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シノケンG Research Memo(3):独自の販売戦略で投資用アパート販売事業が急成長(2)

2017/3/21 19:15 FISCO
*19:15JST シノケンG Research Memo(3):独自の販売戦略で投資用アパート販売事業が急成長(2) ■会社概要 2. 事業概要 シノケングループ<8909>は事業セグメントを7区分で開示しているが、ビジネスモデルでは販売時に収益を獲得するフロービジネスと毎月安定して収益が得られるストックビジネスとに大別される。フロービジネスとしては、アパート販売事業やマンション販売事業、ゼネコン事業が含まれる。また、ストックビジネスとして不動産賃貸管理事業、金融・保証関連事業、介護関連事業、その他(LPガス供給販売事業など)となる。アパート販売やマンション販売といったフロービジネスを拡大し、販売に連動する格好でストックビジネスが積み上がるビジネスモデルとなっている。 (1) アパート販売事業 同社の祖業であり収益の柱となるアパート販売事業は、子会社の(株)シノケンプロデュース及びシノケンハーモニーで展開している。販売エリアは賃貸需要の高い5大都市圏(東京、福岡、名古屋、大阪、仙台)に限定している。なかでも人口増加率の高いエリアで、かつ駅から徒歩10分圏内を用地物件の仕入れを行う上での条件としている。利便性が高く、人口が増加しているエリアは需要も多く、空室率も低くなるためだ。また、アパートは単身者やDINKSを対象とし、間取りは1K~1LDKを標準としている。人口の減少傾向が続いているものの、単身世帯数は逆に増加傾向にあり、単身世帯向けアパートの需要は今後も伸びることが予想されるためだ。 ビジネスモデルとしては、同社でアパート用地を一旦取得し、木造アパートを建築した上で、土地・建物を併せて個人投資家等に販売する。用地を取得した段階で投資家向けの営業を開始し、受注から引渡し(売上計上)までの事業期間はおおむね6~8ヶ月となっている。販売価格は3,000万円から1億円前後の物件までとなる。販売価格のうち土地部分についてはほぼ仕入価格と同水準とし、アパート建築部分で利益を得るモデルとなる。このため、土地価格の高い東京エリアは販売価格も高くなるが、利益率としては逆に低くなる。また、アパートは1棟当たりおおむね6~8戸で、一部空室が発生しても投資家は賃貸キャッシュフロー上、致命的な打撃を受けないため、原則、同社でサブリース(家賃保証)は行っていない。 購入者は30~40代の一般的な会社員・公務員が中心で、年収も1,000万円未満の購入者が約70%を占める。特に、2016年に入って日銀がマイナス金利政策を導入したことで、融資条件がさらに緩和された影響で、年収500万円未満の購入者層の占める比率が2015年の6%から2016年は10%まで上昇した点は注目される。超低金利時代の長期化によって、投資用アパートを普通の会社員が資金運用の一手段として購入する時代になってきたと言える。ただ、金利が上昇する局面に入ると融資条件が厳しくなることから、需要が冷え込むリスクがある点には留意する必要がある。 (2) マンション販売事業 担当する事業会社はシノケンハーモニー。東京圏(東京と一部、神奈川)を中心に一部、名古屋において投資用マンションを企画、開発し、個人投資家等に区分販売している。平均販売価格は2~3千万円台とアパートに比べ低いため、借入金額も少なくて済み、購入者の心理的負担が小さい導入商品的な位置付けとなっている。 原則、住戸のタイプはワンルームで専有面積は20~30平方メートルの単身世帯者向けのデザイナーズマンションとなる。だが、条例によるワンルームマンション規制(区によって様々な規制がある)で、40~50平方メートル、あるいはそれ以上の広さの住戸をつくり込む場合もある。未婚化、晩婚化により単身世帯やDINKS世帯が増加していることもあり、2013年1月に実需用マンション販売チームを新設し、広めの住戸については投資用だけでなく実需用としての販売も行っている(販売戸数全体に占める比率は1割に満たない程度)。 また、2015年9月にはマンションの開発販売を行うプロパスト<3236>と資本・業務提携を行い(持分法適用関連会社、出資比率19.5%)、DINKS向けの住戸部分の販売や用地仕入れ情報の相互紹介などで協業しているほか、2014年2月に子会社化したゼネコンの小川建設では、同社グループが販売するマンションの約70%を施工するなど、グループ会社間でのシナジーを活かして収益力を高めている。 アパート販売事業と異なり、投資用マンションについては、原則、サブリースにより家賃保証を行っている。投資用マンションは、1戸のみの購入のため入居者の入れ替わりにより空室が発生すると一時的に家賃収入がなくなり、投資家にとって投資リスクが高くなるためだ。サブリース賃料は2年ごとに見直しを行っており、同社に逆ざやリスクは発生しない仕組みとなっている。 (3) ゼネコン事業 2014年2月に完全子会社化した小川建設の事業となる。小川建設は明治42年創業の建築系の中堅ゼネコンで、関東圏を中心にマンションやオフィスビル、教育施設、病院、介護施設など建築請負を幅広く行っている。売上高の約30%は同社グループのマンション施工で占められ、競合先の投資用マンション等の施工も請け負っている。2008年秋のリーマンショックによる取引先の破綻による貸倒れや銀行の貸し渋りを受け、2009年1月に民事再生法適用申請に至っていた。 小川建設を買収した主目的は、マンション販売事業におけるマンション施工の内製化にある。東日本大震災以降、建設技能労働者不足が顕在化し、ゼネコンが受注を拒否するような事態も起きたため、安定したマンション供給を行うためにグループ内に施工能力を確保することが狙いとなっている。ただ、コスト競争力を持たせるため、外部のゼネコンにも発注しており、内製化率は7割程度にとどめる方針だ。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《TN》
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