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アンジェス Research Memo(6):Vasomuneへの契約一時金支払い等により2018年12月期業績を修正

2018/9/14 18:00 FISCO
*18:00JST アンジェス Research Memo(6):Vasomuneへの契約一時金支払い等により2018年12月期業績を修正 ■業績動向 1. 2018年12月期第2四半期累計の業績概要 アンジェス<4563>の2018年12月期第2四半期累計の連結業績は、事業収益が前年同期比4.0%増の176百万円、営業損失が1,205百万円(前年同期は1,702百万円の損失)、経常損失が1,206百万円(同1,698百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失が1,147百万円(同2,299百万円の損失)となった。 事業収益の増収は、「ナグラザイム®」の売上高が前年同期比6百万円増加したことによる。事業費用の内訳を見ると、売上原価が「ナグラザイム®」の販売増に伴い同4百万円増加したほか、コンサルティング費用や東京支社移転に伴う関連費用の増加などを主因として販管費が同93百万円増加した。一方で、研究開発費はHGF遺伝子治療薬の旧国際共同第3相臨床試験にかかる費用※が減少したこと等により、同588百万円減の803百万円と大きく減少しており、営業損失の縮小要因となった。また、前年同期に特別損失として計上した投資有価証券評価損476百万円、減損損失112百万円がなくなったほか、投資有価証券売却益、新株予約権戻入益を特別利益として計上したこともあり、親会社株主に帰属する四半期純損失については1,152百万円の改善となった。 ※海外で2016年まで実施していた国際共同第3相臨床試験についての費用で、臨床試験は既に終わっているが、その後の施設の閉鎖費用や患者のフォローアップ費用等が残っている。 2. 2018年12月期以降の業績見通し 2018年12月期の業績見通しについて同社は、8月27日付で修正発表を行った。事業収益に関しては期初計画の365百万円を600百万円に上方修正する一方で、営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失についてはいずれも2,500百万円から3,100百万円に下方修正した。事業収益については「ナグラザイム®」の売上が前期比横ばい見込みで変わらないが、新たに同社が保有する非臨床試験データについて海外の製薬企業から譲渡の申し入れがあり、この譲渡分が上乗せ要因となる。一方、営業損失の拡大については、Vasomuneとの急性呼吸器不全治療薬の共同開発に伴う契約一時金支払いの発生や、HGF遺伝子治療薬の国内承認申請にかかる費用の発生等の事業費用の増加が要因となっている。 なお、2018年12月期中に国内で承認申請しているHGF遺伝子治療薬の承認が得られれば、田辺三菱製薬からマイルストーン収入が入る可能性はあるが、金額的には軽微であり大勢に影響はないと見られる。 第3者割当による新株予約権の行使が順調に進み、当面の事業資金を確保 3. 財務状況と新株予約権発行について 2018年12月期第2四半期末の財務状況を見ると、総資産は前期末比1,103百万円増加の5,067百万円となった。主な増減要因を見ると、流動資産では新株予約権の行使が進んだことで現金及び預金が1,324百万円増加した一方、未収消費税等が49百万円減少したほか、原材料及び貯蔵品が評価替及び廃棄を実施したことで103百万円減少した。固定資産では保有有価証券の売却及び評価額の下落に伴い投資有価証券が197百万円減少した一方で、東京支社の移転に伴い有形固定資産が49百万円、敷金及び保証金が49百万円それぞれ増加した。 負債合計は前期末比62百万円増加の404百万円となった。預り金が34百万円増加したほか、未払費用、未払法人税等がそれぞれ11百万円増加した。また、純資産は前期末比1,041百万円増加の4,662百万円となった。親会社株主に帰属する四半期純損失1,147百万円の計上により利益剰余金が減少したほか、保有有価証券の評価額下落に伴いその他有価証券評価差額金が175百万円減少したものの、新株予約権の行使に伴い資本金及び資本剰余金がそれぞれ1,261百万円増加したことにより吸収した。 2017年9月に発行した第31回新株予約権(第三者割当て)の行使は順調に進み、2018年8月21日時点で全新株予約権の権利行使が完了した。7月から8月21日までに新たに2,078百万円を資金調達したことになり、現状の現金及び預金は30億円を上回る水準になっていると見られ、今後1年間程度の事業活動資金は確保できていると考えられる。とは言え、当面は開発ステージが続くことが予想されるため、研究開発資金の調達を目的としたエクイティファイナンスは今後も実施される可能性がある点には留意していく必要がある。 同社では、現在進めている開発プロジェクトにおいて、早期にライセンスアウトし資金回収を進めていく方針としているが、期間損失が続き財務面でも厳しい状況にあることから、2018年12月期第2四半期の決算短信において、継続企業の前提に関する注記を付している。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《SF》
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大阪大学発の研究開発型バイオベンチャー。遺伝子医薬、DNAワクチンの研究開発などを行う。開発パイプラインにHGF遺伝子治療用製品「コラテジェン」など。早老症治療薬「ゾキンヴィ」を24年5月に発売。 記:2024/08/06
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