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馬渕磨理子が実践!トレードステーション利用術:製薬業界で進むM&A

2019/1/16 14:39 FISCO
*14:39JST 馬渕磨理子が実践!トレードステーション利用術:製薬業界で進むM&A 皆さま、こんにちは。フィスコ企業リサーチレポーターの馬渕磨理子です。 『馬渕磨理子が実践!トレードステーション利用術』と題して、私が普段のトレードで使っている分析ツール「トレードステーション」について、その活用方法を、最新のニュース情報も交えながらお話しする連載です。 ■武田薬品工業、シャイアー買収 世界トップ10入り 国内製薬企業は市場規模では欧州企業に劣ります。2017年の売上高でみると、世界の医療用医薬品市場は、米国が3,047億ドル(38.6%)、欧州が2,013億ドル(25.5%)、日本が664億ドル(8.4%)となっており、米国や欧州と比べて日本企業が売上高で劣っていることが分かります。 日本企業でも、売上高利益率が1割を超える高収益企業が多いですが、最近はこれまで支えてきた高血圧、脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病分野の大型新薬の特許が相次ぎ切れており、高収益を維持できなくなっています。このため、各社はガンや精神疾患など、有効な治療薬が少ない領域への投資に注力しています。 また、買収や外部連携を通じて、新薬候補品(パイプライン)を拡充する動きが目立ってきています。1月8日には、武田薬品工業<4502>がアイルランドの製薬大手シャイアーを約6兆2,000億円で買収しました。これは日本企業による海外企業のM&Aとしては過去最大です。買収によって同社の売上高は約3兆円規模となり、世界トップ10社に入ることとなりました。 国内市場では、製薬費が安い後発医薬品(ジェネリック医薬品)の普及が進んでおり、厚生労働省では2020年秋までに、後発医薬品の浸透率を80%以上に高める方針です。2019年に予定されている消費増税に伴い、10月に薬剤改定が実施される可能性があります。後発医薬品は国策もあり、追い風と言えます。 ■アメリカ政治から見る、ヘルスケア分野の状況 製薬企業やヘルスケアは、景気変動に影響を受けにくい「ディフェンシブ関連銘柄」です。2019年は市況が見通しにくい状況が続く可能性が高いため、ディフェンシブ株が好まれる傾向にあります。また、ヘルスケアにとってもう一つのプラス要因が、昨年の11月に行われたアメリカ中間選挙です。共和党が議会を制した場合はオバマケアの改廃を加速させる懸念があり、一方、民主党が議会を制した場合は国民皆保険制度の移行に向けて、薬価引き下げとなるリスクがありました。しかし、結果は上院が共和党、下院が民主党のねじれ状態になったことで、懸念されていたことが払拭されたため、ヘルスケア業界にとっては追い風の側面があります。 アメリカ株の値動きの影響を受けて日本株も動くため、アメリカで堅調が予想されるセクターには注目したいところです。 ■製薬企業銘柄について がん領域など新薬候補品が充実している中外製薬<4519>は、2001年にロシュと提携して以降、販売チャネル拡大に成功しています。輸出売上高が順調に推移し、18年12月期上期営業利益の進捗率は66%と堅調です。 塩野義製薬<4507>は、インフルエンザ治療薬「ゾフルーザ」の開発でロシュと提携しており、抗HIV薬のロイヤリティ収入にも成長が見込めそうです。 エーザイ<4523>は、抗がん剤の開発でメルクと提携しており、両社が持つ抗がん剤の併用治療法は相乗効果が示唆されています。また、アルツハイマー型認知症治療薬についてもバイオジェンとの共同開発を進めています。 また、改めてがん治療として注目されているのが、CAR-T細胞療法です。2017年8月にノバルティスの「キムリア」が米国初の遺伝子療法としてFDAに承認されました。国内では、タカラバイオ<4974>が同療法の研究開発を行い、大塚HD<4578>とCAR-T細胞治療薬について共同開発の契約を締結しています。 そのほか、底堅い値動きをしている大日本住友製薬<4506>、関節機能改善剤の科研製薬<4521>と生化学工業<4548>、ヒト成長ホルモン製剤のJCRファーマ<4552>などは、患者2,500万人の膝治療で、再生医療は商用段階に入るとの報道の影響を受けじわじわと上昇しています。 (その他の代表的な『製薬企業関連』の銘柄リストは、『マネックス証券トレードステーションのHP コラム・レポートのページ』からダウンロードできます。) 次回も、このような形で、話題のニュースから読み解いたテーマとトレードステーションのツールについてお話しします。 ※「馬渕磨理子が実践!トレードステーション利用術」は、米国TradeStation Groupが開発したトレーディングツール「トレードステーション」の日本語版(マネックス証券が提供)を馬渕磨理子の見解で注目し、コメントしたものです。開発会社や日本語版提供会社との見解とは異なる場合があります。 (フィスコ企業リサーチレポーター 馬渕磨理子) 《HH》
