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ジャストプラ Research Memo(2):外食業界向け店舗管理システムの大手で、契約店舗数は5,000店舗に迫る

2018/5/30 15:02 FISCO
*15:02JST ジャストプラ Research Memo(2):外食業界向け店舗管理システムの大手で、契約店舗数は5,000店舗に迫る ■事業概要 ジャストプランニング<4287>の事業は、ASP事業、システムソリューション事業、物流ソリューション事業、太陽光発電事業、その他事業の5つの事業セグメントで区分されている。2018年1月期の事業セグメント別構成比を見ると、売上高ではASP事業が37.4%、物流ソリューション事業が48.8%と2つの事業で全体の80%以上を占めるが、売上総利益ではASP事業が73.0%と同社収益の大半を占める主力事業となっている。各事業の内容については以下のとおり。 1. ASP事業 ASP事業は、インターネットを介して売上、仕入、勤怠管理など店舗を運営していく上で必要な業務用ソフトを利用できるサービス、「まかせてネット」が主力となっている。主な顧客は、20~50店舗規模のチェーン展開をしている中小規模の外食企業であり、「まかせてネット」を導入することで、顧客企業は店舗の経営状況を迅速、かつ低コストで収集・管理・分析することが可能となる。契約店舗からの月額利用料が売上高の大半を占めるストック型のビジネスモデルで、売上総利益率も75%超と高く同社の主力事業となっている。 「まかせてネット」の月額利用料金は、利用するサービスによって変わるが、1店舗当たり平均で2万円台前半の水準となっている(フルサービスの提供で約4万円)。競合企業の多くが月額1万円前後の料金水準で提供していることからすれば割高な水準だが、これは他社であれば別途追加料金が発生するようなカスタマイズ対応についても、同社は無償で行っていることが要因となっている(ただし、大幅な仕様変更については別途料金が必要)。 2018年1月期末時点の「まかせてネット」契約店舗数は、4,881店舗(契約企業数237社)と前期末比で10店舗(同11社増)となっている。国内の外食チェーン店舗数は約5.86万店舗(日本フランチャイズチェーン協会調べ)となっており、同社の業界シェアは1割弱の水準だが、主要ターゲットとなる50店舗以下の中小規模の外食チェーン向けに限れば1割強のシェアになっていると推定される。 競合企業としては、アルファクス・フード・システム<3814>、(株)日立システムズ、(株)アスピットなど同規模クラスの企業が5〜6社ある。このうち、アルファクス・フード・システムの契約店舗数は、2017年9月末時点で7,232店舗(契約企業数273社)と同社を約1.5倍上回り業界トップの水準となっているが、売上高についてはARPU(1店舗当たり平均売上高)が同社よりも低いため約1.2倍の差にとどまっている。なお、外食企業向けのASPサービスとしては、インフォマート<2492>も受発注サービスを行っており、一部サービスが重複している。ただし、インフォマートは主に売り手側(食品卸会社向け)のサービスをメインとしているため、インフォマートと顧客が重複する場合には互いにシステム連携を行うなど良好な関係を構築している。 同社ではARPUの向上、あるいは顧客の囲い込みを図るため、「まかせてネット」以外の付加価値サービスの拡充も進めている。クラウド型POSオーダリングサービス「まかせてタッチ」を始め、公共料金価格適正化診断サービスや「Pre Order POS」(リアルタイム売上送信電卓アプリ)のほか、2017年にはPOSシステムなどを対象とした「物損対応付き延長保証サービス」「給与前払サービス」「外国人留学生派遣代行運用管理サービス」なども他社との業務提携を通じて開始しており、多様な顧客ニーズに対応している。 このうち、「まかせてタッチ」は飲食店で来店客からのオーダーを受ける際に使用する専用端末(ハンディターミナル)を、iPadやiPod touchなどの汎用端末に置き換えたサービスとなる。同サービスの特徴は、汎用端末を用いることで初期導入費用を約3分の1と大幅に低減できることに加え、一般的に広く普及している端末を使うため、従業員の習熟度も早く教育研修期間や費用を圧縮できること、メンテナンス費用を低減できることなどが挙げられる。「まかせてタッチ」の導入費用は初期費用で10万円から、月額利用料は1店舗当たりオーダリングサービスで9,800円、POSサービスで5,000円、保守サービスで5,000円の合計19,800円となる。契約店舗数は100店舗以上と当初の想定よりは増加ペースが緩やかなものの着実に増加している。「まかせてネット」の導入店舗のほか新規顧客での契約も増え始めている。 また、公共料金価格適正化診断サービスは、電気やガス、下水道などの公共料金の契約内容を診断し、低コスト化が実現できるよう最適なプランニングを提案するサービスとなる。顧客ターゲットは既存契約企業店舗のうち、直接、電力会社やガス会社等と契約している店舗(ロードサイド型店舗)となる。 2. システムソリューション事業 システムソリューション事業は、主にASPサービス契約企業の店舗に導入するPOSシステムやオーダリングシステムなど各種端末機器の販売や設定・メンテナンスサービスとなる。ASPサービスを新規契約した場合でも、既に店舗にPOSシステム等の端末機器が設置されている場合は買い替えの必要がないため、ASP事業との売上げの連動性は低い。また、端末機器に関しては仕入販売となるため、事業全体の売上総利益率も20%台と相対的に低くなっている。 3. 物流ソリューション事業 物流ソリューション事業は、子会社の(株)サクセスウェイ(出資比率100.0%)で展開する事業である。主に外食企業向けの物流ソリューションやマーチャンダイズソリューション、本部業務代行サービスなどを展開している。現在は、労働集約型である物流業務代行サービスが売上の大半を占めていることもあり、売上総利益率は10%台と低くなっている。収益性向上を図るため、同社で開発した物流総合管理システム(店舗発注、倉庫管理、在庫管理等)のASPサービス「Logi Logi(ロジロジ)システム」(契約店舗数は約400店舗)の拡販に注力している。 4. 太陽光発電事業 2015年2月より子会社の(株)JPパワー(出資比率100.0%)で太陽光発電事業を開始している。栃木県内2ヶ所で合計1.7MWhの発電所を稼働したほか、2016年2月より宮城県内で1.1MWhの発電所を稼働させている。当面は現有設備で売電事業を行っていく方針となっている。減価償却負担がかかるため当初の利益率は低いが、償却負担減とともに利益率の上昇が見込める事業となる。 5. その他事業 その他事業では、店舗運営ノウハウを学ぶ社員研修や新システムのテストマーケティングの場として飲食店舗を子会社のJPパワーで運営している。2017年12月に本社近隣に居酒屋を1店舗開店し、2018年1月期末時点で居酒屋3店舗、ゴルフバー1店舗(福岡県、2014年10月事業譲受)の合計4店舗となっている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《NB》
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