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芙蓉リース Research Memo(1):2017年3月期は増収増益となり中期経営計画を達成

2017/6/13 15:00 FISCO
*15:00JST 芙蓉リース Research Memo(1):2017年3月期は増収増益となり中期経営計画を達成 ■要約 芙蓉総合リース<8424> は、みずほ<8411>(旧(株)富士銀行)系の総合リース会社である。1969 年に富士銀行や丸紅<8002> など芙蓉グループ6 社にて設立された。情報関連や事務機器、不動産リースなどに強みがあり、年間の契約実行高8,341億円、営業資産残高2 兆436億円は業界6 位に位置する(2017 年3 月期実績)。資産管理やコストコントロールなど、顧客の課題に対する高度なソリューション力を発揮することで営業資産を積み上げ、業績は順調に拡大している。 同社は、2017 年3 月期を最終年度とする中期経営計画「Value Creation 300」を推進している。戦略分野である「航空機ビジネス」「不動産リース」「ファイナンス事業」「海外事業」「リテール事業」「再生可能エネルギー」「会計サービス事業」の強化を図ることにより、営業資産の更なる積み上げと経常利益の拡大、資産効率(ROA)の確保に取り組んできた。 その結果、2017年3月期の業績は、売上高が前期比2.7%増の5,070億円、経常利益が同7.5%増の313億円と概ね計画通りの増収増益を実現するとともに、営業資産残高、ROAについても計画を達成することができた。特に、営業資産残高が当初計画を大きく上回って拡大(2兆円を突破)したことに加えて、収益性の高い「不動産」及び「航空機」分野の強化や、M&Aによる新領域への参入など、「次なる成長ステージ」を支える土台作りという点でも大きな成果を残したと評価できる。 同社は、新たに2022年3月期までの中期経営計画「Frontier Expansion 2021」(5ヶ年計画)を公表。(1) 戦略分野の選択と集中、(2) フロンティアへの挑戦、(3) グループシナジーの追求の3つの戦略軸により、5年後の営業資産残高を2兆5,000億円、ROAを2.0%、経常利益を500億円に拡大する計画である。特に、「不動産」及び「航空機」分野の規模拡大と収益性向上が業績の伸びをけん引する想定となっている。また、2017年1月に連結化したアクリーティブの事業(ファクタリング)を含め、資産効率の高い新領域の拡大による収益貢献も見込んでいる。とりわけ、経常利益目標のハードルが高いが、営業資産残高の拡大とROA向上の両方を達成(掛け合わせ)することにより実現できる仕組みとなっている。弊社では、戦略分野における外部環境やこれまでの実績、同社の優位性などから判断して、営業資産残高の拡大は達成可能であると評価する一方、最大の注目点は、いかにROAの向上を図るのか、その道筋にあると見ている。 新中期経営計画の初年度となる2018年3月期の業績予想について同社は、売上高を前期比4.5%増の5,300億円、経常利益を同5.2%増の330億円と引き続き増収増益を見込んでいる。弊社では、前期における営業資産残高の積み上げやアクリーティブの連結化が期初から寄与(9ヶ月分の上乗せ)することから判断して、同社の業績予想は十分に達成できる水準であると評価している。中期経営計画の達成に向けた各戦略分野の進捗に注目していきたい。 ■Key Points ・2017年3月期は増収増益となり、中期経営計画(当初計画)を達成 ・特に、営業資産残高は当初計画を大きく上回って拡大し、2兆円を突破 ・収益性の高い「不動産」及び「航空機」の強化など「次なる成長ステージ」を支える土台作りを完了 ・新中期経営計画では、戦略分野の拡大やフロンティア(新領域)への挑戦により規模拡大と収益性向上を目指す ・初年度となる2018年3月期も増収増益を見込む (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫) 《NB》
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