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アウトソシング Research Memo(1):オーガニック成長やグループシナジー実現により過去最高業績を更新
2018/5/2 15:00
FISCO
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*15:00JST アウトソシング Research Memo(1):オーガニック成長やグループシナジー実現により過去最高業績を更新 ■要約 アウトソーシング<
2427
>は、メーカーの製造ライン向けに人材派遣及び業務請負を行う「国内製造系アウトソーシング事業」や、メーカーの研究開発部内やIT、土木建築系企業向けに技術者派遣等を行う「国内技術系アウトソーシング事業」を展開するほか、米軍施設向け事業や海外展開にも積極的に取り組んでいる。海外を含めた人材提供数(外勤社員数※1)は約6万人に上り、技術・製造系では業界最大の規模を誇っている(2017年12月末現在)。旺盛な人材ニーズを背景として、業界全体が好調に推移しているなかで、景気変動の影響を受けやすい事業特性からの脱却や今後の環境変化への対応を図るべく、事業構造の変革に取り組んでおり、「国内技術系アウトソーシング事業」や「国内サービス系アウトソーシング事業」、「海外事業」に注力している。また、創業以来の「国内製造系アウトソーシング事業」においても、独自の事業モデルであるPEO※2スキームによって、これまでの短期の生産調整領域から長期事業領域での人材ニーズの創出と顧客の囲い込みに取り組んでおり、同社ならではの成長戦略は順調に進展している。 ※1 外勤社員とは顧客メーカーにおける現場作業従業者の総称で、稼働中の派遣契約社員も含む(同社の定義を使用)。 ※2 Professional Employer Organizationの略(詳細は後述)。 2017年12月期の業績(IFRS)は、売上収益が前期比71.4%増の230,172百万円、営業利益が同104.2%増の11,360百万円と期初予想を上回る大幅な増収増益となり、売上収益、利益ともに過去最高を更新した。好調な外部環境や独自戦略の進展によるオーガニックな成長に加えて、前期及び当期に実施したM&A(買収後の業績向上分を含む)が海外事業の大幅な伸びに寄与した。注目すべきは、「国内技術系アウトソーシング事業」が独自の人材教育カリキュラムの活用等により伸長したほか、「国内製造系アウトソーシング事業」も労働者派遣法改正に伴いPEOスキームが順調に伸びたところである。また、「国内サービス系アウトソーシング事業」も米軍施設向けの事業が順調に拡大している。利益面でも、グループガバナンス体制の強化のための費用増のほか、一部の事業において需要拡大に向けた先行投資を行ったものの、増収により大幅な増益を実現し、営業利益率も4.9%(前期は4.1%)に改善した。 2018年12月期の業績予想(IFRS)について同社は、売上収益を前期比26.0%増の290,000百万円、営業利益を同21.5%増の13,800百万円と引き続き増収増益を見込んでいる。人材獲得に向けた独自の取り組み(KENスクールやPEOスキーム等)の進展に加えて、米軍施設向けの展開加速、公務の民間委託事業のグローバル展開によるオーガニック成長を想定している。一方、増益率が比較的緩やかな水準にとどまっているのは、新たなM&Aにかかる事前調査費用等を予算計上しているためである。弊社でも、外部要因(法改正で発生する派遣ニーズの拡大や業界淘汰の取り込み、公務の民間委託市場の世界規模での拡大等)及び内部要因(独自戦略の進展やグループシナジーの実現等)から判断して、同社の売上収益予想の達成(オーガニック成長の実現)は十分に可能であるとみている。一方、利益予想についても、今後の成長加速に向けた先行費用(M&Aにかかる事前調査費用を含む)を想定した無理のない水準であると評価できる。したがって、今期中にM&Aが実現すれば業績の上振れ要因となることにも着目したい。 同社は、2020年12月期を最終年度とする中期経営計画を推進している。国内では成長性及び付加価値が高く、人材不足が課題となっているIT及び土木建築分野(技術系)や参入障壁の高い米軍施設向け(サービス系)、海外では公的サービスの民間委託分野などを大きく伸ばす方針である。特に、いかなる環境変化にも打ち克つ企業になるべく、製造分野と異なる景気サイクル分野の拡充や景気の影響を受けにくい公共事業のアウトソーシングの強化、グローバルな人材流動化への対応などに取り組む。2020年12月期の目標として、売上収益を4,410億円、EBITDAを344億円と意欲的な水準を掲げており、海外事業においては、引き続き、M&Aを重要な成長戦略の軸に据える方針である。 弊社でも、外部要因及び内部要因の両方がプラスに働くことにより中期経営計画は十分に達成可能であると判断している。また、相次ぐ大型M&Aにより財務内容が大きく変化しており、有利子負債の拡大やのれんに対する減損リスクを懸念する見方もできるが、弊社では、同社のM&Aは各国政府や米軍施設向けのアウトソーシング分野など、固定資産を保有せず、キャッシュ・フローが安定的にプラスとなっている企業を対象としており、回収期間が短く、景気変動の影響を受けにくいことから、財務リスクは小さいものと捉えている。今後もM&Aを含む成長戦略の進捗に注目していきたい。 ■Key Points ・2017年12月期業績は計画を大きく上回る増収増益を実現し、過去最高の売上収益、利益を更新 ・国内での独自の取り組みが好調に推移したほか、グループシナジーの創出等でも大きな成果 ・今後もM&Aを含む成長戦略の推進により事業構造の変革を進めながら高い成長性を継続する計画 ・特に、グローバルでの人材流動化への対応等を見据え、世界No.1を視野に入れた体制構築に取り組む (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫) 《TN》
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製造業向け人材派遣・業務請負が柱。M&Aを活用して国内外で事業拡大。昨年12月に発表したMBOの一環として米投資ファンドのベインが1株1755円でTOB実施。今年3月にTOBが成立し、同社株は上場廃止へ。 記:2024/04/10
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