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リプロセル Research Memo(4):海外子会社の業績が通年で寄与したことにより、売上高と売上総利益は大幅増

2016/8/12 16:37 FISCO
*16:37JST リプロセル Research Memo(4):海外子会社の業績が通年で寄与したことにより、売上高と売上総利益は大幅増 ■決算動向 (1) 2016年3月期業績について リプロセル<4978>の2016年3月期の連結業績は、売上高が前期比88.1%増の1,066百万円、売上総利益が同93.1%増の532百万円、営業損失が1,024百万円(前期は740百万円の損失)、経常損失が1,169百万円(同456百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失が1,961百万円(同451百万円の損失)となった。 Biopta以外の海外子会社の業績が通年で寄与したことにより、売上高と売上総利益は大幅増となったが、人件費やのれん償却費など販管費の増加に伴い、営業損失は拡大。また、営業外では期末に為替が円高に進んだことにより、外貨建て資産の期末評価替えに伴う為替差損191百万円を計上したほか、特別損失としてStemgentののれんや固定資産に関する減損損失809百万円を計上したことがあり、当期純損失の拡大要因となった。Stemgentの減損損失については、業績が株式取得時の計画を下回って推移しており、今後の事業計画を見直したうえで将来の回収可能価額を慎重に検討した結果、今回一括で損失計上することになった。 期初会社計画比で見ると、売上高で463百万円の未達となったが、これは研究試薬、創薬支援等の米国での売上未達が主因となっている。未達の要因は、社内の営業体制構築に想定以上の時間を要したことと、米国でのiPS細胞研究市場の伸び率が想定を下回ったことによる。このうち、営業体制については現時点でほぼ当初計画の体制が構築されたとしており、今後はグループ内製品のクロスセルに向けた取り組みを強化し、売上高を拡大していく方針となっている。 なお、単独業績については売上高で前期比0.6%減の431百万円、営業損失で331百万円(前期は375百万円の損失)とほぼ前期並みの水準となった。研究試薬の売上高の7〜8割は年度予算が決まっている大学や研究機関向けで占められ、研究試薬の新製品が期中に出たとしても売上高が大きく伸びることはないためだ。このため、同社では製薬企業等の民間企業向けの営業強化を今後進めていく方針で、売上構成比で民間企業向けを5割超まで引き上げていくことを目指している。 (2)事業セグメント別動向 a) iPS細胞事業 iPS細胞事業の売上高は前期比97.2%増の999百万円、セグメント損失(経常利益ベース)は257百万円(前期は148百万円の損失)となった。海外子会社の売上げが年間でフル寄与したことで大幅増収となったが、販管費の増加や補助金収入の減少(前期比65百万円減)により損失額は若干拡大した。 売上高の5割弱を占める研究試薬事業に関しては、期中に10製品以上の新製品を発売するなど開発に関しては順調に進んだが、国内市場での売上高が伸び悩んだほか、海外でも営業体制の構築遅れによりクロスセルが進まなかったことで当初の計画からは未達となった。 一方、売上高の5割強を占める創薬支援事業についても、ヒトiPS細胞由来の機能性細胞等の販売を開始したほか、iPS細胞の受託作製サービスなどが堅調に推移したものの、生体試料を中心に米国での販売が当初計画を下回った。 b)臨床検査事業 臨床検査事業の売上高は前期比11.1%増の66百万円、セグメント利益は同30.7%増の21百万円となった。腎臓移植や造血幹細胞移植の分野への適用の広がりを見せている抗HLA抗体検査(スクリーニング及びシングル抗原同定検査)を主力として、日本全国の100施設以上の病院から検査を受注し、堅調に推移した。特に当期は、上期において(一社)日本血液製剤機構が実施した臨床試験に関わる臨床検査測定の受託業務を受注したことが増収増益要因となっている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《HN》
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東京大学、京都大学発のバイオベンチャー。iPS細胞関連研究試薬の製造・販売等を行う研究支援事業、臨床検査受託サービス等を手掛けるメディカル事業を展開。臨床用iPS細胞、パーソナルiPS及び臨床検査に注力。 記:2024/09/02