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アウトソシング Research Memo(2):景気変動の影響を受けにくい事業構造への変革を推進

2017/10/26 15:22 FISCO
*15:22JST アウトソシング Research Memo(2):景気変動の影響を受けにくい事業構造への変革を推進 ■会社概要 1. 事業内容 アウトソーシング<2427>は、メーカーの製造ライン向けに人材派遣及び業務請負を行う「国内製造系アウトソーシング事業」、メーカーの研究開発部門やIT、土木建築系向けに技術者派遣等を行う「国内技術系アウトソーシング事業」を展開するほか、米軍基地向け事業や海外展開にも積極的である。元来、自動車関連業界に強い顧客基盤を有しており、メーカーの生産効率向上や技術革新に貢献するとともに、M&Aを含めた効果的な人材の確保が同社の成長を支えてきた。現在は、景気変動の影響を受けやすい事業特性からの脱却や様々な環境変化を自らの成長に結び付けるため、事業構造の変革と事業領域の拡大に取り組んでいる。海外を含めた人材提供数(外勤社員数)は5.4万人を超え、技術・製造系では業界最大の規模を誇っている(2017年6月末現在)。 事業セグメントは、「国内技術系アウトソーシング事業」、「国内製造系アウトソーシング事業」、「国内サービス系アウトソーシング事業」に加えて、海外における「海外技術系事業」、「海外製造系及びサービス系事業」など7つに区分される。事業別売上収益構成比では、主力の「国内技術系アウトソーシング事業」が22.0%、「国内製造系アウトソーシング事業」が20.1%となっているが、最近では、積極的なM&Aにより海外事業が大きく伸びており、売上収益全体の約52%を占めている(2017年12月期上期実績)。同社の目指す方向性(将来を見据えた事業構造の変革や事業領域の拡大等)が順調に進展していることを示していると言って良いだろう。 各事業の概要は以下のとおりである。 「国内技術系アウトソーシング事業」は、輸送用機器や電気機器、金属・建材、医薬品等の幅広い分野のメーカーにおける研究開発部門への技術者派遣等のほか、IT及び土木建築系企業に対する技術者派遣等を行っている。特に、市場規模が大きく、更なる成長が見込めるIT及び土木建築分野の強化に取り組んでおり、同社グループが展開するKENスクールにて、顧客(通信キャリア等)と共同開発した人材育成カリキュラム(未経験・異分野からのキャリアチェンジを含む)を推進し、既に7,000名を超える技術者を擁する国内有数の技術系アウトソーシング事業集団となっている。新卒採用についても2017年4 月には約550名が入社しており、後発ながらこの分野におけるプレゼンス向上が顕著である。 「国内製造系アウトソーシング事業」は、輸送用機器や電気機器などのメーカーの製造工程の外注化ニーズに対応し、生産技術、管理ノウハウを提供することで生産効率の向上を実現するサービスを行っている。創業時からの主力事業であり、足元での業績は堅調であるが、景気変動(生産変動)の影響を受けやすい上、中長期的には国内市場の縮小が予想されている。同社では独自のスキームを活用することで、景気変動の影響が少ない長期事業領域での人材ニーズの創出と顧客の囲い込みにより、日本の安定雇用の役割を担うとともに持続的な成長を目指す方針である。 「国内サービス系アウトソーシング事業」は、2015年12月期から立ち上がった事業であるが、米軍基地内施設等官公庁向けサービス及びコンビニエンスストア向けサービス等を提供している。米軍基地向け(沖縄各基地等)は、参入障壁が高い上、景気変動の影響を受けにくい分野であるが、米軍基地内福利厚生施設への派遣や請負のほか、新たに滑走路や格納庫等の軍事設備の改修・メンテナンス業務の請負も開始している。また、日本の主産業となったコンビニ業界向けは、大手コンビニ本部に対して各フランチャイズが使う派遣会社の一括管理業務などを受託している。 「国内管理系アウトソーシング事業」は、メーカーが直接雇用する期間社員及び実習生等の採用後の労務管理や社宅管理等にかかる管理業務受託事業及び期間満了者の再就職支援までを行う一括受託サービスを提供している。労働契約法や労働者派遣法の改正により派遣活用の利便性が高まるなかで、メーカー直接雇用による期間社員活用ニーズは縮小する方向にある。一方、メーカーが直接受け入れる外国人技能実習生※に対する管理業務は拡大しており、今後も成長余地が大きい。 ※外国人技能実習生とは、法に基づき、日本の現場で最長3年間(建設系は5年間)実習し、帰国後に習得技能を活用する外国人技能実習制度により来日した外国人。国内の人手不足に伴い需要が高まっている。 「国内人材紹介事業」は、メーカーが直接雇用する期間社員の採用代行サービスを提供している。こちらも労働契約法や労働者派遣法の改正により市場全体のニーズは縮小する方向にある。 「海外技術系事業」は、在外子会社にて、欧州及び豪州を中心にITエンジニアや金融系専門家の派遣サービス等を提供している。 「海外製造系及びサービス系事業」は、在外子会社にて、アジア、南米、欧州等において製造系生産アウトソーシングへの人材サービス及び事務系・サービス系人材の派遣・紹介事業や給与計算代行事業を行っている。また、欧米にて公共機関向けのBPOサービスを行っている。 「その他の事業」は、製品の開発製造販売や事務業務等を行っている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫) 《HN》
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製造業向け人材派遣・業務請負が柱。M&Aを活用して国内外で事業拡大。昨年12月に発表したMBOの一環として米投資ファンドのベインが1株1755円でTOB実施。今年3月にTOBが成立し、同社株は上場廃止へ。 記:2024/04/10