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高千穂交易 Research Memo(3):システム事業とデバイス事業が2本柱

2017/7/19 15:03 FISCO
*15:03JST 高千穂交易 Research Memo(3):システム事業とデバイス事業が2本柱 ■事業概要 1. 事業概要 高千穂交易<2676>の事業セグメントは、システム事業とデバイス事業に分けられており、各セグメントの売上高(2017年3月期)は、システム事業11,347百万円(売上高比率59.6%)、デバイス事業7,689百万円(同40.4%)となっている。 さらに、システム事業はセキュリティ、その他ソリューション、カストマ・サービスのサブセグメントに、デバイス事業は電子プロダクトと産機プロダクトのサブセグメントに分けられている。 以下は各セグメント及びサブセグメントの概要である。 2. システム事業 (1) セキュリティ(2017年3月期総売上高に占める比率37.7%) EAS(商品監視システム)、映像監視システム、ストアマネジメントシステム、ディスプレイセキュリティシステム、オフィス入退室管理システム、防火システムなどを扱っている。商品監視(万引き防止)システムの国内シェアはトップクラスとなっている。 商品は主に米国センソマチックブランドで、これに監視カメラ等を複合的に組み合わせたソリューションで強固なセキュリティを実現している。これらのセキュリティセグメントの主な顧客は各種の小売業者である。一方で買収した海外子会社(Takachiho Fire,Security & Services(Thailand)とGuardfire)は防火システムを扱っている。 (2) その他ソリューション(同8.5%) 主要製品は以下のようになっている。 a) メーリングシステム(部門内比率:34.1%) 分社した高千穂コムテック(株)がスイスのカーン社製の大型メーリングシステム(封入封緘機)などを販売している。主な顧客は各種請求書や通知書を扱う大手印刷会社や株主関係書類を扱う信託銀行関連会社など。 b) RFID※関連商品(部門内比率28.3%) 現在では、2012年に丸紅<8002>から買収したマイティカード(株)と(株)S-Cubeが合併したマイティキューブ(株)が事業を行っている。タグ及び周辺機器の販売だけでなく開発、構築支援も行っており、トータルでの利益率は高い。これから幅広い分野で導入・成長が見込まれる。 ※自動認識技術の1つで、物品の情報を記憶する半導体チップと通信用のアンテナを組み込んだタグを物品に取り付け、それを電波で読み取ることにより、1点ずつではなく一度に複数の物品情報を自動的に認識できるしくみ。小売店では大量の商品の在庫管理(棚卸)の効率向上に最適で、小売店以外でも資産管理、流通管理など幅広い用途で利用可能。 c) ネットワーク関連商品(部門内比率37.6%) 企業ネットワークの安全・効率性を高める機器を販売している。近年では、米国シスコシステムズが買収したメラキ(Meraki)製のクラウド型無線LANシステムの売上を伸ばしており、企業内に加えて小売店・商業施設、ホテル、学校などで採用されている。増加する訪日観光客のための設置に加えて、防災対策のために地方公共団体での設置需要も高まることが期待できる。 (3) カストマ・サービス(同13.4%) システムセグメント内の商品の設置・保守・運用管理などの売上高。毎年の売上に伴う設置工事などに加えて一定期間のメンテナンスがあり、安定したストック型事業である。 3. デバイス事業 (1) 電子プロダクト(同16.1%) 主に海外メーカー製の半導体や電子デバイス、センサー等を扱っている。主たる仕入先はアナログ・デバイセズ、モノリシックパワーシステムズ、ノウルズ、オクタジックなど。ピーク時の2008年3月期には185億円の売上を計上していたが、近年では日本市場の縮小などに伴い30億円台の規模となっている。利益率を向上させるため、技術サポートや複合的なソリューション販売に注力し、付加価値を高めている。主な向け先別比率(2017年3月期)はDA1が10.7%、DA2が23.5%、テレマティックスが3.0%、インダストリーインフラが45.3%、アミューズメントが5.9%、その他が11.6%となっている。 (2) 産機プロダクト(同24.3%) 快適な社会環境・生活環境づくりに資する製品を製造する顧客へ機構部品(スライドレール、ガススプリング、昇降システム、ソフトクローズユニット等)や電子錠などの「ムーブメント・ソリューション」を販売している。主な向け先別比率(2017年3月期の内訳比率)は、自動機が34.0%、住設が15.3%、OA/PPCが9.8%、オフィス家具が12.6%、遊技が10.4%、その他が17.9%となっている。 ATM向けのスライドレールでは国内トップシェアを誇る。商社でありながら独自の設計やオリジナルプログラムによるシミュレーション解析などを実施し、顧客の要望にマッチした商品開発に取り組んでいる。2015年からは米国法人を通じて、米国住宅設備市場などへの参入を図っている。 4. 主な仕入先と販売先 以上のように同社は非常に多くの商品・製品を取り扱っていることから仕入先は約400社に上るが、主要製品を供給する上位20社が約60%を占める。一方で販売先も多岐にわたっており、取引先の口座数は約2,000社になるが、主要な上位顧客20社が40%を占める。特定の顧客に偏っていることはなく、顧客層は分散されている。 5. 競合、特色、強み 同社は非常に多くの商品を取り扱っているため、それぞれの分野で多くの競合会社が存在する。しかし、事業全体において特にこれといった競合会社を探すのは簡単ではない。あえて個別分野での競合会社を挙げれば、商品監視システムでの(株)チェックポイントシステムジャパン、スライドレールでの日本アキュライド(株)(両社とも米国の日本法人)、半導体では規模は異なるが半導体専門商社など。また、RFID分野では多くの電機メーカーやシステム会社と競合する。 同社の最大の特色は専門性の高い商材を扱っている点だろう。そのため営業社員であっても技術的に高い専門性・知識を持っており、同社の社員の40%以上が技術系出身となっている。ある意味で専門的なプロ集団とも言える。そのため、同社は売上規模は大きくはないが、売上総利益率は25%前後となっており、一般的な半導体や電子部品商社の売上総利益率(約10~15%)と比べて高い。 高い専門性を備えた社員が多いことから、単に1つの製品を右から左へ販売するだけでなく、顧客のニーズを理解してA製品とB製品にCソフトを組み合わせて最適なソリューションを提供するような提案型営業ができるのも同社の特色であり強みだろう。また、そのような専門性を有していることから顧客からの信頼も厚く、顧客の要望に沿って材料段階から企画・設計を行うような場合もある。同社のそのような専門性・特殊性は売上総利益率に現れている。 このような専門性を備えたビジネススタイルというのは、ある意味では「深く・狭く」でもあったが、今後は後述の中期経営計画でも述べるように、専門性を活かしながら先行投資した子会社を十二分に活用し、グローバル市場を視野に横断的に「深く・広く」事業展開を図る計画だ。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) 《NB》
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時価総額 38,959百万円
エレクトロニクス商社。入退室管理システムや監視カメラシステムのほか、半導体やセンサー等の電子部品などを取り扱う。エレクトロニクス商品類は売上順調。データセンター向け入退室管理システムの拡販などに注力。 記:2024/06/13
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時価総額 4,004,869百万円
大手総合商社。芙蓉グループ。生活産業、食料・アグリ、素材産業、エナジー・インフラソリューション、社会産業・金融分野などで事業展開。みずほリースと資本業務提携。総還元性向は30%~35%程度が目安。 記:2024/08/30