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カドカワ Research Memo(4):書籍IP、ポータル事業が主力

2016/7/4 16:47 FISCO
*16:47JST カドカワ Research Memo(4):書籍IP、ポータル事業が主力 ■事業内容 同社グループは、カドカワ<9468>のほかに事業を行うKADOKAWAやドワンゴなどの連結子会社42社と持分法適用会社13社で構成されており(2016年3月末時点)、書籍IP(Intellectual Property:知的財産)事業、情報メディア事業、映像IP事業、ポータル事業、ライブ事業、モバイル事業、ゲーム事業、その他の8つの事業を展開する。2016年3月期のセグメント別売上(外部顧客への売上高)構成比は、書籍IP37.9%、情報メディア13.7%、映像IP14.1%、ポータル9.9%、ライブ2.2%、モバイル4.3%、ゲーム7.7%と、その他10.1%。 (1)書籍IP事業 紙媒体の単行本、文庫、ライトノベル、コミックスなどの書籍に加えて、電子書籍の出版・販売等を行う。紙媒体の書籍販売はメディアミックスによる作品展開で数多くの実績があるほか、ライトノベルは業界トップを誇る。長年にわたりマーケティングに基づいた製作・出荷の適正化に取り組んでおり、2016年3月期の書籍返品率は35.0%と、業界平均※36.9%を下回る水準となっている。 ※業界指標の出所は(社)全国出版協会・出版科学研究所発行の「出版月報」、「出版年鑑」。 電子書籍は直営の電子書籍配信プラットフォーム「BOOK☆WALKER」で販売するほか、「ニコニコカドカワ祭り」の実施※や新刊同時発売などを行うことにより、Amazon Kindleなど、外部の電子書籍ストアでの販売拡大にも注力している。ちなみに、アマゾンジャパン(株)が発表した「出版社別年間売上ランキング2015」ではKADOKAWAが電子書籍で2年連続して1位を獲得(なお、紙書籍も1位を獲得)。2016年3月末時点における累計電子書籍化点数は39,580点に上り、既刊本の電子化はほぼ完了している。 ※2015年10月から11月に実施。書店でのネット特典配布、ニコニコ生放送特番、店頭での特別イベントなど、ドワンゴのサービスとKADOKAWAのコンテンツが連携した企画を展開した。 2016年3月期の書籍IP事業の売上高(セグメント間の内部売上高消去前)は77,848百万円(営業利益(セグメント間利益調整前)は7,429百万円)。うち電子書籍の売上高は17,139百万円となり、書籍IP事業売上高に占めるウエイトは22.0%と2015年3月期(半期決算)の14.9%から大幅に上昇した。 (2)情報メディア事業 「ザテレビジョン」、「Wallkerシリーズ」、「ファミ通」、「レタスクラブ」など雑誌やムック誌のほか、「週刊ジョージア」、「ひかりTVガイド」などのカスタムメディア、雑誌及びWeb広告の販売などを手掛ける。 既存紙媒体のネット・デジタル化に伴い主力の雑誌の販売収入の低迷とそれに伴う広告販売の減少が続く厳しい環境に対応すべく、不採算部門の整理、合理化を行うと同時に、ゲーム情報ポータルサービスのローンチに向けた取り組みを始めるなど、紙媒体からデジタルメディアへの移行にも積極的に取り組んでいる。なお、2016年3月期の情報メディア事業の売上高28,080百万円(営業損失は1,650百万円)、雑誌返品率は32.7%と書籍と同様に業界平均41.8%を下回る水準をキープしている。 (3)映像IP事業 DVD、Blu-rayなどのパッケージソフトの販売、映画の企画・製作・配給等を行う。書籍IP事業やゲーム事業から生み出されるグループIP の映像化、実写映画及びアニメ作品の制作配給に注力している。さらに近年、映像配信やアニメの海外版権販売にも積極的に取り組んでいる。2016年3月期の映像IP事業の売上高は28,817百万円(営業利益は1,346百万円)。 (4)ポータル事業 ポータル事業は書籍IP事業と並ぶ収益柱の事業。動画サービス「niconico」は、ニコニコ動画、ニコニコ生放送、ニコニコチャンネルなどの様々なサービスを提供。