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Fブラザーズ Research Memo(1):2018年11月期は各段階利益において過去最高益を達成

2019/2/25 15:01 FISCO
*15:01JST Fブラザーズ Research Memo(1):2018年11月期は各段階利益において過去最高益を達成 ■要約 ファーストブラザーズ<3454>は2004年2月創業の独立系不動産投資運用会社。2015年2月に東証マザーズに上場、2016年10月には東証1部への市場変更を達成し、2016年11月期からDOE(純資産配当率)2%を目安に配当を開始した。代表取締役社長の吉原知紀(よしはらともき)氏をはじめ、キーマンに旧三井信託銀行(株)の出身者が多い。不動産私募ファンドの運用会社としてスタートしたが、株式上場と前後して自己勘定投資に軸足を移しており、2018年11月末までの過去3年間で賃貸不動産ポートフォリオ残高が2.10倍、株主資本は1.80倍に成長するなど順調に資産規模を拡大している。 2014年頃から積極化した自己勘定投資は、首都圏の中小規模(10億円前後)の商業ビル、オフィスビルを主な対象とする。中小規模物件はストックや流通量が膨大で、所有者は不動産のプロではない個人富裕層や事業会社などが多いため、大型物件に比べ潜在的価値が高い物件を取得できる機会が多い。安定収益の賃料収入の拡大を図りつつ、バリューアップ後、適宜、賃貸不動産ポートフォリオの入替に伴い売却益を実現させていくのが同社の勝ちパターンだ。首都圏の商業用不動産(店舗、オフィス)に関する市場データでは、取引価格指数、取引面積、賃料相場、空室率において堅調に推移する。同社の強みは人材と資金調達である。社員数54名と少数ではあるが、金融及び不動産の専門能力を持つ精鋭が集う。賃貸不動産の取得にかかる資金調達に関しては、加重平均残存期間16.2年と超長期で調達。加重平均借入金利は0.79%、借入金残高の61.6%の支払金利を固定化しリスクを回避している。賃貸キャッシュ・フローは、十分なプラス(賃貸収益が支払利息と元本返済の合計額を十分に上回る)の状態を維持しており、金融機関の協力も得られやすい。 2018年11月期通期連結決算は、売上高21,864百万円(前期比16.5%増)、売上総利益6,488百万円(同37.5%増)、営業利益5,130百万円(同52.1%増)、経常利益4,700百万円(同53.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,885百万円(同40.9%増)と過去最高益を更新し大幅な増収増益となった。投資銀行事業において、賃貸不動産ポートフォリオの入れ替えに伴う物件の売却を積極的に行い(売却額19,646百万円)、売却粗利5,332百万円を達成した。また、賃貸粗利は、1,156百万円(前期は1,241百万円)と、販管費を85%カバーできる水準を維持する。賃貸不動産ポートフォリオに関しては、残高は33,012百万円(前期末は28,050百万円)と拡大した。外部鑑定等によるポートフォリオの含み益は4,487百万円で、安定稼働時の想定NOI利回りは6.4%(前期末比0.3ポイント上昇)。同社では高値で無理な取得をしない方針が徹底されており、優良な不動産ポートフォリオの取得が進んでいることが数字に表れている。 2019年11月期連結決算は、売上高20,020百万円(前期比8.4%減)、売上総利益5,380百万円(同17.1%減)、営業利益3,850百万円(同25.0%減)、経常利益3,170百万円(同32.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2,000百万円(同30.7%減)と依然として高い収益を維持しつつも、成長戦略を推進するなかで一時的な減収減益を予想する。減益要因としては、賃貸不動産ポートフォリオ拡充を成長戦略の柱として長期的に推進していくなか、1)ポートフォリオ入れ替えとしての売却計画を前期比で控え目に計画していること、2)2018年11月期は比較的含み益の大きな賃貸不動産を売却したが、2019年11月期は同様の売却案件を織り込んでいないこと、などが挙げられる。同社は、マーケット環境について、足元では好調なものの楽観はできないとの認識のもと、業績予想にあたっては、賃貸不動産ポートフォリオの構成物件ごとに運用シナリオを想定し、また構成物件入替の観点から売却物件を積み上げた結果、前期に比べ売却計画が控えめとなり、期間損益が減収減益となる予想をしている。また、同社はポテンシャルの高いエリアへ集中的に投資し、その街づくりに貢献することで地域社会と共生を図りながら、長期的観点に立ったバリューアップも計画している。 同社は、配当による継続的な株主還元を方針としている。配当方針としては、自己勘定投資の物件売却のタイミングで業績が大きくぶれやすいため、配当性向の目安は定めずに、安定的かつ毎期着実な増配が見込めるDOEを基準とし、DOE2%を目安に配当を行う。株主資本は3年間で1.8倍に成長しており、同社の配当も大きく成長した。2018年11月期の配当金は年18円(前期比3円増配)、DOEは1.9%となった。2019年11月期の配当金は21円(同3円増配)を予想する。ROEが高い(18/11期は22.3%)ため株主資本の積み上がりは速く、中期的に速いペースの増配が期待できる。 ■Key Points ・2018年11月期は各段階利益において過去最高益を達成。株主資本は3年間で1.8倍に成長 ・2019年11月期配当は21円(前期比3円増配)を予想。ROEが高く、速いペースの増配が期待できる ・首都圏10億円前後の商業・オフィス物件を中心に投資・運用。ポートフォリオ残高は330億円に ・2019年11月期は高い利益水準を維持しつつも、ポートフォリオ拡大方針の中、売却を対前期比で控えめに計画 (執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫) 《HN》
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不動産投資やプライベートエクイティ投資等を行う投資銀行事業が主力。ホテル・旅館等の運営を行う施設運営事業、投資運用事業も手掛ける。案件発掘力などが強み。持続的なポートフォリオの規模拡大等に取り組む。 記:2024/10/24