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日本調剤 Research Memo(1):改定の厳しさを追い風に変えて、中長期的に飛躍的成長を目指す

2018/6/11 15:50 FISCO
*15:50JST 日本調剤 Research Memo(1):改定の厳しさを追い風に変えて、中長期的に飛躍的成長を目指す ■要約 日本調剤<3341>は調剤薬局の国内トップクラス企業で、調剤薬局事業の売上高では第2位を誇る。自社グループでジェネリック医薬品の製造も行っており、メーカー機能を有しているところが特徴的だ。さらに、医療従事者を対象にした人材派遣・紹介事業と情報提供・コンサルティング事業も加え、4部門体制で事業展開している。 1. 『2030年に向けた長期ビジョン』を発表。調剤シェア10%を獲得し、売上高1兆円を目指す 同社は『2030年に向けた長期ビジョン』を公表した。調剤薬局事業を始めとして既存3事業それぞれで収益拡大を図り、2030年をメドに売上高1兆円を実現することを目標に掲げている。調剤薬局事業は“勝ち残りによるシェア拡大”が成長戦略で、9兆円規模への拡大が想定される調剤市場で10%のシェアを獲得し、売り上げ規模を9,000億円へと飛躍的に増大させる計画だ。医薬品製造販売事業では、最新鋭のつくば第二工場の活用を核とする成長戦略によって大手5社の一角を確保し、シェア15%を獲得することを目指している。 2. 高効率・高収益な店づくりの強みを生かして、勝ち残り・シェア拡大を実現へ 調剤事業における“勝ち残りとシェア拡大”は調剤各社に共通したテーマと考えられるが、その中で同社は実現可能性が最も高い1社だと弊社では考えている。弊社が最も注目するのは、同社の店舗当たり売上高が業界内で群を抜いて高いことだ。高収益な店舗から生み出されるキャッシュフローをICTや人材に投資し、それがさらに店舗運営を効率化させて収益拡大につなげるという好循環が確立されている。2018年の調剤報酬改定はその内容から業界再編を本格的に加速させていくとみられている。同社は高効率の店舗運営に裏付けられた資金力や再生の実績、豊富な人材やICTなどをフルに活用して業界再編(すなわちM&A)に臨み、所期の成長戦略の実現を図る方針だ。 3. 2019年3月期は報酬改定の影響で大幅減益予想だが、過度の懸念は不要 2018年3月期は改定スキップ年で調剤薬局事業が順調に収益を伸ばし、売上高、営業利益、経常利益は過去最高を更新した。2019年3月期については、2018年改定の影響で調剤薬局事業が減益となることに加え、医薬品製造販売事業も新工場稼働に伴う費用の増加で大幅減益が見込まれ、全社ベースの営業利益は前期比4割減が予想されている。しかしながら、前述したこれまでの店づくりでの取り組みの結果、制度改定の逆風に対して耐性が強いだけにとどまらず、追い風に変えることが可能な実力を有するに至っていると弊社ではみている。医薬品製造販売事業でも自社製造品目の拡大や受託製造などを通じて収益のV字回復が期待されている。2019年3月期の減益に対して過度な懸念は不要だと考えている。 ■Key Points ・売上高1兆円を目指す『2030年に向けた長期ビジョン』を発表 ・勝ち残り・シェア拡大の実現が成長戦略の骨格。高収益店舗、人材投資及びICT投資の3要素で実現を目指す ・環境変化でM&Aの加速にも注目 (執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之) 《TN》
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国内大手の保険調剤薬局チェーン。ジェネリック医薬品の製造・販売、医療従事者派遣・紹介事業も。総店舗数は730店舗超。オンライン医療、在宅医療などが注力領域。スペシャリティ医薬品の取扱い増を見込む。 記:2024/06/09