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三井化学 Research Memo(16):基盤素材事業の低ボラティリティの収益構造でシェールリスクの影響は限定的

2017/12/27 15:46 FISCO
*15:46JST 三井化学 Research Memo(16):基盤素材事業の低ボラティリティの収益構造でシェールリスクの影響は限定的 ■今後の見通し 2. 2019年3月期の考え方 2019年3月期の業績を考えるうえで、リスク要因として警戒すべきはやはり基盤素材事業だ。2017年において原油価格が60ドル/バレル近くまで上昇したことで、シェールリスクが現実となる可能性あるためだ。シェールリスクとは、シェールオイル・ガス由来の石化原料(エチレン)の供給が増加することでエチレンの需給バランスが崩れ、世界的にエチレンプラントの設備稼働率が3ポイント程度(例:100%⇒97%)低下すると懸念されていることを言う。2017年はこの問題が顕在化しなかったが、2018年後半から2019年にかけてはいよいよ顕在化するという見方が有力となりつつある。 この点については成長戦略の項で述べたように、三井化学<4183>は石化の需給変動に強い収益構造を作り上げてきている点が1つのポイントとなる。国内の石化大手の中では最も業績変動性が低い水準にあるとみられる。また、シェールリスクが顕在化した場合、稼働率低下の影響は避けられないにしても、米国から安価な合成樹脂(ポリエチレンやポリプロピレンなど)が大量に日本に入ってくるかについては、過度な懸念は不要だと弊社では考えている。理由は運送費だ。米国内の陸路と太平洋を渡る海路の運送コストを乗せた場合、価格差がなくなる可能性がある。また経済成長著しい中南米市場が日本よりも近い位置に存在していることも、日本への輸出圧力を和らげることに寄与するとみている。 モビリティ、ヘルスケア、フード&パッケージングの成長3分野は順調な業績拡大が続くとみている。3セグメントそれぞれにおいて堅調な需要が続くと予想される。そうしたなか、モビリティ事業では海外PPコンパウンドの増設分やミラストマー®の増設分などがフル寄与して販売数量を伸ばすことが期待される。ヘルスケア事業では2018年3月期第4四半期に稼働した不織布の増設分が寄与すると期待される。また2018年3月期上半期に出遅れがあった歯科材料がフルに稼働し、収益底上げに貢献してくる見通しだ。フード&パッケージング事業では機能性フィルム・シートが、包装用、産業ともに順調に拡大を続けると期待されるほか、医薬品ブリスター包装用のヒートシール材なども加わり、着実に業績を伸ばすと期待される。 以上のように成長3セグメントの順調な成長への期待と、基盤素材事業におけるシェールリスクの顕在化の懸念が入り混じるなか、同社の業績がどの水準に落ち着くとみるか、がポイントだ。結論としては、弊社では基盤素材事業の営業利益は、シェールリスク顕在化の場合でも300億円を確保できると考えている。理由は前述した業績の低ボラティリティ構造だ。この見方が正しければ、2018年3月期予想との対比では、基盤素材事業の営業利益が30億円程度の減益に収まることになり、この分は他の3セグメントの増益で吸収することは十分可能であるとみている。結果的に、2019年3月期も営業利益の過去最高を更新する可能性は十分あると考えている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之) 《MH》
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総合化学大手。エラストマー、エチレン、ビジョンケア材料、半導体・電子部品工程部材等を製造・販売。メガネレンズ材料、燃料タンク材料で世界トップシェア。事業ポートフォリ変革推進。総還元性向30%以上目指す。 記:2024/10/09