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三機工業 Research Memo(7):STeP計画が本格的に始動

2018/12/27 16:07 FISCO
*16:07JST 三機工業 Research Memo(7):STeP計画が本格的に始動 ■中期経営計画 1. “Century 2025”計画 三機工業<1961>は2016年度から創立100周年の2025年度に向けて、10年間の長期ビジョン“Century 2025”を発表している。この長期ビジョンの最終目標を「選ばれる会社」と定め、その目標達成のために10年間を以下の3つのPhaseに分け、中期経営計画に基づく事業戦略を推進していく方針を掲げている。 2. 三機大和地区再開発計画(STeP:Sanki Techno Park計画)の進捗状況 この中期経営計画“Century 2025”Phase1における重要施策の一つとして掲げられていたのが「大和地区の再開発」だが、同社は、この再開発計画を「STeP:Sanki Techno Park計画」と名付けてその概要を発表している。まずこの計画は、大きく(1)三機テクノセンターの構築、(2)機械システム事業部門の製造工場の再編、(3)保有資産の有効活用に分けられているが、以下が各事業の現在の進捗状況と今後の予定である。 (1) 「三機テクノセンター」全館運営開始 “Century 2025”Phase1の最大の目標は、「技術と人の質の向上」であるが、その目標達成のための施策の大きな柱の一つが「三機テクノセンター」の構築計画である。この計画では、旧三機大和ビルA館(SRC造地上6階地下1階 延床面積約45千平米)を改修して、総合研修・研究施設「三機テクノセンター」として活用するものだが、先行して2018年3月には新技術研究所(10月より「R&Dセンター」に改称)の運営が開始され、2018年10月には予定どおり竣工を迎え、全館運営を開始した。 (2) 機械システム工場の再編 「機械システム事業部門製造工場の再編」では、新しい機械システム製造工場(敷地面積約11千平米、建屋面積約5.5千平米)を旧標準品工場の位置に建替えることを発表しているが、この建替えのために機械システム工場は既に湘南地区に仮移転済みで、2018年5月には新工場が着工し、その後2019年8月頃には新工場の運営が開始される見込みである。 (3) 大和事業所の工場施設の解体が終了 上記の機械システム製造工場や旧技術研究所等からなる大和事業所各施設の解体工事を進めていたが、2018年4月に解体が完了した。この解体工事のための費用や固定資産処分損については2018年3月期決算に計上済み。この解体工事完了後、その土地の一部に上記機械システムの新工場を建設中であるが、残りの敷地については保有資産の有効活用の観点から賃貸用不動産として整備することを決定し、約41千平米のこの土地については2018年6月から日本生命向けに賃貸を開始している。この結果、今期以降は不動産事業の売上高・利益がさらに上積みされる見込みだ。 (4) 定量的目標「営業利益75億円」は完全に射程圏 また同社は、“Century 2025”Phase1の定量的目標として、最終年度である2019年3月期の「営業利益75億円」を掲げていたが、記述のように今期(2019年3月期)の予想を82億円に上方修正していることから、この目標は完全に射程圏に入ったと言えるだろう。 この後、2019年春には、次期中期経営計画“Century 2025”Phase2の計画が発表される予定だが、どの程度が目標となるのか楽しみでもある。 3. 各種施策や活動の進捗状況 この“Century 2025”Phase1では、上記の「大和地区の再開発」が重要施策の一つとして掲げられているが、それ以外の様々な定性的な施策も掲げられている。以下は、それらの今年度進捗状況である。 (1) 新技術開発 a) クリーンルーム向け省エネ空調システム「DOUPTM(ドゥーアップ)」の開発 b) IoTセンサネットワーク利用の熱中症見守りシステムを開発 c) アルミニウム冷媒配管工法「アルミンジャー工法」の市場展開 d) 世界最速クラスの搬送仕分け装置(クロスベルトソータ)の市場展開 (2) 働き方改革 a) 当社独自の働き方改革「スマイル・プロジェクト」が4年目に b) 施工現場の働き方改革専門委員会「スマイル・サイト・プラン」を継続 c) 働き方改革を含めたオフィス刷新(NEW OFFICE プロジェクト) (3) 社会貢献 a) 「SANKI YOU エコ貢献ポイント」寄付・植林 b) 「三機の森」「森は海の恋人」等イベントでの植樹・保全活動 c) 東京都環境局主催イベント「打ち水日和」への参画 d) 聴覚障がい者7人制ラグビーに対する支援 e) 震災復興プロジェクトの継続 (4) ESGの切り口から また同社では、ESGの視点から、以下のような施策を進めている。 a) 環境 1) 「SANKI YOUエコ貢献ポイント」寄付の継続実施 2) クリーンルーム向け省エネ空調システム「DOUPTM(ドゥーアップ)」 b)社会 1) 当社独自の働き方改革「スマイル・プロジェクト」が4年目に 2) 働き方改革を含めたオフィス刷新(NEW OFFICEプロジェクト) 3) 建設工事現場の作業員を守る「熱中症見守りシステム」 4) SDGsの社内浸透(企業倫理研修、統合報告書) c)企業統治 1) 取締役会の構成見直し 取締役2名増員し非業務執行取締役5名体制(社内2・社外3) 監査役1名増員し5名体制(社内2・社外3) 2) CGコードに特化した役員意見交換会の継続実施 3) 株主との対話(回数増、個人投資家向け説明会) 4) 資本コストを踏まえた資本政策検討中 5) 政策保有株式の継続的見直し (執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) 《MH》
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1961 東証プライム
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時価総額 161,523百万円
三井グループの設備工事会社。1925年創立。空気調和設備、防災設備、電気設備等の構築を行う。虎ノ門ヒルズなどで実績。機械システム事業、環境システム事業等も。政策保有株式の縮減進める。コア事業の強化図る。 記:2024/10/06