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3Dマトリック Research Memo(1):「PuraStat」が後出血予防材として適応追加の承認を取得

2019/1/10 15:01 FISCO
*15:01JST 3Dマトリック Research Memo(1):「PuraStat」が後出血予防材として適応追加の承認を取得 ■要約 スリー・ディー・マトリックス<7777>は2004年に設立されたバイオマテリアル(医療用材料)のベンチャー企業である。米マサチューセッツ工科大学において開発された「自己組織化ペプチド技術」を使って外科医療分野の吸収性局所止血材(以下、止血材)や粘膜隆起材、再生医療分野の歯槽骨再建材や創傷治癒材のほか、医薬品分野では核酸医薬向け等のDDS(ドラッグ・デリバリー・システム)の開発を国内外で進めている。 1. 2019年4月期第2四半期業績 2019年4月期第2四半期累計(2018年5月-10月)の事業収益は前年同期比14.1%増の120百万円、営業損失は1,103百万円(前年同期は863百万円の損失)となった。止血材の販売は欧州向けが前年同期比31.6%増の74百万円と計画比でやや下回ったものの、ドイツ向けに関しては計画以上の伸びを示すなど軌道に乗り始めてきた国も出てきている。また、アジア・オセアニア向けに関しては主力販売先であるゲティンゲグループが在庫調整したこともあり前年同期比11.3%減の41百万円となったが、計画比では上回った。ゲティンゲグループが医療施設に販売している数量は前年同期比で2.3倍増と急増しており、実質的にはオーストラリアも成長軌道に入ってきたと言えるだろう。研究開発費が前年同期比150百万円増加したほか、欧州の営業体制強化に伴い人件費が増加したことで営業損失は拡大したが、ほぼ会社計画通りの進捗となっている。 2. 主要パイプラインの開発動向 国内で実施されている止血材の臨床試験については、当初想定よりも進捗がやや遅れており、2019年4月期中の組入れ完了を目指している。このため、承認申請については2020年4月期にズレ込む可能性がある。また、粘膜隆起材の臨床試験についても材料の見直しに目処が立ったことで、2020年4月期に開始する予定だ。欧州では、英国で消化器内視鏡手術領域における止血材の臨床研究(Prospective Observational Purastat Study、以下POPS)が2018年11月よりスタートしたほか、2018年12月には内視鏡手術後での後出血予防材としてCEマークの適応追加の承認を取得した。このため、2019年4月期第3四半期以降は後出血予防材としての販売増加が期待される。欧州での後出血予防材の市場規模は少なくとも80億円程度あると同社では見ている。次世代止血材に関しては現在、中枢神経系領域(脊髄外科、脳外科)を対象に動物実験を進めており、有効性が確認された段階で臨床試験を開始する予定となっている。米国では、2018年10月に耳鼻咽喉科領域を対象とした癒着防止材の510(k)申請※を行っており、早ければ2019年3月にの承認が得られる見込みとなっている。潜在市場は100億円規模に達すると同社では見ている。また、既に販売承認取得済みの創傷治癒材についても美容整形外科領域での市場開拓を目指すべく、2019年4月期中に専門医による臨床研究を開始する予定となっている。 ※510(k)申請とは市販前届出制度のこと。米国内で医療機器を販売する際に、既に販売されている類似製品があれば安全性や有効性において同等以上であることのデータをFDA(米国食品医薬品局)に提出することで、販売の許認可が得られる制度。申請後、FDAが90日以内に販売承認の可否の判断を行う(質問・追加データ要請等の時間を除く)。 3.業績見通し 2019年4月期の事業収益は512~2,562百万円(前期は228百万円)、営業利益は2,217百万円の損失から203百万円の利益(同1,874百万円の損失)のレンジで計画している。事業収益の幅は契約一時金及びマイルストーン収入の有無によるもので、主に欧州市場での止血材の独占販売ライセンス契約で2,000百万円を見込んでいる。また、止血材の売上高は欧州、オーストラリアを中心に前期比2.2倍増の512百万円を計画している。ただ、オーストラリアの代理店であったゲティンゲグループのバイオサ—ジェリー部門が中国企業に売却されたことで、第3四半期中に代理店契約が終了する見込みとなっており、一時的に売上高が落ち込む可能性がある。今後は直販に切り替えていく方針で営業スタッフの採用を予定している。今回の契約終了は売却先である中国企業の事業戦略上の理由によるものであり、止血材の成長性に対する見方を変える必要はないと弊社では考えている。そのほか、2019年4月期中にカナダで止血材のCEマークの認証取得が見込まれており、製品販売を開始する可能性がある。なお、2019年4月期第2四半期末の現金及び預金は1,351百万円となっているが、2018年12月までに新株予約権行使により約6億円を調達しており、当面の事業活動資金は確保されている。ただ、欧州での独占販売ライセンス契約が締結できなければ2020年4月期も営業損失が続く見通しであり、再度、株式市場から資金調達を行う可能性がある。 ■Key Points ・2019年4月期第2四半期累計業績は研究開発費の増加により営業損失が拡大するも、概ね会社計画通りの進捗 ・後出血予防材の認証取得もあり、2019年4月期は「PuraStat」で5億円強の売上高を目指す ・粘膜隆起材や創傷治癒材の開発を再始動、長期的にはがん治療薬向けDDS材料も注目 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《MH》
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時価総額 10,244百万円
自己組織化ペプチド技術を用いた医療製品を開発する。外科領域、組織再生領域、ドラッグ・デリバリー・システム領域で事業展開。消化器内視鏡領域の止血材はドイツで販売好調。24.4期3Qは大幅増収、損益改善。 記:2024/04/16