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クロスマーケ Research Memo(7):17/12期は事業拡大により増収継続するも、一時コストで営業減益に

2018/3/23 15:54 FISCO
*15:54JST クロスマーケ Research Memo(7):17/12期は事業拡大により増収継続するも、一時コストで営業減益に ■業績動向 1. 2017年12月期の業績動向 クロス・マーケティンググループ<3675>の2017年12月期の業績は、売上高は16,758百万円(前期比4.9%増)、営業利益は727百万円(同45.9%減)、経常利益は597百万円(同52.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は-703百万円(前期は837百万円の利益)となった。消費の拡大や多様化、企業業績の好調を背景に、国内のマーケティングリサーチ業界は安定的に伸びている。同社も、新規顧客の開拓や既存顧客の深耕を進めるとともに、総合的なマーケティングリサーチサービスの提供を進めた。これにより創業以来4年連続増収と売上高は順調に増加したが、残業抑制による生産性の停滞やのれん償却、減損損失など一時的なコスト・損失が発生し、営業利益と経常利益は減益、親会社株主に帰属する当期純利益は赤字となった。前向きな施策が、2017年12月期に限って成長の踊り場を作った格好である。 セグメント別では、リサーチ事業の売上高は14,058百万円(前期比5.1%増)、営業利益は1,881百万円(同16.7%減)となった。国内リサーチ事業は、働き方改革を実施、時間管理の徹底と生産性の向上を目指したが、想定していた生産性の向上が達成できなかった。一方、海外リサーチ事業は、Kadenceの受注した大型案件が通期にわたって寄与、売上高は前期を大きく上回った。このため、リサーチ事業全体の売上高は前年を上回ることができたものの、働き方改革に伴う人員増強、Kadenceにおける過年度のれん償却の発生などにより、リサーチ事業全体の営業利益は減益となった。 なお、例年と異なる動きになったのが、働き方改革による人員増強とKadenceに関して発生した過年度のれん償却である。働き方改革については、残業時間を30%以上減少させる一方人員増強でカバーを図ったが、スキルアップや営業管理システムの整備に時間がかかり、少なからず営業(国内リサーチ売上高)に響いたものと思われる。また、詳細は後述するが、Kadenceの買収契約にのっとり、過年度分ののれん220百万円を償却した。いずれも2017年12月期に一時的に発生したコストと言うことができる。 ITソリューション事業の売上高は2,147百万円(前期比12.6%増)、営業利益は254百万円(同45.1%増)となった。モバイル/スマートフォン向けWebサイトやシステムの企画・開発・運用を行っている、主力の(株)クロス・コミュニケーションの受注が好調に推移、金融機関向けスマートフォンアプリなどの開発案件も継続して受注するなど、人員投資を吸収した。また、開発案件の増加に伴い、ワンストップ・ソリューションのニーズから、アウトソーシング業務を行っている(株)クロス・プロップワークスとエンジニア派遣を行っている(株)クロス・ジェイ・テックも順調に成長することができた。 その他の事業の売上高は553百万円(前期比19.8%減)、営業利益は30百万円(同59.8%減)となった。減収減益は、2017年12月期第3四半期に、Webマーケティング事業を行っていた(株)UNCOVER TRUTHを連結から外したことが主因である。主力となったディーアンドエムを中心に行っているプロモーションサービスの販売・提供は、2ケタ増収と好調だった。ディーアンドエムは更なる成長に向けた人員投資により減益になったが、これは計画に沿ったものである。 営業利益面で2017年12月期は、海外リサーチ事業とITソリューション事業の業績好調で、国内リサーチ事業の低迷をカバーした格好となった。2016年12月期は逆に、海外リサーチ事業の苦戦を国内リサーチ事業でカバーしており、同社のポートフォリオ経営がうまく機能しているということができる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) 《TN》
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マーケティングメディアの運営等を行うデジタルマーケティング事業、データマーケティング事業、インサイト事業を手掛ける。配当性向15%前後目安。1100万人超のパネルネットワークや幅広い顧客基盤などが強み。 記:2024/07/26