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ヘリオステクノHD Research Memo(10):高精細PI印刷機と曲面印刷技術の早期立ち上がりに期待

2019/1/28 16:30 FISCO
*16:30JST ヘリオステクノHD Research Memo(10):高精細PI印刷機と曲面印刷技術の早期立ち上がりに期待 ■中長期の成長戦略 3. ナカンテクノの成長戦略と進捗 M&A・事業提携についてはヘリオステクノホールディング<6927>本体が担当することになったため、ナカンテクノの成長追求の取り組みは新製品の開発・拡販による成長と、既存事業の拡大による成長の2つとなる。 (1) 新製品の開発・拡販による成長 新製品による成長戦略では2018年3月期にHRPの大型受注を獲得し全数を期中に納品した。HRPはFPD製造用以外の産業用途などにも利用され始めており、今後も販売台数は伸びると期待される。ただし、前期のような大量受注はあくまで例外的なものと考えておくべきだろう。 ナカンテクノで現在取り組むのは高精細PI印刷機の開発・量産と曲面印刷技術の確立だ。高精細PI印刷機は技術的にはフレキソ印刷とインクジェット印刷のハイブリッドタイプで、高精細と大型サイズ対応などに特長がある。既に試作機は完成しており、現在は量産用途での販売(受注獲得)に注力しているステージだ。用途はFPDの製造で、今後の製品ロードマップに照らすと、8Kテレビの製造で利用されることを期待しているもようだ。 曲面印刷技術については、同社は高精細印刷技術を生かして均一な膜厚で印刷・コーティングする技術の確立に取り組んでいる。その具体的な市場として期待しているのは曲面を採用した表示装置だ。なかでも今後大きく成長する期待するのが自動車の運転席回りだ。自動車においてはミラーレス化や自動運転技術の採用の流れにある。これらはカメラを搭載することになるため、必然的にそのモニターとして表示装置が増加すると予想される。その際、視認性を確保するために曲面デザインが採用されるとの見方をしている。曲面ディスプレイについては従前から様々な製造技術が検討されているが、印刷はコスト優位性があり同社はそこを突破口に進出を狙っている。同社は2018年3月期までに曲面印刷技術を実現するプリンタの開発を終えているが、こちらもまだ量産に移行する前の最後の仕上げのプロセスが残っており、2019年3月期はそれらに取り組んでいるもようだ。 同社によれば、高精細PIプリンタ、曲面印刷機ともに、現時点においてもテスト・評価用の引き合いは来ているもようで、それらが20120年3月期の売上に立つ可能性はある。しかし量産機が発売されて収益貢献が始まるのは2021年3月期からと同社は慎重にみている。 (2) 既存事業の拡大による成長 サービス収入の拡大というテーマでは、中古プラント(半導体製造装置やFPD製造装置)の中国への仲介・移設や既納入設備に対する保守・メンテナンス、及び消耗品販売の収益化に取り組んでいる。2018年3月期は前述の大型HRPに注力したこともあり中古プラントの売上高は減収となったが、2019年3月期には過去に受注した案件の納期を迎え、大幅増収に転じる見通しで、2019年3月期第2四半期までのところは想定どおり順調に推移している。 同社は中古プラントには今後も注力する方針であるが、注意すべき点もある。現状同社が取り扱うのは液晶パネルを中心としたFPD製造装置が中心だ。前述のように、中国での液晶パネル製造ラインへの設備投資は2019年~2020年がピークでその後は縮小するという見方がある。また、中古の製造装置自体の流通も縮小基調にある。日本はほぼなくなり、現在は台湾などから調達している状況だが、これらも無限というわけではない。同社が半導体の分野への進出を急ぎ、M&Aや事業提携の機会追求に注力するのにはこうした背景がある。 それ以外の既存分野での成長戦略としては保守・メンテナンスや消耗品販売の販売がある。これらのビジネスは既納入の各種製造装置の積み上がりによって拡大するストック型モデルであり、同社では、単なる修理・メンテナンスにとどまらず、顧客に対して、機能向上や長命化などにつながる改良工事などを提案する“攻めの営業”で臨む方針だ。過去からの各種製造装置の累積販売台数が積み上がってきたためこの分野の収入は本格拡大期に入ってきたと言え、2019年3月期は前期比20%前後の増収が見込まれている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之) 《RF》
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時価総額 21,781百万円
フェニックス電機、ルクス、ナカンテクノなどを傘下に収める持株会社。配向膜印刷装置等の製造装置事業が主力。露光装置用光源ユニット用ランプ等も。産業用LEDなどは量産化に対応した生産体制の確立等に取り組む。 記:2024/08/06