,000社を超える企業に導入し、その中で蓄積してきたノウハウにより、顧客ごとに最適な営業課題解決ソリューションの提案が可能であること、また、システム導入から定着まで徹底したサポート(顧客訪問による活用相談、研修サービス、オンラインでの活用支援サイトやヘルプデスクによるサポート等)を行うことで、定着率も96%と極めて高い水準を実現している。 営業支援システム(CRM/SFA)の競合企業としては、(株)NIコンサルティング、米セールスフォース・ドットコム(クラウド型のみ)、日本オラクル<4716>などが挙げられ、また、中小企業向けではナレッジスイート<3999>がある。クラウド市場だけで見るとセールスフォース・ドットコムがトップシェアを握っているが、国産ベンダーとしては同社が最大手となる。 (2) フィールドマーケティング事業 子会社のソフトブレーン・フィールドで展開する事業で、主に店頭におけるフィールド活動やマーケット調査などを、30~50代の主婦層を中心としたキャスト(登録スタッフ)を活用して行っている。また、フィールド活動を行うラウンダー人材の派遣・紹介事業「ラウンダー人材バンク」や、消費者が商品を購入したレシートを収集しデータとして企業に販売する「Point of Buy®」サービスなども展開している。 フィールド活動とは、主に食品や日用品など消費財メーカーの新商品発売時期に小売店舗において、当該商品に関する店舗商談、売場構築、POP広告設置作業などを行う業務となる。従来はこうした業務をメーカーの社員が行っていたが、販促費の効率化や人材不足を補うためアウトソーシングする流れとなっている。顧客企業は過去実績を含めて350社以上で、食品・飲料やヘルスケア関連メーカーを中心に多岐に広がっている。登録キャスト数は2018年12月末時点で約9.0万人(前期末比1.5万人増)と国内最大級のネットワークを構築しており、訪問店舗数もドラッグストアやコンビニエンスストア、専門店など様々な業態にわたり、全国で16万店舗を超えている。 また、2013年から開始している「Point of Buy®」(購買理由データ提供サービス)は、調査対象となる商品・サービスが消費財カテゴリで68種類、約6,000ブランドの商品、飲食利用カテゴリで10種類、約200チェーン(2018年1月時点)となっている。購買理由をレシート画像とともにインターネットを通じて会員から収集し、データベース化して消費財メーカー等に定期的に提供するサービスとなる。企業はこれらのデータで商品・サービスのマーケティング分析を行い、販促計画の立案に活用することが可能となる。 アンケート(レシート)収集チャネルとしては、クレディセゾン<8253>の「永久不滅.com」会員(約1,300万人)や、2017年6月に(株)マイクロアドと提携して運営を開始したスマートフォンアプリ「トコトコマイル」会員(約1万人)、2018年2月に提携した(株)ロイヤリティ マーケティングが運営する「Ponta」会員(約8,400万人)などのほか、ソフトブレーン・フィールドの登録キャスト(約9万人)となり、このうちアンケート会員数は2018年12月末時点で25.6万人(前年比19.6%増)となっている。 サービスの流れとしては、アンケート調査協力者に対してはポイントまたはマイルが付与され、収集したレシート画像とアンケート(購買理由等)を紐付けてデータベース化し、顧客企業に販売する。顧客企業はBIツールを使うことでデータから様々な分析を行うことが可能となる。調査協力者に対するポイントやマイルの付与にかかるコストはソフトブレーン・フィールドが負担する。現在はデータ量が少ないため先行投資段階であり、今後、提携先を広げてアンケート会員数を拡大し、毎月収集するデータ数を増やしていくことで、データとしての価値を高めマネタイズしていく計画となっている。なお、「Point of Buy®」に関してはビジネスモデル特許※を取得している。 ※特許内容は、「消費者が登録するレシートの画像データを入力者端末から受け付け、チェック担当者が利用するチェック担当者端末に対して、消費者の回答データとレシートの画像データとを表示させ、質問データに対する回答データの整合性をレシートの画像を用いて判定させて整合性チェックを行い「商品・サービス種別ごとの購買理由を含むデータ」をマーケティングデータ化する仕組み」となる。 (3) システム開発事業 子会社のソフトブレーン・オフショアでソフトウェアの受託開発を行っている。2013年9月に事業構造改革により中国の開発子会社を売却したが、現在も同社を外注先として活用しているほか、ベトナムや国内ニアショアの活用も進めている。2016年8月には(株)大洋クラウドサービスとの協業により、沖縄に開発拠点を開設した。 (4) 出版事業 子会社のダイヤモンド・ビジネス企画によるビジネス書籍の企画・発行・販売事業となる。(株)ダイヤモンド社との合弁による協力関係を活用し、書籍の出版を通じて企業のマーケティング・IR・ブランディングをしており、通常のビジネス書籍のみならず、企業の歴史を伝える「新しい」社史制作という切り口で、企業ブランディングにおける新たな価値創出を推進している。 3. 経営ビジョン 同社は、「プロセスマネジメント×IT」により日本の働き方を革新するリーディングカンパニーを目指すことを経営ビジョンとして掲げている。また、経営ミッションとしては「顧客の生産性の最大化」を掲げ、それを実現していくうえでのバリューとして、「eセールスマネージャー」を中心とした「仕組みづくり」と、プロセスマネジメントに基づくコンサルティングを通じた営業の「型づくり」の2つを同時に提供し続けていく。顧客の生産性向上と売上の拡大に貢献することが、自社の成長にもつながっていくと考えている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《MH》
関連銘柄 4件
3999 東証グロース
833
3/29 14:59
-3(-0.36%)
時価総額 4,300百万円
クラウド型の顧客管理・営業支援ツールを提供。中堅・中小企業向けに強み。23.9期はSaaS製品のサブスク売上伸長を想定。IT技術者派遣などのBPOも伸びる見込み。営業最高益を計画。今春に持株会社化を予定。 記:2023/01/12
4716 東証スタンダード
15,065
11/22 15:30
+345(2.34%)
時価総額 1,932,282百万円
米オラクル社の日本法人。クラウドサービス、ライセンスサポートが柱。ハードウェアの販売、導入支援等も手掛ける。データベース管理システムに強み。アライアンス強化推進。東京・大阪データセンターの利用量は順調増。 記:2024/10/29
4779 東証1部
868
1/18 15:00
±0(0%)
時価総額 26,869百万円
営業支援・顧客管理ソフト大手。営業支援システム「eセールスマネージャー」が主力。累計導入企業数は5000社超。Webセミナー等で集客強化を図る。助成金収入計上。20.12期2Qはシステム開発事業が好調。 記:2020/09/11
8253 東証プライム
3,680
11/22 15:30
+216(6.24%)
時価総額 682,438百万円
流通系で国内最大のクレジットカード会社。そごう・西武、パルコ等と強い提携関係。信用保証や不動産ビジネスも。ファイナンス事業は堅調。インドなど海外事業拡大へ。新中計では事業利益を27年3月期1000億円へ。 記:2024/08/17