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RSテクノ Research Memo(3):シリコンウェーハは半導体チップの製造に不可欠な主要材料
2019/2/25 15:33
FISCO
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*15:33JST RSテクノ Research Memo(3):シリコンウェーハは半導体チップの製造に不可欠な主要材料 ■事業概要と成長戦略 2. シリコンウェーハ・ビジネスの概要 RS Technologies<
3445
>が手掛けるシリコンウェーハの再生加工事業や今後の事業ロードマップ、同社の強みや成長ポテンシャル等をより良く理解するためには、半導体チップ製造プロセスやそこにおけるシリコンウェーハの役割、その製造方法等についての理解が不可欠だ。以下に簡単に説明する。 (1) シリコンウェーハ “半導体(Semiconductor)”とは電気を通す導体(Conductor)と電気を通さない絶縁体(Insulator)の中間の性質を持つ物質である。この性質を生かして高密度に電気回路を形成した集積回路(Integrated Circuit, IC)が製造されている。PCの頭脳に当たるCPU(中央演算処理装置)や情報を記憶するためのメモリ(フラッシュメモリやDRAMなど)などは代表的なICだ。今日では、“半導体”と言えば“半導体の性質を応用した製品”、すなわちICを意味することが普通となっている。“半導体チップ”、“ICチップ”などと表現されることもある。 半導体の性質を有する物質には様々なものがあるが、現状、ICの量産において広く使われているのがシリコンだ。多結晶シリコンを溶融したものから単結晶シリコンのインゴット(塊)を引き上げ、それを円盤状に薄くスライスして使用する。この円盤状のものを「シリコンウェーハ」と呼ぶ。半導体メーカーはシリコンウェーハの上に各種半導体製造装置を用いて微細な回路を形成し、半導体チップを製造する。 シリコンウェーハには何種類かのサイズがあり、大型化する傾向にある。これは、1枚のシリコンウェーハ上にできるだけ多くの半導体チップの回路を形成する方が半導体チップ1個当たりの製造コストを引き下げることができるためだ。現状、量産ベースでは直径12インチ(300mm)のものが最大かつ主力のサイズとなっている。それより小さいものには8インチ(200mm)、6インチ(150mm)、5インチ(125mm)などがあり、今後登場が待たれるものには18インチ(450mm)がある。大型のものほど製造・加工の難易度が高く、それが技術的参入障壁となっている点がポイントだ。 (2) プライムウェーハとモニターウェーハ 前述のように、半導体製造プロセスは製造ラインにシリコンウェーハを投入するところから始まるが、投入されるシリコンウェーハがすべて半導体チップ製造に使用されるわけではない。半導体製造プロセスは極めて微細なプロセスの連続であるため、一連のプロセスの各段階で、テストや評価を繰り返しながら製造プロセスを進めていく必要がある。こうした用途のシリコンウェーハを「テストウェーハ」や「ダミーウェーハ」、「モニターウェーハ」などと呼ぶ(以下、当レポートではこれらを総称して「モニターウェーハ」の用語で統一する)。 一方、実際に半導体チップに加工されるウェーハのことを一般に「プライムウェーハ」と呼んでいる(なお、同社の事業セグメント名では“プライムシリコンウェーハ”という呼称が使用されているが同じものである)。 シリコンウェーハは円筒状のシリコン単結晶を薄い円盤状に加工したものだ。1本の単結晶から数百枚の新品のシリコンウェーハが得られる。同じ単結晶からできたウェーハであっても、その部位によって微妙に物性が異なる。1本のマグロから赤身やトロなど異なる味のものが得られることをイメージすればわかりやすいだろう。1枚1枚のウェーハはそれぞれの物質的特性に適した用途に向けて半導体製造ラインに投入されることになる。 モニターウェーハの使用量は、現状では全投入量の約20%と見られている。モニターウェーハとして新品ウェーハを投入することが基本ではあるが、半導体メーカーには、少しでも半導体製造コストを下げるため一度使用したモニターウェーハを再利用するニーズが出てくる。このニーズに応えて一度使用したモニターウェーハの表面を研磨し直して再利用できるようにすることが、現在の同社の主力事業であるシリコンウェーハの再生加工事業ということだ。 一方、プライムウェーハの生産とは新品ウェーハの生産にほかならない。ウェーハの製造工程は、シリコン単結晶を引き上げるまでの“前工程”と、単結晶を円盤状にスライスし、研磨や表面処理を行う“後工程”から成っている(この両者を行うメーカーを「一貫メーカー」と呼び、シリコンウェーハメーカーは一貫メーカーであることが基本となっている)。それぞれの工程で高い技術が要求されるが、事業としての成否は特に、前工程での生産歩留まりにかかっている。生産歩留まりという概念は、単に時間当たりの引き上げ本数を上げることにとどまらない。1本の単結晶からいかに多くのプライムウェーハに適したウェーハを得ることができるかという点がより重要だ(同じ新品ウェーハでも、プライムウェーハとモニターウェーハとでは価格が大きく異なるため)。 再生ウェーハ事業とプライムウェーハ製造販売事業の2つをエンジンとして成長を追求 3. 同社の成長戦略 沿革の項で述べたように同社はウェーハの再生加工事業からスタートしたが、2018年12月期からはプライムシリコンウェーハの製造販売事業に進出した。これにより今後同社は、再生ウェーハ事業とプライムウェーハ製造販売事業の2つを軸として成長を目指すことになる。 (1) 再生ウェーハ事業の成長戦略 再生ウェーハ事業の成長戦略は従来から変更はない。サイクル変動はあっても長期的に半導体生産が拡大トレンドを歩むことは疑いない。それは同時に再生ウェーハの需要拡大を意味する。しかしながら再生加工能力増強は誰にとっても簡単な決断ではない。オペレーションの巧拙によっては必ずしも十分なリターンを獲得できるとは限らないためだ。同社は世界トップのキャパシティと、高い再生加工技術がもたらす高水準の設備稼働率によって、再生ウェーハ事業で着実に収益を稼いでいる。この企業体力を生かして生産キャパシティの拡大を図り、世界シェアNo.1の地位を確固たるものにすることで、収益成長を実現する方針だ。 (2) プライムシリコンウェーハ製造販売事業 プライムシリコンウェーハ製造販売事業は同社にとって成長余地の大きいビジネスと言える。2018年1月に同社は既存のプライムウェーハメーカーを子会社化して事業をスタートした。次のステップは生産能力の拡大だ。この点については山東省徳州市での新工場建設を発表済みで、既に新会社が設立されてプロジェクトがスタートしている。さらにその後には、300mmウェーハへの挑戦というテーマが待っている。現在の同社のプライムウェーハ事業はウェーハのサイズで言うと直径8インチ(200mm)のもので、これは現在の最先端かつ主流の12インチ(300mm)に比べて1世代前のサイズとなる。12インチのプライムウェーハの製造は技術的、資金的に格段にハードルが上がるため、同社が何らかの決断をするのは山東省の新工場に目途が付いた後と考えられる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之) 《SF》
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3445 東証プライム
RS Technologies
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シリコンウェーハ再生事業、プライムシリコンウェーハ製造販売事業、半導体関連装置・部材等を手掛ける。再生ウェーハで世界トップシェア。半導体関連装置・部材等では営業活動の強化により、新規市場開拓を図る。 記:2024/10/05
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