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シンワアート Research Memo(9):エネルギー関連がけん引、オークション事業の回復など新たな成長フェーズに

2016/10/4 16:29 FISCO
*16:29JST シンワアート Research Memo(9):エネルギー関連がけん引、オークション事業の回復など新たな成長フェーズに ■決算動向 (1)過去の業績推移 シンワアートオークション<2437>の上場後の業績推移を振り返ると、2006年5月期をピークとして2014年5月までは伸び悩みを続けてきた。特に2009年5月期はリーマンショックに伴う景気後退の影響を受けたことから取扱高及び売上高ともに大きく落ち込み、2期連続の営業赤字につながった。2011年5月期に黒字に転じたものの、その後も長引くデフレ経済の影響で、主力の近代美術オークションにおける平均落札単価が低迷し続けたことから、業績は停滞感の中で推移してきた。 ただ、2014年5月期にデフレ脱却に向けた政策の影響などで近代美術オークション市場が緩やかながら回復基調に入ると、同社のオークション事業の業績にもやや回復の兆しが見られ始めた。また、2014年5月期からは、新たな収益の柱として参入したエネルギー関連事業が連結化されると、2015年5期には本格稼働により業績拡大に大きく貢献した。同社の中期的な成長をけん引する勢いで進展しており、その他の新規事業の立ち上げやオークション事業の回復と合わせ、同社の業績は新たな成長フェーズに入ったと言える。 財務面では、2013年5月期まではほぼ無借金経営を続けており、自己資本比率もおおむね70~80%の高い水準を維持してきた。エネルギー関連事業及び医療機関向け支援事業を連結化した2014年5月期以降は、太陽光発電施設の用地取得及び建設資金を有利子負債で賄っていることから自己資本比率は50%以下の水準に低下したが、財務基盤の安定性に懸念を生じさせる水準ではない。むしろ、これまでの手堅い財務方針が、成長に向けた攻めの姿勢に転じたことを反映したものとして捉えることができる。 一方、資本効率性を示すROEは業績の変動とともに不安定な動きをしてきた。ただ、2015年5月期には一過性費用(商品在庫の評価減など)の影響等により1.0%に落ち込んだものの、業績の伸びとともに改善傾向にあり、2016年5月期は9.7%に回復している。同社はROE15%以上を目標に掲げており、今後も適度なレバレッジ(有利子負債の活用)や収益力の向上によりROEの改善を図る方針である。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫) 《HN》
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美術品オークション会社。近代美術やコンテンポラリーアートに加え、資産価値の高いワインや家具などのオークション、ダイヤモンド投資、画廊運営事業等も。オークションでは高額品の取り扱い比率の向上などに注力。 記:2024/10/24