マーケット
11/22 15:15
38,283.85
+257.68
44,296.51
+888.04
暗号資産
FISCO BTC Index
11/24 22:36:28
15,111,672
フィスコポイント
保有フィスコポイント数
  
今月フィスコポイント数
  

アンジェス Research Memo(2):自社主導の開発と先行投資を行う、開発品が上市されれば黒字化も視野に

2016/9/26 15:56 FISCO
*15:56JST アンジェス Research Memo(2):自社主導の開発と先行投資を行う、開発品が上市されれば黒字化も視野に ■会社概要 (1)会社沿革 アンジェス MG<4563>は1999年に設立された大阪大学発のバイオベンチャーである。創業者であり、当時同大学医学部の助教授であった森下竜一(もりしたりゅういち)氏(現 大阪大学大学院 医学研究科 臨床遺伝子治療学講座 教授)らの研究チームが、1995年にHGF遺伝子(肝細胞増殖因子)の投与による血管新生作用を発見し、この研究成果を事業化することを目的に設立された。 HGF遺伝子治療薬では2001年に第一製薬(株)(現 第一三共<4568>)と独占的販売権許諾契約を結んだが、その後提携関係を解消しており、代わりに田辺三菱製薬と2012年に米国市場、2015年に国内市場で末梢性血管疾患を対象とした独占的販売権許諾契約を締結し、上市に向けた開発を進めている。 もう1つの主力開発品である核酸医薬品のNF-κBデコイオリゴは、アトピー性皮膚炎(顔面で中等症以上の患者が対象)治療薬として開発を進め、2005年にアルフレッサファーマ(株)と共同開発契約を締結したが、開発方針の転換により2008年に共同開発契約が終了。2010年に塩野義製薬<4507>と独占販売権許諾契約を締結した。また、2012年よりメディキット<7749>とNF-κBデコイオリゴを薬剤とした薬剤塗布型バルーンカテーテルの共同開発も進めている。 このほか、2006年には希少疾病であるムコ多糖症VI型治療薬「ナグラザイム」の国内での販売権を米バイオマリン ファーマシューティカル インク(以下、バイオマリン社)から取得し、2008年より販売を開始したほか、2013年に韓国バイオリーダース社から導入したCIN(子宮頸部前がん病変)治療ワクチンに関して、2016年に森下仁丹<4524>に独占的開発・製造・販売権の再許諾を行うことで基本合意している。 なお、連結子会社は3社あり、米国の子会社はHGF遺伝子治療薬の開発拠点として、イギリスの子会社は欧州地域における情報収集やライセンス活動の拠点として事業を行っている。 (2)事業の特徴とビジネスモデル 同社の事業の特徴は、遺伝子の働きを活用した医薬品である遺伝子治療薬、核酸医薬、そしてDNAワクチンを遺伝子医薬として定義し、その研究開発に特化していることにある。開発の対象疾患は、社会的な使命であると同時に確実な需要が存在する「難治性疾患」や「有効な治療法がない疾患」としている。また、自社開発品だけではなく、こうした事業方針と合致する開発候補品を海外のベンチャーや大学等の研究機関から導入し、開発パイプラインの強化とリスク分散を行っている。 また、同社は開発に特化した会社で、原薬の製造や治験の実施等については外部の専門機関に委託しており、販売についても開発品や地域ごとに大手製薬メーカーと販売権許諾契約を締結し、上市後も自社販売は行わないことを基本戦略としている。このため連結従業員数は2016年6月末時点で60名と小規模となっている。なお、現在商品として販売しているものはバイオマリン社から導入しているナグラザイムのみで、自社開発品の上市実績はない。 同社のビジネスモデルは、遺伝子医薬の開発を行い、開発の課程で販売権許諾契約(または共同開発・販売権許諾契約)をパートナー企業と締結することで得られる契約一時金収入、開発の進捗に応じて得られるマイルストーン収入、及び上市後の製品売上高に対して一定料率で発生するロイヤリティ収入で収益を獲得していくモデルとなる。臨床試験の規模や期間は対象疾患等によって異なってくるが、第1相から第3相臨床試験までおよそ3~7年程度かかると言われており、臨床試験の結果が良ければ、その後規制当局に製造販売の承認申請を行い、おおむね1~2年の審査期間を経て問題がなければ承認、上市といった流れとなる。 同社は現在開発ステージのため、収益も赤字が続いているが、開発品が上市されれば黒字化も視野に入ってくる。特に主要開発パイプラインであるHGF遺伝子治療薬やNF-κBデコイオリゴについては、自社主導の開発と先行投資を行っているため、ロイヤリティ料率も一般的な水準より高く設定されており、上市後の収益へのインパクトも大きくなることが予想される。なお、今後は開発品によっては早期に導出することも検討していく方針である。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《HN》
関連銘柄 5件
4507 東証プライム
2,094.5
11/22 15:30
+35.5(1.72%)
時価総額 1,863,334百万円
製薬会社大手。1878年創業。抗HIV薬、抗インフル薬など感染症分野に強み。自社創薬比率が高い。HIVフランチャイズなどロイヤリティー収入が収益源。国内における急性呼吸器感染症薬の販売拡大などを図る。 記:2024/08/06
4524 東証スタンダード
2,114
11/22 15:30
+4(0.19%)
時価総額 8,773百万円
機能性表示食品や医薬品、仁丹等の販売を行うヘルスケア事業が主力。1893年創業。フレーバーカプセルの製造受託等を行うカプセル受託事業も展開。インバウンド需要の改善等により、ビフィーナなどは復調傾向。 記:2024/06/18
4563 東証グロース
55
11/22 15:30
+2(3.77%)
時価総額 14,128百万円
大阪大学発の研究開発型バイオベンチャー。遺伝子医薬、DNAワクチンの研究開発などを行う。開発パイプラインにHGF遺伝子治療用製品「コラテジェン」など。早老症治療薬「ゾキンヴィ」を24年5月に発売。 記:2024/08/06
4568 東証プライム
4,435
11/22 15:30
-48(-1.07%)
時価総額 8,635,096百万円
大手製薬会社。抗悪性腫瘍剤「エンハーツ」、抗凝固剤「リクシアナ」などが主力品。かぜ薬「ルル」、解熱鎮痛薬「ロキソニンS」などで知名度高い。米メルクと戦略的提携。がん事業への集中的な資源投入を図る。 記:2024/08/26
7749 東証スタンダード
2,730
11/22 0:00
-2,730(-100%)
時価総額 48,812百万円
医療機器メーカー。人工透析用留置針、静脈留置針、血管造影用カテーテルなどが主要製品。留置針、止血弁付安全針で国内トップシェア。不整脈治療用ブレイデッドシース「AbRoad STOUT」等の拡販に注力。 記:2024/08/30