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アドバネクス Research Memo(9):幅広いユーザーを対象とした規格品ビジネスにも注力

2016/7/11 17:23 FISCO
*17:23JST アドバネクス Research Memo(9):幅広いユーザーを対象とした規格品ビジネスにも注力 ■アドバネクス<5998>の製品戦略 (1)ボルト・ナット緩み防止部品「ロックワン」——性能テストで圧倒的No.1 住設・インフラ分野で期待されているのは、「ボルト・ナットの緩み、脱落防止スプリング『ロックワン』」である。NAS3350(米国宇宙航空規格)に準拠した衝撃型振動試験機を用いた試験に合格するなど突出した性能を持つ。 鉄道総研が行った線路のボルト・ナット緩み防止部品の試験結果で、最も良い結果を出した。同社製品は総合評価で8点満点中7点を獲得した。他社は、0点、4点、4.5点であったことから、性能の差は歴然としている。同社製品の1点減点は、外見上緩んで見えるためであるが、機能上はまったく問題がない。 ダブルナット、緩み止めナット、ロックワンを対象に、ボルト・ナットが緩み、脱落する振動回数を測る衝撃型振動試験が行われた。誤差を小さくするため、同製品を2個ずつ、同時にテストしている。脱落する振動回数は、ダブルナットが1,200〜1,800回、緩み止めナットが2,500〜4,500であったのに対し、ロックワンはNAS3350の3万回をクリアした。繰り返し使用を想定した試験では、18万回後でも脱落しなかった。 他社製品では、ナットに緩み防止機能を内蔵させているものがあるが、ナットごと替えなければならない。ロックワンは、市販のソケットレンチを使用してナットの上から簡単に装着でき、作業も楽で、コストも低い。ユーザーは緩みの点検頻度を少なくできる。 市場としては、鉄道以外に、マンションなどの建築物、高速道路、電力などがあり、いずれも認証手続きを踏まえなければならず、導入されるまでに時間を要する。高速道路は、遮蔽板や案内板の脱落防止用途に使用される。高速道路のように振動が多い場所では、ボルト・ナットの緩みが生じやすい。住宅設備市場では、新築のマンションのバルコニーのアクリル板等に使用されるナットの緩み止めに用いられる。大手ゼネコンが、ベトナムでビル1棟を建設する際にロックワンを採用した。ロックワンは、形状が複雑であることから、現在、同社だけが量産化できている。 (2)ねじ穴補強「タングレス・インサート」──航空機向けで販売増加 規格品の主力製品に、母材のネジ締結部分を補強する「タングレス・インサート」がある。2016年3月期の売上高は、10億円近くまで増加してきた。航空機は、アルミやCFRP(炭素繊維強化プラスチック)などの軽量母材がねじ穴の補強を必要とし、1機当たり数万から数十万個が使用される。航空機市場では、タングレス・インサートが従来品の市場を奪うことでシェアが拮抗するまでに浸透してきた。今後も、タングレス・インサートのシェア拡大が見込まれる。 多くの特長を有することから、タングレス・インサートは従来品より高い値付けをされている。しかし、材料の投入量や製造工程数が従来品と比べて多いわけでないため、収益性の高い製品となっている。 同社製品を扱う(株)アキュレイトのホームページに、タング付きインサートとタングレス・インサートを並べた写真が掲載されている。従来のインサートは、挿入の際に引っ掛けるためのタング(「の」字の部分)があるため、挿入後にこの部分を折って、折った部分を回収する必要がある。同社が開発したタングレス・インサートは、タングの替わりに引掛用ノッチを施した。同製品のメリットは、1)作業が比較的簡単なため装着・挿入時間が大幅に短縮できる、2)折ったタングの回収し忘れや、折り取る際に母材を傷つけるリスクがない、3)上下の形状が同一のため、挿入時に方向の確認が不要、4)インサートの取り外しが可能、5) NAS(米国連邦航空宇宙局)規格の必要条件を満たしている、などが挙げられる。 タングレス・インサートは、専用工具が必要であり使用者側の導入のハードルが高いことから、航空機向けなどの一部の特定顧客にとどまっていた。同社は、市場の拡大を狙って、穴あけドリル、挿入工具、抜き取り工具などの専用工具がセットになった安価なエントリーキットを発売した。同キットにより、使用者の導入ハードルを下げ、広く普及させることを狙っている。 これらの規格品は、小売の売上のみならず、B2Cで同社並びに製品の認知度を高め、B2Bに発展させ、特注品の受注につなげることも期待されている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健) 《HN》
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精密ばね・精密加工品メーカー。自動車関連向け売上比率が高い。デンソーなどが主要取引先。設計から量産まで一貫して行う。点滴等に使用される留置針用ばねで国内トップシェア。国内は自動車向け売上が回復傾向。 記:2024/06/18