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ヴィレッジV Research Memo(8):「ヴィレッジヴァンガード」に加え、オンライン販売事業へ経営資源を集中

2016/11/25 16:12 FISCO
*16:12JST ヴィレッジV Research Memo(8):「ヴィレッジヴァンガード」に加え、オンライン販売事業へ経営資源を集中 ■チチカカ事業売却の概要 (1)チチカカ事業の状況と譲渡に至った背景 チチカカは、エスニックファッション及びエスニック雑貨の輸入販売を行う事業だったが、客数の減少により売上高が低迷。さらに過剰なセール販売で収益性は著しく低下し、仕入の抑制や在庫の消化などで努力するも為替影響が響き補えず、2016年5月期は2年連続で純損失を計上、2016年5月末時点で4,364百万円の債務超過に陥った。2016年3月期のチチカカ単体の業績は、売上高が8,281百万円に対し、営業損失が870百万円、経常損失が990百万円、当期純損失が2,486百万円まで拡大した。また、「チチカカ」はメキシコ・パナマ・グアテマラ・ペルーなど17ヶ国の生産者と直接取引を行っており、自社でデザインした商品を全量買取りしているため、仕入や在庫の細かな調整などは機動的に行いにくいビジネスモデルとなっていた。このような背景もあり、事業構造が異なるヴィレッジヴァンガードコーポレーション<2769>は自力で業績を回復させることは難しいとの判断に至り、他社に譲渡した。主力の「ヴィレッジヴァンガード」に加え、オンライン販売などの事業へ経営資源を集中させた方がよいという結論に至った。 (2)チチカカ全株式をネクスグループ及びシークエッジ・インベストメントに譲渡 2016年7月末時点のチチカカの有利子負債残高は5,753百万円で、うち2,003百万円が同社からの貸付金であった。同社と譲渡先などが実施した事業価値算定では、チチカカの事業価値は1,382百万円と評価された。 チチカカが2016年8月1日に実施した増資を同社が引き受け、その後、同社が保有するチチカカの全株式及び貸付債権を、ネクスグループ<6634>及びネクスグループの兄弟会社である(株)シークエッジ・インベストメントに譲渡した。譲渡価格は、全株式部分が1,990円(1株当たり1円)、全貸付債権が8百万円(有利子負債を除いたチチカカの事業価値1,382百万円とチチカカに残る有利子負債1,373百万円の差額)。チチカカの2016年7月末時点の有利子負債残高は5,753百万円で、同社からの貸付債権額2,003百万円はネクスグループに譲渡し、1,373百万円はチチカカに残すこととなった。残りの2,376百万円については、同社がチチカカの公募増資を引き受け、チチカカはそれを返済原資とした。 これにより、同社はチチカカへの貸付金2,003百万円の譲渡と増資で引き受けた株式2,376百万円の売却で合計4,371百万円の損失が発生することになり、2016年5月期の特別損失に計上した。同社は、ヴィレッジヴァンガードとチチカカは出店しているデベロッパー及び取引銀行が重なっているため、チチカカ事業の継続を断念することになれば、同社の経営に重大な影響を及ぼしかねない可能性があることから、このような決断に至ったと説明している。 (執筆:フィスコアナリスト 清水 さくら) 《HN》
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