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明豊ファシリ Research Memo(4):2018年3月期の経常利益は4期連続で過去最高を更新

2018/7/17 15:34 FISCO
*15:34JST 明豊ファシリ Research Memo(4):2018年3月期の経常利益は4期連続で過去最高を更新 ■業績動向 1. 2018年3月期業績の概要 明豊ファシリティワークス<1717>の2018年3月期の業績は、売上高が前期比4.5%増の6,068百万円となったが、営業利益が同4.3%減の605百万円、経常利益が同2.9%増の610百万円、当期純利益が同1.0%増の431百万円といずれも会社計画を上回り、経常利益と当期純利益は4期連続の最高益を更新した。 当期は地方自治体でCM方式を導入する動きが広がり、公共分野の受注が前期比2倍超と伸張したほか、民間分野でも工場や研究所の新設プロジェクトを中心に難易度の高い大型プロジェクトの受注が増加したことが特徴となっている。同社が社内で管理する売上粗利益(売上高-社内コスト以外の原価(工事費、外注費等))についても、前期比で1割強の増加となり過去最高を更新した。分野別の構成比については、公共分野が前期の7%から13%に、工場・研究所が同様に11%から17%に上昇した。CREM事業については30%から21%と構成比が低下したが、これは2017年3月期に大型受注が入ったことの反動による。 売上高が会社計画比で16.7%上回ったが、これは第4四半期(2018年1月-3月)に工事請負型のアットリスクCM方式を選択する顧客が増加したことが主因となっている。期初計画段階ではピュアCM方式をベースに売上計画を策定しているため、アットリスクCM方式の案件が増えれば売上高の増額要因となる。ただし、利益ベースでの影響はない。 売上総利益は前期比1.0%増の1,863百万円となり、過去最高を更新した。また、販管費は前期比3.8%増となった。前期に引き続き人材獲得・定着化を目的とした社員の処遇改善を実施し、人件費が増加した。営業利益が減益となったが、これは営業外費用として計上していた大阪府立大学プロジェクトに関連する売上債権売却損(前期は39百万円)※に関して、当期より売上原価に含めることになったためで、前期を同じ基準で計算すると、営業利益は実質2.1%増益となる。また、当期純利益が会社計画比で4.2%上回ったが、これは前期と同様に所得拡大促進税制の要件を満たし、法人税額の10%の税額控除の適用を受けたことが要因となっている。期初段階では税額控除の効果は適用できない見込みと判断していた。 ※大阪府立大学のプロジェクトに関する支払条件が10年間の分割支払いとなっており、資金回収期間が長期にわたることから、金融機関に売上債権を売却して早期に資金回収を行うスキームを取っている。このため、2017年3月期までは売上債権売却損(10年分の金利収入相当分)を営業外費用として計上し、同額分を売上高、営業利益に加算する決算処理を行っていたが、2018年3月期より契約内容の変更を踏まえ、会計処理方法を変更している。 当期のトピックスとしては、地方公共団体からの受注が一気に増えたことが挙げられる。CM方式の公共分野での普及促進を図るため、国土交通省が2014年から実施してきた「多様な入札契約方式モデル事業」での取り組みにより、地方自治体でもCMのメリットが認知されるようになり、導入する機運が高まってきたことが背景にある。同社も「多様な入札契約方式モデル事業」の支援事業者として2014年から毎年応募し、当期についても東京都板橋区の「小中学校等空調設備一斉更新事業にかかる支援業務」を受託、同モデル事業として4年連続で支援事業者として選定されている。 こうした市場環境の変化が進むなかで、公共分野における同社のCM受注件数は2017年3月期の4件(うち、国交省のモデル支援事業1件)から、2018年3月期は13件(同1件)に増加した。同社の場合、公共分野への入札に関しては、企画・提案力が評価されるプロポーザル方式※で行われる入札に限定しております。CM業界の先駆者として「フェアネス」と「透明性」を重視した取り組みや質の高い企画・提案力などが、地方自治体からの高い評価につながっていると考えられる。 ※主に業務の委託先や建築物の設計者を選定する際に、入札を希望する事業者に対して目的物に対する企画を提案してもらい、その中から優れた提案を、評価項目別にポイント化し、総合点数が最も高かった事業者を選定する入札方式。 落札した案件を見ると、大阪府立大学の学舎整備事業については8年連続の受注となったほか、東京都で5件の受注を獲得(うち1件は国交省が募集したモデル支援事業)、また、2016年春の大地震で被害を受けた熊本県宇土市の「新庁舎建設基本計画策定及び設計者選定支援業務」を始め、山形県や滋賀県、奈良県など地方で庁舎建替えプロジェクトの受注が増えたことが特徴となっている。なお、大阪府立大学の案件についてはアットリスクCM方式だが、そのほかはすべてピュアCM方式での受注となっており、契約期間は2〜3年程度、受注額としては数千万円規模のものが多くなっている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《MH》
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オフィスビル、公共庁舎など各種施設に関わるコンストラクション・マネジメント(CM)手法を用いた発注者支援事業を手掛ける。発注者側に立った適正な費用査定が強み。CMサービスの価値向上などに取り組む。 記:2024/10/13