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国内製薬最大手。1781年創業。潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤など消化器系疾患領域が柱。アイルランドの製薬大手「シャイアー」等を傘下に持つ。25.3期はENTYVIO、免疫グロブリン製剤などの拡大見込む。 記:2024/06/15
4506 東証プライム
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時価総額 259,033百万円
住友化学傘下の製薬会社。2005年に大日本製薬と住友製薬が合併して誕生。精神神経領域、がん領域が研究重点領域。非定型抗精神病薬「ラツーダ」等が主力製品。2型糖尿病治療剤「エクア」などの販売拡大図る。 記:2024/06/11
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時価総額 1,861,555百万円
製薬会社大手。1878年創業。抗HIV薬、抗インフル薬など感染症分野に強み。自社創薬比率が高い。HIVフランチャイズなどロイヤリティー収入が収益源。国内における急性呼吸器感染症薬の販売拡大などを図る。 記:2024/08/06
4519 東証プライム
6,908
10/7 15:00
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時価総額 11,598,933百万円
大手製薬企業。1925年創業。スイス製薬大手のロシュ傘下。がん領域医薬品、抗体医薬品で国内トップシェア。独自の抗体エンジニアリング技術などが強み。成長領域や新規領域へ集中したリソース投入などを行う。 記:2024/08/01
4521 東証プライム
3,879
10/7 15:00
+19(0.49%)
時価総額 178,201百万円
医療用医薬品メーカー。理化学研究所を前身として1948年に設立。外用爪白癬治療剤「クレナフィン」でトップシェア。関節機能改善剤「アルツ」等も。25.3期はアルツ、原発性腋窩多汗症治療剤等の増収見込む。 記:2024/06/28
4523 東証プライム
5,538
10/7 15:00
+41(0.75%)
時価総額 1,642,388百万円
国内製薬大手。神経領域、がん領域が重点領域。抗がん剤「レンビマ」が主力製品。一般用医薬品でチョコラBBなど。不眠症治療剤「デエビゴ」は成長。米国でのレケンビ治療は着実に進捗。中長期的に研究開発投資を継続。 記:2024/04/29
4548 東証プライム
864
10/7 15:00
+3(0.35%)
時価総額 49,087百万円
関節機能改善剤が柱。糖質化学の知見に強み。開発・製造に特化し、販売は提携先に委託。24.3期3Q累計は日米で関節機能改善剤が伸長も販管費増が利益の重石に。4Qにヘルニア薬の承認申請に向けた費用増を見込む。 記:2024/04/10
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690
10/7 15:00
+18(2.68%)
時価総額 89,483百万円
遺伝子組換え天然型ヒト成長ホルモン製剤「グロウジェクト」が主力。ムコ多糖症II型治療薬「イズカーゴ」等も手掛ける。メディパルHDが筆頭株主。血液脳関門通過技術を適用した新薬の研究開発などに取り組む。 記:2024/08/01
4578 東証プライム
8,499
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時価総額 4,741,048百万円
大塚製薬、大鵬薬品工業などを傘下に収める持株会社。抗精神病薬「レキサルティ」、抗悪性腫瘍剤「ロンサーフ」などが主要製品。ポカリスエットで知名度高い。医療関連事業では新製品等による事業領域の拡大図る。 記:2024/08/19
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時価総額 127,882百万円
研究用試薬などの試薬事業が主力。宝HD傘下。滋賀県草津市に本社。再生医療等製品関連受託などのCDMO事業、遺伝子医療事業も手掛ける。25.3期は大幅増益計画。再生医療等製品関連受託の増収などを見込む。 記:2024/07/05