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企業調査レポート(ESG統合版) 日本ハム<2282>---不祥事を乗り越えて日本一誠実な企業へまい進

2017/2/7 17:21 FISCO
*17:21JST 企業調査レポート(ESG統合版) 日本ハム<2282>---不祥事を乗り越えて日本一誠実な企業へまい進   企業調査レポート(ESG統合版)は、企業の価値を評価するに重要なESG情報などを加味し、フィスコのアナリストが同社の公開資料及び独自取材に基づき作成した企業調査レポートです。 ■要約 日本ハム<2282> は、日本を代表する食品会社。主に、ハム・ソーセージなどの食肉加工品及び調理食品の製造・販売、食肉の生産・処理・販売、水産物及び乳製品の製造・販売を展開している。 1. 経済価値 2016 年3 月期(2015 年度)の連結売上高は1,240,728 百万円、同営業利益は46,340 百万円。食肉事業が売上高の70.7%、営業利益の85.6% を占め、次に加工事業の売上高28.7% と営業利益8.7% が続く。2016 年3 月期の売上高に占める品種別構成比は、ハム・ソーセージが11.4%、加工食品が17.8%、食肉が57.8%、水産物が7.6%、乳製品が2.5%、その他が2.8%。国内における輸入を含む食肉販売量は同社がトップに位置する。直近8 期の決算を見ても一定以上の利益を計上しており、株主に対する利益還元についても安定的に行っている。投資家に向けた情報開示、IR 活動も充実しており、株主・投資家に対する説明責任は果たしている。 2. 環境価値 食品という同社の事業特性を考慮すると、環境問題は避けては通れない課題であると判断、1998 年に環境を経営課題と位置付ける「環境宣言」を発表した。地球温暖化の防止、省資源の取り組み、再資源化の推進を軸に、CO2 排出量原単位、熱量原単位、用水使用量原単位、廃棄物発生量原単位の削減と、廃棄物リサイクル率の向上については定量的目標値を設定、商品パッケージの軽量化やエコドライブシステムの導入、廃棄物の削減、水資源の有効活用、化学物質の削減、自然保護活動にも取り組んでいる。また、家畜などの命を扱う企業として、生態系への配慮、飼育に要する穀物や排泄物などの観点でも環境にかかる配慮が必要となる。同社はこれらの1 つ1 つの課題にも向き合っている。 3. 社会価値 食肉や加工品などの食品の供給を通じて、日本を始めとする世界の食文化を支えている同社の社会的な存在価値、果たすべき責任は極めて大きく、同社自身もそのことを認識している。社会への貢献という切り口では、品質保証、食育とスポーツ、人財などが重要な取り組みとして挙げられる。品質保証では、安全検査、安全審査、品質監査という3 つの品質保証基準を徹底して実行するとともに、人財育成にも注力している。顧客との対話も重視しており、1969 年にスタートした家庭の台所を守る主婦と意見交換をする「奥様重役会」は今日まで受け継がれているほか、顧客の生の声は該当部門だけでなく、同社社長を始め全役員も聴いており、真摯に対応ができていると言える。また、同社が商品として提供している食を通じて人々の健康にし、また、スポーツを通して人々の健康を増進することを目指しており、プロ野球の北海道日本ハムファイターズ球団の保有だけにとどまらず、サッカーJ リーグのチームであるセレッソ大阪も支援している。加えて、働きやすい職場づくりにも注力しており、選ばれる会社であり続けるために日々、努力を重ねているようだ。 4. ガバナンス 2002 年に食肉偽装という食品会社としては致命的な不祥事を起こしたが、その後、コンプライアンスの強化、社外取締役の導入を始めとするガバナンス改革、風土づくりの見直しなどで、同社は当時の藤井社長の言葉である「日本で一番誠実な会社」へ大きく舵を切った。女性の活躍の推進や不適切事象が起きても適切な対応ができているなど、改革以降を見ると良い取り組みや効果が認められる。 (執筆:フィスコアナリスト 清水 さくら) 《TN》
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国内食肉業界最大手。食肉事業のほか、加工事業、海外事業、ボールパーク事業も手掛ける。「シャウエッセン」などロングセラー商品多数。配当性向40%以上目安。加工事業では主力商品のブランディング強化を図る。 記:2024/08/02