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神戸物産 Research Memo(7):店舗数拡大と収益性向上施策により業務スーパー事業の安定成長が続く

2018/2/22 15:37 FISCO
*15:37JST 神戸物産 Research Memo(7):店舗数拡大と収益性向上施策により業務スーパー事業の安定成長が続く ■神戸物産<3038>の今後の見通し 2. 事業セグメント別の見通し (1) 業務スーパー事業 主力の業務スーパー事業の売上高は前期比5〜6%増を見込んでいる。店舗数は前期末比30店舗増の810店舗まで拡大する計画。新規出店に関しては首都圏エリアを中心に今後も増やしていく方針だが、その他のエリアにおいてもFC企業の出店意欲は旺盛で、今期も全てのエリアで店舗数の拡大が続く見通し。また、既存店の売上高については前期並みの2%程度の伸びを見込んでいる。引き続き自社開発のPB商品の強化を進めていくほか、効果的な販促施策を実施していく方針だ。グループ生産子会社の収益性もPB商品の売上拡大とともに全般的に改善が続く見込み。 収益性向上施策としてはPB商品の開発強化や製造ラインでの生産性向上、物流コストの低減などに取り組んでいく。このうち、物流に関しては常温商品に関しての物流体制の見直しを前期から実施している。具体的には、メーカー商品や日配品など従来、各メーカーから店舗に直送していた商品に関して一旦、委託倉庫に集荷してから、個々の店舗に配送する方式に切り替え始めている。これにより店舗では必要な数量(1ケースから発注可能)だけを注文することが可能となり、在庫回転率の向上にもつながっている。こうした取り組みにより収益性についてもまだ改善していく余地があると見ている。 なお、海外市場の取り組み状況として2016年4月に米国でJPN Mart Inc.が運営する日系のスーパーマーケット「Seiwa Market」(カリフォルニア州2店舗、テキサス州1店舗)内で約500アイテムのPB商品などを販売、2016年秋からは香港のスーパーマーケット向けにも間接的に卸販売を開始しており、順調に出荷額も拡大しているようだ。特に、香港については日本食をメインとしたスーパーマーケットに出荷しているが、前期までは冷凍食品のみであったが、2017年11月より常温商品の出荷も開始しており、販売状況も好調に推移している。現在、20〜30店舗に出荷しているが、相手先企業はグループ全体で約200店舗のスーパーマーケットを運営していることから、今後の伸びが期待される。 (2) 神戸クック事業 神戸クック事業は、売上高が前期比増収に転じ、営業損失も縮小する見通しとなっている。売上高については「神戸クック・ワールドビュッフェ」のFC出店増加による増収を見込んでいる。2015年から2016年まで顧客満足度や利益率向上のため、一時的に出店を見合わせ、メニューの改廃やサービスの向上に注力してきたが、業態改善に成功したと判断、2017年より新規FCの募集を再開するなど積極的な店舗拡大に転換している。既に、2017年7月に群馬県に関東第1号店となる「伊勢崎店」をオープンしたほか、同年11月に大阪府第1号店となる「リノアス八尾店」、12月に静岡県に東海地区第1号店となる「ザザシティ浜松店」をオープンしており、前期末比では2店舗増の18店舗となっており、今後も全国各地で出店していく予定となっている。 一方、惣菜店の「Green's K」については利益率向上に取り組んでおり、目途が付いた段階で店舗数を増やしていくことを検討している。また。低価格のビュッフェ&セルフクック型の外食店舗である「Green's K 鉄板ビュッフェ」については利益率の改善余地が少ないことから出店計画はなく、前期並みの売上水準を見込んでいる。なお、損失については前期同様、在庫の処分損が主因となる。 (3) クックイノベンチャー事業 クックイノベンチャー事業は、減収減益となる見通し。ジー・コミュニケーショングループの見通しをそのまま業績計画に織り込んでいる。今期も外食事業において不採算店舗の整理や業態転換を進めていくこと、また、教育事業について2018年3月までに撤退することなどが減収減益要因となる。教育事業の撤退については、経営リソースを外食事業に集中するためで、FC契約の期間満了のタイミングでの撤退となる。2017年3月期における教育事業の売上高は1,951百万円、営業利益は173百万円となっており、この約半分程度が今期の業績においてマイナス要因となる見込みだ。 (4) エコ再生エネルギー事業 エコ再生エネルギー事業は、増収増益となる見込み。2017年10月期の下期に大阪、徳島、茨城の3ヶ所で合計6.6MWの発電所の稼働を開始しており、既存のソーラー発電所だけで前期比15.7%増の612百万円の収入が見込まれるほか、2018年1月に大阪で2.1MW(年間売電収入78百万円)の発電所が稼働した。また、2018年6月には北海道の木質バイオマス発電所も稼働する予定となっている。2018年10月期末の発電能力はソーラー発電で18.0MW、木質バイオマス発電で6.25MWとなる。 ソーラー発電事業については残りのプロジェクトとして福島、大阪、和歌山にそれぞれ開設する計画があり、最終的に60MW程度まで発電能力が拡大する見通しで、残りの設備投資額は120億円程度となる。すべての発電所が稼働すれば年間売上高で23億円程度が見込まれている。 (5) その他 輸入食品店「ガレオン」については、2017年12月に千葉県に「モリシア津田沼店」(FC店)をオープンしている。駅前の商業施設内における出店で、家賃も安く初年度から収益化が見込める店舗となっている。テスト店舗であった「元住吉店」(直営店)についてはデータ収集などを終えたため2018年1月に閉店した。「ガレオン」は小型店舗となるため業績への影響は軽微だが、駅ナカやショッピングモール等への店舗展開を今後進めていく方針で、店舗数が増えてくればスケールメリットにより取扱商品を業務スーパーでも扱えるようになり、業務スーパーの品ぞろえの強化につながるといった相乗効果を見込んでいる。 「ホットラグーン大分」に関しては、前述したとおり現在は、リニューアルに向けた計画を策定中となっており2018年10月期の売上計上を見込んでいない。一方、北海道の函館で進めている観光果樹園については開園に向けて屋外で苗木を育成するなど準備を進めており、開園時期は2020年を目標としている。同果樹園では地熱を活用した温水エコハウスで、青パパイヤやマンゴーなど南国の果樹も育成しており、ファミリーで楽しめる観光果樹園を計画している。なお観光事業に関しては、地域の活性化や雇用創出など社会貢献を目的とした事業であり、業績面での寄与は想定していない。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《HN》
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時価総額 979,488百万円
冷凍・加工食品など食品中心の「業務スーパー」を展開。デザート、菓子類に大ヒット商品多数。独自の輸入ルートに強み。業務スーパーの総店舗数は1070店舗超。中計では26.10期売上高5430億円目標。 記:2024/10/24