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エノモト Research Memo(1):中長期的に成長余地広がる電子部品メーカー

2018/7/18 15:00 FISCO
*15:00JST エノモト Research Memo(1):中長期的に成長余地広がる電子部品メーカー ■要約 エノモト<6928>は、家電や自動車、IT機器などで使用される半導体パッケージのメーカー向けに、リードフレームやコネクタ、インサートモールドといった精密部品を製造販売している。高度な金型プレス技術や樹脂成形技術を有し、特に微細加工の精密プレス金型に強みがある。日本、中国、フィリピンの3極体制で事業展開をしており、高品質な製品を、どの生産拠点においても同じ水準で一貫して生産することができる。同社の製品は、IC・トランジスタ用リードフレーム、オプト用リードフレーム、コネクタ用部品、その他という4つの製品群に分けられる。また、用途別には車載向け、モバイル向け、民生向けなどに分けられる。 IC・トランジスタは、民生用機器や産業用機器、自動車部品など広範に使用される部品である。同社は金属材を精密加工し、IC・トランジスタの一部となるリードフレームを製造している。どのような用途・仕様にも対応することができるノウハウと技術がある。LED用リードフレームは、金型の設計から大量生産まで一貫生産しているが、製品自体の形状を決定する重要な部品であることから、自動車部品メーカーや照明機器メーカーとのコラボレーションも多い。また、耐久性など難易度の高い要求に対しては、顧客にとって最適な仕様を提案している。コネクタ用部品は、電子回路や光通信において配線を接続するために用いられる部品・器具のことである。スマートフォンの高精度化などを背景にコネクタやコンタクトピンの極小化が求められており、同社は狭ピッチコネクタを供給している。一方で同社は、超精密な金属プレス加工と樹脂成形を一体化した、インサートモールド(一体成形)部品も生産している。社内で金型や樹脂成形の技術を一括管理し、製品を一貫生産しているため、複雑な要求にも対応することができるのである。 2018年3月期の業績は、売上高22,103百万円(前期比14.1%増)、営業利益1,674百万円(同35.0%増)となった。2ケタ増収増益という好業績になった理由は、自動車向けやIoTセンサー関連の部品の需要が増加したこと、及び製造工程の自動化や効率化などにより製造コストが低減したことにある。一方、期初予想に対して売上高で2,603百万円、営業利益で374百万円の超過達成となったが、自動車向け部品の受注が堅調に推移したことなどが要因である。2019年3月期業績見通しについて、同社は売上高21,500百万円(前期比2.7%減)、営業利益1,700百万円(同1.5%増)を見込んでいる。確実に見込める需要しか業績予想に織り込んでいないため、売上高については減収予想となっているが、引き続き製造工程の自動化や効率化を進めることから、営業利益率は上昇する見通しとなっている。売上高の前提がやや保守的かもしれない。 IC・トランジスタ用リードフレームの市場はIoT技術の拡張や自動運転技術の普及などにより、中期的に拡大することが見込まれている。オプト用リードフレームの市場は2020年東京オリンピックに向けてインフラ投資を背景に、コネクタ用部品の市場も車載用コネクタ部品の増加から、順調に拡大することが予想される。このため、同社の成長余地は将来へ向かって広がっていくと期待される。一方、山梨県及び山梨大学と産・官・学共同で、PEFC(固体高分子形燃料電池)用の新型「ガス拡散層一体型金属セパレータ」の開発を進めている。セパレータの小型化・低価格化により、燃料電池を一般消費者にとって利用しやすくすることが目的である。2020年の実用化に向けて、量産技術の確立や製造コストの削減、生産体制・品質管理体制の構築などを進めているところである。実用化されれば、燃料電池車や家庭用燃料電池のほか広範な用途に使用されることが期待されている。 ■Key Points ・高度な金型技術や樹脂成形技術を背景にリードフレームやコネクタなどを製造 ・2018年3月期業績は超過達成、2019年3月期も保守的前提で上方修正余地あり ・既存製品群の好環境、燃料電池関連の技術開発により中長期成長が期待される (執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) 《TN》
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時価総額 10,153百万円
パワー半導体用リードフレームやLED用リードフレーム、コネクタ用部品の製造・販売等を手掛ける。山梨県上野原市に本社。一貫生産体制などが強み。マイクロコネクタ用部品等の生産技術力、生産能力の強化に注力。 記:2024/10/06