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東都水 Research Memo(1):2018年10月11日(木)、豊洲市場が開場
2018/12/11 15:11
FISCO
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*15:11JST 東都水 Research Memo(1):2018年10月11日(木)、豊洲市場が開場 ■要約 2018年10月11日(木)、待望の豊洲市場が開場した。東都水産<
8038
>は、その豊洲市場の水産物卸売業者の大手である。独立系で、水産物卸売事業のほかに冷蔵倉庫業及びその関連事業、不動産賃貸事業を展開している。子会社では地方市場での水産物卸売や、カナダでの水産加工品の製造販売も行っている。水産物卸売業界は、少子高齢化や食の多様化などから魚の消費量が長期的に減少傾向にある一方、水産資源の減少や世界的な魚食志向の高まりから魚価が上昇傾向にあり、難しい課題に取り囲まれている。豊洲市場も、市場外流通の拡大や魚離れといった課題を抱えての船出となった。そのような環境のなか、同社は東京を中心に関東一円の食卓を担う水産物卸売業者として、国内外から集荷した生鮮・冷凍魚介類はもとより、あらゆる水産加工品の安定供給に努めている。 主力の水産物卸売事業は、本マグロを始め各種マグロを扱う大物部、日本近海や世界各国から集められた鮮魚・養殖魚などを扱う鮮魚部、ウニやアワビ、活魚など業務用高級魚がメインの特種部、アジの開きなど幅広い種類の干物・練製品・合物を扱う加工品部、冷凍品から伝統的な塩蔵品までを扱う冷凍塩魚部の5つに大別される。そのほか、同社のグループ会社で、水産物卸売や水産物製造加工、冷蔵倉庫及びその関連、不動産賃貸などの事業を行っている。なかでもカナダ・バンクーバーにある子会社AERO TRADING CO.,LTD.には製造加工と輸出のノウハウがあり、バンクーバー周辺では魚加工の有力な1社で、同社海外ネットワークの基点でもある。近年の魚食の世界的拡大に、AERO TRADING CO.,LTD.のノウハウは欠かせないものとなっている。 2019年3月期第2四半期の業績は、売上高が55,621百万円(前年同期比0.9%減)、営業利益388百万円(同28.4%減)となった。業界は取扱数量が長期低落傾向にあるが、同社は営業減益になったとはいえ、経営改革の効果で取扱数量を増やすことができた。2019年3月期業績見通しについて、同社は売上高115,000百万円(前期比1.9%減)、営業利益800百万円(同43.1%減)を見込んでいる。魚価に底打ち感があるものの、水産物卸売業界が引き続き厳しい事業環境にあること、東水フーズ(株)の解散や好採算AERO TRADING CO.,LTD.の漁獲減、埼玉県魚市場物流センター建設による償却増、豊洲移転に伴う諸費用などにより減益予想となった。ちなみに、豊洲市場への移転に伴う費用が当初見通しより少なくなったため、第2四半期決算時点で営業利益が100百万円上方修正された。 豊洲市場への移転を弾みに、同社は収益構造を変革していく考えである。当然市場内での収益改善も進めるが、グループ横断的に市場外の事業を強化、新たな成長ドライバーにしようというのである。具体的には、従来消極的だった大手量販店などとの場外取引を積極化する、九州の卸売業者である(株)三陽グループのノウハウやルートを使って、アフリカや中東など海外へと加工品の輸出を強化する——などの戦略を考えている。豊洲市場への移転は非常に大きなイベントであるため、当面将来に向けて収益状況を見通しづらい状態が続く。しかし、徐々に見通しがよくなってくる2019年には、中期経営計画の策定を検討しているもようである。楽しみである。 ■Key Points ・2018年10月11日に開場した豊洲市場の大手水産物卸売業者 ・2019年3月期は豊洲移転や埼玉県魚市場物流センター建設など先行投資で減益見込み ・移転を弾みに場外取引や加工・輸出に注力、収益構造を変革へ (執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) 《HN》
関連銘柄 1件
8038 東証スタンダード
東都水産
5,500
11/22 15:06
-70(-1.26%)
時価総額 22,143百万円
1935年創業の水産物卸売会社。生鮮・冷凍魚介類、水産加工品の販売を行う。生鮮・冷凍マグロ等が主要取扱品。冷蔵倉庫及びその関連事業、不動産賃貸事業も展開。高付加価値商品の深耕、海外事業の拡大等に注力。 記:2024/10/08
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