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カイオム Research Memo(3):売上高が0.51億円、営業損失が3.02億円で着地

2016/6/21 17:36 FISCO
*17:36JST カイオム Research Memo(3):売上高が0.51億円、営業損失が3.02億円で着地 ■業績動向 (1) 2016年12月期第1四半期の業績概要 5月13日付で発表されたカイオム・バイオサイエンス<4583>の2016年12月期第1四半期の業績は、売上高が51百万円、営業損失が302百万円となった。前年同期の連結ベースとの比較で見ると、売上高は15百万円減少し、営業損失は49百万円縮小した一方、費用面では開発プロジェクトの選択と集中を行ったことで研究開発費が47百万円減少したほか、その他費用も20百万円減少した。 当第1四半期のトピックスとしては、2016年3月にスイスのADCT社と、がん治療用ヒト化抗体「LIV-2008b」に関して、ADC開発用途での全世界における独占的開発・販売権に関するオプションライセンス契約を締結したことが挙げられる。「LIV-2008b」は、乳がん、大腸がん、肺がんを始めとする多くの固形がんの細胞表面に発現する抗原「TROP-2」に結合し、がんの増殖活性を阻害する効果があることが動物モデルで確認されている。ADCT社は「LIV-2008b」を自社のADC技術によって、さらに治療効果の高いADC抗体薬にしていくことを狙っている。ADCT社が今回のオプション権を行使し、その後開発に成功すれば契約一時金とマイルストーン収益を合わせて総額110億円を得られる契約となっており、上市後は売上高に応じてロイヤルティ収入も得られることになる。 ADCT社とは2015年も「LIV-1205」についての開発オプションライセンス契約を締結しており、2本目のオプションライセンス契約となる。「LIV-1205」は総額90億円の契約となっており、今回は金額が大きくなっているが、これは治療対象となるがん種が多いことが要因となっている。「LIV-1205」ついてはADCT社での評価が続いている。 (2)事業セグメント別の動向 a)創薬事業 創薬事業の売上高は5百万円、セグメント利益(売上総利益)は5百万円となった。ADCT社との「LIV-1205」「LIV-2008b」のオプションライセンス契約締結に伴う契約一時金を売上高として計上している。 同社では「LIV-1205」「LIV-2008」のnaked抗体、及び抗セマフォリン3A抗体についてのライセンス契約獲得に向けた活動も積極的に行っており、現在は国内外の複数社と交渉を進めている。また、開発パイプラインの増大に向けて、ADLib®システムや他の抗体作製技術等も活用しながら、治療用抗体の作製プロジェクトを進め、抗体作製実績の蓄積を継続している。 b)創薬支援事業 創薬支援事業の売上高は45百万円、セグメント利益は14百万円となった。このうちオリジナルADLib®システムの技術導出先である富士レビオからのライセンス料及び「ビタミンD測定用の抗体を含む診断キット」の販売に伴うロイヤルティ収入は約8百万円と前年同期並みの水準だったと見られる。一方、ADLib®システム技術を用いた創薬支援サービスについては37百万円となった。 (3)財務状況 2016年3月末の財務状況を見ると、総資産は前期末比219百万円減少の4,344百万円となった。主な変動要因は、現預金・有価証券が234百万円減少したほか、減価償却が進んだことで有形固定資産が25百万円減少した。 一方、負債は有利子負債や未払金等の減少により、前期末比50百万円減少の304百万円となった。また、純資産は四半期純損失の計上による利益剰余金の減少により、同219百万円減少の4,344百万円となった。 現状、経営状況は損失が続いているが、これはADLib®システムやリード抗体の導出に向けた開発費や営業費などが先行的にかかっていることによる。2016年3月末時点の現預金、有価証券はあわせて3,866百万円と潤沢にあることから、少なくとも今後3年近くは売上が伸びなかったとしても、事業資金は確保されていると言える。ただ、2018年以降もADLib®システムやリード抗体の導出が進展しなかった場合は、事業継続のため追加の資金調達を行う可能性が出てくることには留意しておく必要がある。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《HN》
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時価総額 6,763百万円
独自の抗体作製技術を用いた医薬品を開発中の創薬ベンチャー。抗体創薬技術の供与も。武田薬品と業務委託基本契約を締結。創薬支援事業は売上増。既存顧客との安定取引の継続。がん治療向け抗体の導出で契約一時金獲得へ。 記:2024/06/10