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DDHD Research Memo(1):2019年2月期上期は増収減益ながら、おおむね想定どおりの進捗

2018/11/30 15:31 FISCO
*15:31JST DDHD Research Memo(1):2019年2月期上期は増収減益ながら、おおむね想定どおりの進捗 ■要約 1. 事業概要 DDホールディングス<3073>は、首都圏をはじめ全国主要都市に多ブランド展開による飲食事業を主力とするとともに、ダーツやビリヤード、カラオケなどのアミューズメント事業も手掛けている。保有ブランドの多様性を生かしたブランドマネジメント制とドミナント展開に特徴がある。特に、「VAMPIRE CAFE(ヴァンパイアカフェ)」や「アリスのファンタジーレストラン」、「ベルサイユの豚」など、個性的な人気ブランドを創出してきたことや積極的なM&Aによる規模拡大、「わらやき屋」や「九州熱中屋」、「BAGUS(バグース)」などの高収益ブランドがこれまでの同社の成長を支えてきた。 2017年6月から、ハワイアンレストラン「ALOHA TABLE(アロハテーブル)」等の店舗ブランドを展開するゼットン<3057>及び「chano-ma」等の店舗ブランドを展開する(株)商業藝術を連結化すると、2017年9月には持株会社体制へ移行し、「株式会社DDホールディングス」へと商号変更した。「世界に誇る『オープンイノベーション企業』」を新たな経営理念に掲げ、グループ会社の理念・個性を尊重するとともに、オープンイノベーションによる相互補完と相乗効果により企業価値の最大化を図る方向性を打ち出している。また、新たに参入した国内ウェディング事業やカプセルホテル事業も順調に立ち上がっており、同社は新たな成長ステージを迎えたと言える。 2. 2019年2月期上期決算の概要 2019年2月期上期の連結業績は、売上高が前年同期比23.9%増の25,830百万円、営業利益が同22.8%減の1,240百万円と増収ながら減益となった。ゼットン及び商業藝術の連結効果に加えて、前期出店分が期初から寄与したことや上期出店分(11店舗)が増収要因となった。なお、前期出店分には、新たに参入した国内ウェディング事業※1やカプセルホテル事業の第1号店※2も含まれている。一方、既存店売上高(国内)は昨対比99.4%と若干落ち込んだ。アミューズメント事業が同103.6%と堅調に推移したものの、飲食事業が台風等の影響により同97.6%と下振れたことが響いた。利益面では、1)酒税法改正に伴うビールの値上げや、2)カフェ業態を中心とするゼットン及び商業藝術の連結化(業態特性)、3)新規事業(国内ウェディング事業、カプセルホテル事業)への参入による影響(先行費用)等が営業利益率の低下を招いた。ただ、これらのコスト要因はおおむね想定の範囲内である。したがって、上期業績を総括すれば、減益決算となったものの、既存店売上高(飲食事業)の下振れや持分法投資損失の計上※3を除けば、おおむね期初計画どおりの進捗であると言える。また、国内ウェディング事業、カプセルホテル事業の立ち上げにおいても大きな成果を残した。 ※1 ウェディング施設「京都祝言 SHU:GEN」及び料亭「京都幽玄 JUGEN」。 ※2 「GLANSIT AKIHABARA~COMFORT CAPSULE HOTEL~」。 ※3 前期に持分法適用関連会社となったエスエルディー<3223>の持分法投資損失(106百万円)を計上。 3. 2019年2月期の業績見通し 2019年2月期の連結業績予想について同社は、期初予想を据え置き、売上高を前期比13.3%増の51,078百万円、営業利益を同14.7%増の2,529百万円と3期連続の増収増益を見込んでいる。2018年2月期出店分(19店舗)の通年寄与や2019年2月期出店分(16店舗を計画)が増収要因となる見通しである。既存店売上高は飲食事業が前期比横ばい、アミューズメント事業が同101.1%を見込んでいる。一方、利益面では、上期同様に売上原価率の高止まりを見込む一方、売上高の伸びや前期における一過性費用(持株会社体制への移行及びグループ本社集約等)の解消により、営業利益率は5.0%(前期は4.9%)とわずかに改善する見通しである。弊社でも、上期において既存店売上高(飲食事業)が下振れたものの、引き続き、アミューズメント事業が堅調に推移していることや新規出店も計画どおり進展していることから、同社の売上高予想の達成は可能であると判断している。一方、利益面では、期初計画には入っていなかった国内ウェディング事業の第2号店※の開業費用による影響が気になるものの、年末に向けて繁忙期を迎える第4四半期の結果次第では、十分にカバーできる可能性があるとみている。注目すべきは、ノンアルコール業態への参入(利用時間の分散)や周辺事業の拡充(国内ウェディング及びカプセルホテル等)、出店エリアの拡大(全国主要都市でのドミナント展開)など、2020年2月期以降の新たな成長の軸をいかに確立していくのかにある。 ※「NOVEL SHINSAIBASHI」(大阪市中央区西心斎橋)を出店予定(2018年12月21日)。 4. 成長戦略 同社は、ゼットン及び商業藝術、エスエルディー<3223>のグループ会社化などを踏まえ、改めて中期経営計画を公表する予定としている(現時点では未公表)。もっとも、弊社では、高収益ブランドを軸とした出店拡大や国内ウェディング事業の本格稼働、海外事業の拡大のほか、新業態(カフェやカプセルホテルなど)への展開により、持続的な成長を目指す方向性に大きな変化はないものとみている。また、ゼットン及び商業藝術、エスエルディーとの融合が国内ウェディング事業及びカプセルホテル事業を含む周辺事業拡大やノンアルコール業態への事業展開など、業界の枠を超えた新たな価値の創出により成長を後押しするものと評価している。また、厳しい外部環境が続くなかで、数々のM&Aを成功に導いてきた組織能力も同社にとって大きなアドバンテージになると考えられる。追加的なM&Aを含め、今後の成長戦略の進捗に注目していきたい。 ■Key Points ・2019年2月期上期の業績は増収減益となるが、期初予想に対してはおおむね想定どおりの進捗 ・売上原価の面ではビール仕入額の上昇やカフェ業態の特性による影響があり、ウェディング事業への先行費用などが減益要因となるが想定内。2018年2月期に参入した国内ウェディング事業やカプセルホテル事業も順調に立ち上がる ・2019年2月期の通期予想を据え置き(3期連続の増収増益を見込む) ・厳しい外部環境が続くなかで、追加的なM&Aを含め、オープンイノベーションによる業界の枠を超えた新たな価値の創出に注目 (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫) 《RF》
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