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日本ライフL Research Memo(5):2019年3月期業績も実力ベースでは20%超の大幅増益見通し

2018/6/8 15:08 FISCO
*15:08JST 日本ライフL Research Memo(5):2019年3月期業績も実力ベースでは20%超の大幅増益見通し ■業績動向 4. 2019年3月期の業績見通し 2019年3月期の業績見通しについて日本ライフライン<7575>は、売上高49,411百万円(前期比16.8%増)、営業利益11,202百万円(同5.0%増)、経常利益11,482百万円(同7.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益7,825百万円(同4.6%増)を見込んでいる。2018年3月期に発生した未実現利益1,170百万円の影響が強く影響し、各段階利益が1ケタ台と低く算出されているが、これを除いて試算(フィスコ試算による)すると、利益の伸びは営業利益21.7%増、経常利益20.1%増、親会社株主に帰属する当期純利益21.8%増と、すべて20%を超える強い伸びを示していることが分かる。実力ベースでは、同社は引き続き高い成長を維持していると言うことができる。 売上面では、心房細動のアブレーション治療において引き続き高い症例数の増加が見込まれることから、関連商品の伸長を見込んでいる。加えて、2018年3月に販売を開始した期待の大型商品「Orsiro」も通期フル寄与により50億円の売上高を見込む。4月に行われた保険償還価格の改定により、同社の売上高に対してマイナスの影響があったが、オンリーワン商品など販売をけん引する製商品の引き下げ幅が小さかったことから、取扱商品全体で5.8%と、業績への影響は限定的だったと見られる。一方、リズムディバイスにおいては、遠隔診療に対する診療報酬の加算を受け、遠隔モニタリング装置の需要が増しているものの、供給元メーカーにおいて供給面の課題が生じていることもあり減収見通しとなる。 利益面では、2018年3月期に発生した一時的な未実現利益の調整がなくなること、保険償還価格の引き下げ、売上規模の大きな仕入商品である「Orsiro」によるミックス変化により、売上総利益率の低下を見込んでいる。一方販管費については、大型新商品のプロモーションによる広告宣伝費の増加、関西物流拠点の整備のほか、自社製品の拡充に向けた開発関連費用や、新商品の薬事承認取得に向けた治験費用・検査費などの増加を見込んでいる。このため、利益は1ケタ増益にとどまる見通しだが、上記のように未実現利益の影響を除けば、実質各段階利益で20%を超える大幅増益予想となる。 2019年3月期は期待の大型商品3品がそろい踏みする 5. 2019年3月期品目別売上高の見通し 品目別では、リズムディバイスで、遠隔モニタリング装置の需要が増しているものの供給に課題が残ることから、ペースメーカーの販売数量については減少を見込んでいる。EP/アブレーションでは、心房細動の症例数が18%増加するという前提で「BeeAT」など関連製品が引き続き販売を伸ばす一方、内視鏡アブレーションシステム「HeartLight」が新商品として加わる見通しである。自社製品のオープンステントグラフトを既に2018年2月に台湾向けに発売し、4月に初症例が行われたが、上期中には欧州への展開を計画している。外科関連では、オープンステントグラフト「FROZENIX」、腹部用ステントグラフト「AFX2」の販売の増加を引き続き見込んでいる。インターベンションでは、バルーンカテーテルやガイドワイヤーは保険償還価格引き下げにより売上高は減少する見通しだが、全体としては「Orsiro」効果で大幅な増収となる見込みである。 期待の大型3商品が、今期中にそろい踏みする予定である。いずれも医療現場のニーズは高いと思われ、同社の中期成長をけん引する商品群と考えられる。まず、既に3月に発売された、冠動脈疾患の主要な治療機器である薬剤溶出型冠動脈ステント「Orsiro」。新規参入のため病院への預託在庫を一定規模用意する負担はあるが、世界最薄のストラットで再狭窄と血栓を抑制、ナノコーティングで金属イオンの溶出を防止、極めて高い耐久性を持つという特徴がある。このため臨床試験で高い評価を受け、薬剤溶出型冠動脈ステント市場で初年度(2019年3月期)10%のシェアを見込んでいたが、15%へと上方修正した。 2つ目は、内視鏡アブレーションシステム「HeartLight」で、7月発売の予定になっている。バルーンテクノロジーにレーザー焼灼という技術を取り入れた新しい商品で、内視鏡画像を確認しながらレーザーによる正確な焼灼が可能となっている。同社は導入後、より高機能な次世代品の導入も進めていくとしている。3つ目が、スーチャレス生体弁「PERCEVAL」で、下期の発売を予定している。縫合不用のため手技時間の短縮と患者の負担軽減が期待できる、弁リングがない構造のため血行動態に優れ、複合手術や小切開手術に最適である—という特徴があり、外科医向けに新たな市場創造も期待できる商品と考えられている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) 《MW》
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循環器内科、心臓血管外科領域中心の独立系医療機器商社。メーカー機能も持つ。自社製品売上比率は5割超。人工血管関連は自社製品「オープンステントグラフト」の売上が順調。28.3期売上高630億円目指す。 記:2024/06/13