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三井化学 Research Memo(14):増収増益トレンド回帰を計画。全社ベースでは減益ながら利益の質が向上

2017/7/3 16:06 FISCO
*16:06JST 三井化学 Research Memo(14):増収増益トレンド回帰を計画。全社ベースでは減益ながら利益の質が向上 ■業績の動向 2. 2018年3月期の見通し 2018年3月期について三井化学<4183>は、売上高1,300,000百万円(前期比7.2%増)、営業利益98,000百万円(同4.1%減)、経常利益96,000百万円(同1.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益65,000百万円(同0.2%増)と増収ながら営業利益、経常利益は減益を予想している。 前述のように、同社自身は、2017年3月期の好決算は、一部製品の海外市況に高騰に象徴されたように基盤素材事業で望外の事業環境が揃った結果と、謙虚に受け止めている。2018年3月期はそうした過熱感が沈静化して需給バランスを反映した市況に戻ることを前提に、基盤素材事業は前期比大幅減益を予想している。一方、モビリティ等の成長3セグメントは販売数量の増加などで前期比増益もしくは横ばいを想定している。結果的に基盤素材事業の減益幅が大きく残って営業利益は減益予想となるが、利益の質としては前期よりも改善する内容となっている。 親会社株主に帰属する当期純利益が前期比微増益となっているのは、持分法投資損益の改善を織り込んだためとみられる。2017年3月期も前期比24億円の改善があったが、2018年3月期はさらに前期比28億円の改善を想定している。この点でも利益の質が向上していると言えるだろう。 2018年3月期予想の前提はナフサが42,000円/KL、為替レートが110円/ドルで、予算策定時の現状横ばいという想定だ。足元までのところはそこから大きくはかい離しておらず、現時点で、期初予想の上振れや下振れを論ずる段階にはないと弊社では考えている。 各事業セグメントの動向は以下のとおり。 モビリティ事業は売上高3,100億円(前期比167億円増)、営業利益420億円(同13億円増)を計画している。グローバルの自動車生産台数は緩やかな拡大が続くと前提し、PPコンパウンドや機能性コンパウンド等の各製品群は販売数量が拡大すると予想しており、主として数量差による増収増益を見込んでいる。 ヘルスケア事業は売上高1,400億円(前期比58億円増)、営業利益130億円(同29億円増)を計画している。ビジョンケア材料、歯科材料は前期からの流れを引き継いで拡販が続くとしている。不織布もプレミアム紙おむつの需要拡大が続く中、在庫調整の動きも一段落して販売数量増を見込んでいる。 フード&パッケージング事業は売上高1,900億円(前期比75億円増)、営業利益205億円(同1億円減)と、増収ながら利益は横ばい圏での推移を計画している。需要は全般に堅調で販売数量は伸びるとして増収を見込む一方、原料価格上昇を織り込んで利益面では横ばいを計画している。 基盤素材事業は売上高6,300億円(前期比644億円増)、営業利益295億円(同90億円減)と増収減益を予想している。国内の需要動向や設備稼働率は前期同様の水準が続くとみているが、海外市況が軟化(沈静化)することを予想し、交易条件の悪化を織り込んで減益としている。定修もまた減益要因として想定している。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之) 《MW》
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総合化学大手。エラストマー、エチレン、ビジョンケア材料、半導体・電子部品工程部材等を製造・販売。メガネレンズ材料、燃料タンク材料で世界トップシェア。事業ポートフォリ変革推進。総還元性向30%以上目指す。 記:2024/10/09