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スリープロ Research Memo(1):2017年10月期は全セグメントが業績好調で過去最高益更新
2018/2/26 15:21
FISCO
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*15:21JST スリープロ Research Memo(1):2017年10月期は全セグメントが業績好調で過去最高益更新 ■要約 スリープログループ<
2375
>は、IT関連の機器サポートとコンタクトセンターが主力のBPO(Business Process Outsourcing)事業が主力の会社である。1990年代後半のYahoo!BB設置事業で急成長し、2003年に東証マザーズ市場に株式公開、その後はIT関連商品・サービスの販売支援事業やコールセンター事業、システム開発事業、教育支援事業などに多角化した。2011年に経営体制を一新し、BPO事業に特化して経営体質の強化に取り組む。東証2部に昇格した2015年からはM&Aを積極化。5社を連結子会社化し、事業規模を急速に拡大している。 1. 事業内容 同社のビジネスモデルは、日本最大級の個人事業主データベースを活用して、様々なサービスをオンデマンド/シェアリングで提供する点に特徴がある。具体的には全国125,000名のエージェント(登録スタッフ)が、フィールドサポートやコンタクトセンター、システム開発や販売支援などの業務を、必要な時に・必要な人数を・必要なエリアで受託する。また、シェアリングサービスの象徴は、2015年に連結したコワーキングスペース事業であり、同社の中で最も成長率の高い事業だ(M&Aによる成長を除く)。 同社は、女性の能力活用や子育て支援、働き方改革、健康経営などに積極的に取り組んでおり内外からの評価が高い。2017年3月は「なでしこ銘柄2017」に選出されたほか、2017年、2018年と2年連続での健康経営優良法人(ホワイト500)認定、大阪市女性活躍リーディングカンパニー認証、優良派遣事業者、えるぼしマーク取得企業(3段階目、女性活躍推進法に基づき厚生労働省が認定)、男女いきいき・元気宣言事業者登録(大阪府)などを取得しており、人材力が生命線の業界において、大きな強みとなっている。 2. 業績動向 2017年10月期通期の連結業績は、売上高で前期比17.5%増の13,454百万円、営業利益で同42.6%増の381百万円、経常利益で同51.2%増の401百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同23.7%増の215百万円となり、2期連続の増収増益となった。売上面では、BPO事業5セグメント、コワーキングスペース事業それぞれが増収となったが、特にBPO事業ではテクノロジーとコンタクトセンター、コワーキングスペース事業の増分が大きかった。売上高の増分約2,000百万円のうち約800百万円はM&Aの直接効果、残りの約1,200百万円はオーガニックな成長分である。利益面では、拠点の合理化や徹底した費用の見直しを実施したことがBPO事業の収益性を向上させたのに加え、コワーキングスペース事業においても規模拡大に伴い収益性を高めた結果、営業利益・経常利益ともに過去最高を記録した。 2018年10月期通期の連結業績は、売上高で前期比22.6%増の16,500百万円、営業利益は同31.1%増で500百万円、経常利益で同23.9%増の498百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同33.2%増の287百万円と、3期連続の増収増益を予想する。引き続きコールセンターやテクノロジー、コワーキングスペース分野で成長が期待できるとともにその他のセグメントも堅調に推移しており、売上高予想はリアリティの高いものと考えられる。売上高の増加は約3,000百万円であり、そのうち約2,000百万円は2017年10月に連結子会社化したオー・エイ・エス(株)の売上高の計上によるものであり、残りの約1,000百万円は既存事業のオーガニックな成長によるものである。営業利益に関しては、営業利益率で3.0%(2017年10月期は2.8%)を予測する。M&Aでグループを増やしてきた同社だが、管理機能の集約化や拠点の有効利用・統廃合の余地が残されており、2018年10月期の各利益予想の達成は十分可能であると考えられる。 3. 成長戦略 同社の成長戦略としてギグエコノミー※プラットフォームの提供があり、その1つの具体策として携帯アプリ「レスキューミー!」が開発された。エンドユーザーはこのアプリを使って“パソコンの設定をしてほしい”といったニーズのほかにも“犬の散歩をしてほしい”、“雪かきをしてほしい”といった業務をサポーターとして登録された人に依頼できる。同社がこれまでに培ってきた主に大企業と125,000名のギグワーカーのマッチングの仕組みをオープンに開放する取り組みとも捉えられる。既にアプリケーションの開発は完了し、業務提携先の開拓も順調に進んでいる。 ※ギグエコノミー(Gig Economy)とは、インターネットを通じて単発の仕事を請け負う就業形態や経済形態である。ギグ(Gig)とは、ミュージシャン同士がその場限りで演奏をする単発ライブを表す言葉を転用したもの。この言葉は2015年からアメリカでよく使われるようになり、フリーランスなどの非正規雇用の増加とともに広まった。インターネットとデジタル技術の発達によって、どこにいても仕事を受注することができるようになったことが、ギグエコノミーの拡大を後押ししている。配車サービスのUBER(ウーバー)はギグエコノミーの代表的サービスと言われる。 同社はAI関連ベンチャー企業(株)ABEJAとBPO契約をし、ディープラーニング活用のために機械による自動化が難しい運用工程(アノテーション作業:取得した大量データの識別及び分類)を同社のエージェントを活用して実施する。例えば1つの画像内の2つの物体を識別して教師データを整備する役割を人が担う。 このほかにもブロックチェーン技術の実証実験、FinTech事業の推進、コワーキングスペース事業での起業支援など新たな事業機会を開拓している。 4. 株主還元策 2009年10月期に無配となって以降、M&A資金の確保や内部留保の一層の充実の観点から、配当を見送ってきたが、既存ビジネスの合理化による収益性の向上やM&Aの成功により着実な利益体質の構築を実現し、純資産も大幅に増加した。今後についても継続的に配当を実施できる収益基盤が整ったと判断したことから、復配が実現した。2017年10月期の期末配当金は1株当たり5円(年間5円)であり、配当性向は15.3%である。2018年10月期も年5円を維持し、配当性向は11.5%の予想である。現在は東証2部に上場しているが、株主数の基準をクリアすれば東証1部へ昇格が可能になるため、早期に条件を整えたい考えだ。 ■Key Points ・2017年10月期は全セグメントが業績好調。M&Aとオーガニックな成長で過去最高益更新 ・携帯アプリ「レスキューミー!」開発、ABEJAとBPO契約しAI関連業務請負など成長機会豊富 ・収益基盤が整い9期ぶりの復配。東証1部昇格への準備を進める (執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫) 《HN》
関連銘柄 1件
2375 東証スタンダード
ギグワークス
310
11/22 15:30
±0(0%)
時価総額 6,808百万円
コールセンター等のBPO業務を人材確保、業務構築、品質管理まで一括で提供するオンデマンドエコノミー事業が主力。デジタルマーケティング事業等も。シェアリングエコノミー事業では既存店の稼働率向上を優先。 記:2024/10/11
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