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企業調査レポート(ESG統合版)キリンHD<2503>---CSVの考え方で社会と自社の共通価値を創造する

2017/2/17 17:02 FISCO
*17:02JST 企業調査レポート(ESG統合版)キリンHD<2503>---CSVの考え方で社会と自社の共通価値を創造する 企業調査レポート(ESG統合版)は、企業の価値を評価するに重要なESG情報などを加味し、フィスコのアナリストが同社の公開資料及び独自取材に基づき作成した企業調査レポートです。 ■要約 キリンホールディングス<2503>は、酒類、飲料を中心とした食品メーカー。日本綜合飲料事業を展開するキリン株式会社を中核とし、医薬・バイオケミカル事業を持つほか、グローバルに事業を展開している。安定性が高い綜合飲料事業を収益源としながら、市場の拡大に期待が持てる医薬・バイオケミカル事業を展開しており、バランスの良い事業ポートフォリオを構成していると言える。 1. 経済価値 「新KV2021」の実現に向けた第1段階のアクションプランが「2016年-2018年中期経営計画」。2016年中期経営計画では、事業を低収益・高収益・成長市場・成熟市場の4つのカテゴリーに分類する。その上でビール事業の収益基盤の強化に資源を集中させるとともに、ブラジルキリン、キリンビバレッジ(株)といった低収益事業の構造改革を徹底的に実行すること、医薬・バイオケミカル事業を飛躍的に成長させていくことを骨子としている。 定量的な目標値は、のれん等償却前ROEが15%以上、平準化EPS年平均成長率6%以上としている。売上げや利益よりも収益の還元を重視した目標値と言える。同社では、収益改善に最優先で取り組み、資本効率の向上と株主価値の持続的な成長を目指すことでこうした目標値を達成させる考えだ。 2. 環境価値 同社では長期環境ビジョンを設定している。 同社の事業は、生物資源である原料と水資源を使って容器に充填し消費者に提供するという形態を取っているため、自然の恵みがないと成り立たない事業であり環境への依存度が高いと言える。そこで、2050年の社会とともに持続可能な成長を目指し、バリューチェーンのすべてを対象に長期環境ビジョンを制定した。この中で、特に生物資源・水資源・容器包装・地球温暖化を特に重要なテーマとして掲げている。どのテーマにおいても地域や国によって法律や体制が異なっている。同社ではワールドワイドの視点を取り、地域特性に合わせた環境対策を実施していく方針である。 3. 社会価値 同社は長期経営構想の中で、そのビジョンを「酒類、飲料、医薬・バイオケミカルを中核としたキリングループの事業を通じて社会課題に向き合い、お客様を理解して、新しい価値を創造することで、社会とともに持続的に成長する。」と定めている。 また、「価値創造に向けた戦略の枠組み(=キリングループならではのCSV)」では、価値創造を実現するための組織能力・技術力を基盤として、「社会課題への取り組みを通じた価値創造」と「お客様の期待に応える価値創造」に取り組み、経済的価値と社会的価値の創造を目指している。 そして「新KV2021」策定時に、キリングループが社会とともに将来にわたりサステナブルに存続・発展するための重要テーマとして「キリングループの持続的成長のための経営諸課題」を選定している。 4. ガバナンス グループ全体を統括する体制として純粋持株会社制を採用。傘下の各グループ会社には、適切な権限委譲を行うとともに、取締役を派遣し各社の取締役会を通したガバナンスの強化を図っている。各グループ会社にも社外取締役を選定し、グループ全体の透明性の確保を図っている。 ガバナンス体制としては監査役会設置会社を採用。取締役会、監査役会ともに、複数の社外の取締役と監査役をそれぞれ組み入れ、緊密に連携しながらも経営に対する監督機能の強化を図っている。 9人いる取締役のうち、4人が社外取締役で、取締役会の議長を社外取締役が務めていることは同社の大きな特徴だ。 (執筆:フィスコアナリスト 清水 さくら) 《NB》
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ビール2強の一角をなす酒類メーカー。清涼飲料も。傘下にワインのメルシャンや医薬品の協和キリン。海外は米国と豪州が柱。24.12期は酒類、飲料の増販を想定。昨夏買収の豪州サプリ会社も上乗せ。増収増益を計画。 記:2024/04/10