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エイジア Research Memo(2):電子メール配信システムの大手で、配信性能は業界トップクラス

2018/6/14 16:34 FISCO
*16:34JST エイジア Research Memo(2):電子メール配信システムの大手で、配信性能は業界トップクラス ■事業概要 エイジア<2352>は1995年創業のソフトウェア開発会社で、2001年に発売を開始した電子メール配信システム「WEBCAS e-mail」が成長の原動力となっている。現在の事業セグメントは、企業が販促・マーケティング活動に利用する電子メール配信システムを中心としたアプリケーション事業と、主に子会社の(株)FUCAで展開するコンサルティング事業(Web制作、メルマガ代行サービス、マーケティングコンサルティング等)、同社が外部企業向けに行っているオーダーメイド開発事業(受託開発・保守サービス)の3つに分けられる。2018年3月期のセグメント別構成比で見ると、アプリケーション事業が売上高の80.7%、セグメント利益の97.6%を占め主力事業となっている。 アプリケーション事業では、電子メール配信システムのほか、アンケートシステム、顧客管理システム、LINEメッセージ配信システム等の「WEBCAS」シリーズの開発・販売及びクラウドサービスでの提供を行っている。電子メール配信システムの処理能力は、パッケージ導入版で毎時300万通以上、クラウド版SaaS型で毎時240万通以上と、業界でもトップクラスとなっている(競合他社大手は毎時100万通程度)。顧客層は大企業から中小企業まで幅広く、業種も多岐にわたっている。導入実績としては大企業を中心に累計4,000社を超えている。特に、販促ツールとして電子メール配信システムに高い性能が要求される通信販売業界では、売上高上位5社すべてが同社のシステムを導入するなど、システムの性能、信頼性では業界でも抜きん出た存在となっている。 「WEBCAS」シリーズとしては現在、基幹商品となる「WEBCAS e-mail」(全体の約65%)を中心に、アンケートシステムや顧客管理システム、LINEメッセージ配信システムなど複数のサービスを提供している。販売形態としては、クラウドサービス契約とパッケージ導入版(ライセンス販売)とがある。また、クラウドサービスには標準機能のみのサービスを提供するASP型※1と、顧客ニーズに合わせて機能拡張が可能なSaaS型※2の2つのタイプを提供している。ASP型は比較的規模が小さく、導入費用を低く抑えたいライトユーザー向け、SaaS型は規模の大きいヘビーユーザー向け(配信リスト数が数万件以上)のサービスとなる。また、パッケージ導入版は、自社でサーバーなどの設備を保有し、セキュリティ対策を含めて管理・運用を行う顧客向けのサービスとなる。 ※1 ASP型:Application service providerの略。アプリケーションソフトの機能をネットワーク経由で顧客にサービスとして提供する事業者を指す。利用者はインターネットを経由し、遠隔地からASPのサーバーにアクセスすることで、そのサーバー内に格納されたアプリケーションソフトの機能をサービスの形で利用する。 ※2 SaaS型:Software as a Serviceの略。必要な機能を必要な分だけサービスとして利用できるようにしたアプリケーションソフト、もしくはその提供形態のこと。利用者はインターネット経由し、遠隔地からSaaSのサーバーにアクセスし、必要な機能を利用する。 ここ数年は初期コストを抑えることができ、手軽に導入できるクラウドサービスに対する需要が旺盛で、アプリケーション事業に占めるクラウドサービスの売上比率は、2018年3月期で70.2%まで上昇している(2012年3月期は45.6%)。収益性に関して見れば、クラウドサービスの売上総利益率は80%強とパッケージ導入版の70%台と比較して高くなっている。パッケージ導入版は大型のカスタム案件が中心のため開発コストがかかるためで、案件によって利益率も変動する。クラウドサービスの売上比率が上昇することで、月々の継続的な安定収入が見込めるだけでなく、全体の収益性向上にも寄与することになる。クラウドサービスの中でも同社は付加価値の高いSaaS型に注力している。廉価版となるASP型は競合も多く価格競争も激しいためだ。なお、パッケージ導入版に関しては、セキュリティ面を重視する金融業界などを中心に一定の需要が今後も継続して残るものと思われる。 業界シェアではパッケージ導入版で約28%とトップだが、クラウドサービス版に関しては参入企業も多く、シェアは約5%と業界第7位となっている。クラウド版の大手はチーターデジタル(株)やパイプドHD<3919>、シナジーマーケティング(株)、ラクス<3923>、ユミルリンク(株)等となっている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《MW》
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