売上は、動画や生放送を快適に視聴できるプレミアム会員収入、Webサイト上のバナーなどの広告収入、有料動画などの視聴に利用するポイント収入などからなる。2016年3月期末時点のプレミアム会員数は256万人、一般登録会員数は5,541万人。2016年3月期のポータル事業の売上高は20,117百万円(営業利益は2,122百万円)。 (5)ライブ事業 ライブ事業は各種イベントの企画・運営、イベント会場の賃貸等を行う。niconicoの広告宣伝塔の色彩が濃い。「ニコニコ超会議」※1、「闘会議」、「アニメロサマーライブ」(夏開催)などのライブイベントの企画・運営を手掛ける。また、「ネットとリアルの融合を実現」した新しいエンタテインメントの形を創出するライブハウス「ニコファーレ」の運営を行うほか、2014年10月に「niconico」のアンテナショップ「ニコニコ本社」※2を池袋にリニューアル、グランドオープンし、期間限定コラボカフェやゲーム実況イベントなどの運営を行う。2016年3月期のライブ事業の売上高は4,464百万円(営業損失は790百万円)。 ※1「ニコニコのすべてを地上で再現する」をコンセプトに幕張メッセで行われるニコニコ最大のイベント。参加するユーザーが「全員主役」となり、ネットとリアルが融合した様々な企画を展開する。2015年4月25日、26日に開催された「ニコニコ超会議」は、来場者数15万1,115人、ネット総来場者数794万495人を記録した。 ※2「niconico」のアンテナショップで、nicocafe、イベントスペース、ニコぶくろスタジオ、ニコニコショップのある複合施設。2011年4月に原宿でグランドオープンしたものを、池袋に移転、リニューアルしたもの。 (6)モバイル事業 モバイル事業は携帯電話やスマートフォン向けの音楽配信事業が主力事業でドワンゴの業績拡大に大きく貢献してきた。直近はフィーチャーフォンからスマートフォンシフトの影響によるフィーチャーフォン会員数の減少により事業規模は縮小する傾向にあるが、重要なキャッシュ・カウ事業である。シングル楽曲/着うた®などの配信を行う「ドワンゴジェイピー」や「animelo」の運営を行う。2016年3月期のモバイル事業の売上高は8,619百万円(営業利益は3,305百万円)。 (7)ゲーム事業 ゲーム事業は連結子会社(株)フロム・ソフトウェア、(株)スパイク・チュンソフト、(株)角川ゲームス、(株)MAGES.、(株)KADOKAWAの5社がパッケージゲームソフト及びネットワークゲームの企画・開発・販売を行っている。過去のヒットタイトルは、「DARK SOULS」、「Bloodborne」(フロム・ソフトウェア)、「艦隊これくしょん」、「ダービースタリオン」(角川ゲームス)、「喧嘩番長」、「ダンガンロンパ」、「風来のシレン」(スパイク・チュンソフト)、「Steins;Gate」(MAGES.)。2016年3月期のゲーム事業の売上高は15,599百万円(営業利益は2,268百万円)。 (8)その他 その他事業は、キャラクター商品やアイドルCDのeコマース、アニメや「niconico」から生まれたコンテンツのCD販売や著作権利用収入、クリエイティブ分野で活躍する人材を国内外で育成するスクール運営などの事業からなる。2016年3月期のその他事業の売上高は21,337百万円(営業損失は469百万円)。なお、2016年4月1日にN高等学校開校したほか、東大受験に特化した全寮制「N塾」を設立したほか、(学)代々木ゼミナールと提携し「N高」生徒向け予備校「代ゼミNスクール」を4月に開校している。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正 ) 《HN》
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旧KADOKAWAとドワンゴが経営統合。出版・IP創出事業が主力。アニメ・実写映像事業、ゲーム事業、通信制高校の運営等も。中計では28.3期売上高3400億円目標。出版IP数の拡大などに取り組む。 記:2024/06/13