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【FISCOソーシャルレポーター】個人投資家「兜町放浪記」氏:税負担は親から子へ引き継がれて良いものだ

2016/5/13 7:45 FISCO
*07:45JST 【FISCOソーシャルレポーター】個人投資家「兜町放浪記」氏:税負担は親から子へ引き継がれて良いものだ 以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家兜町放浪記氏(ブログ「兜町放浪記」を運営)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。 ---- ※2016年5月10日21時に執筆 北陸新幹線が開業して1年余りとなった。それまで東京から金沢まで3時間50分かかっていたものが2時間30分となり1時間20分も短縮された。現在でも週末のテレビは旅番組からグルメ番組まで北陸地方の魅力を紹介するもので賑やかである。 個人投資家なら振り返りたくもない「失われた20年」では、幾度となく整備新幹線事業が税金の無駄使いとやり玉に挙げられてきた。首都圏と地方経済を新幹線で結ぶ構想に賛意を示すだけで政治家は「族議員」のレッテルを貼られた。地元の推進派はそうした風潮に異論さえ口に出来ない暗黒時代を経験してきた。 消費税問題に限らず新たな国民負担増を必要とする税制論議がなされるとき、決まって金科玉条のごとく「子や孫(後世)にツケを回してはならない」と迫られる。 税負担のモラルや財政規律を考えれば実にまっとうな考え方に思える。しかし同時にその金科玉条が必ずしも正回答ではないことも正していかなければならない。 今を生きる私たちの暮らしを支える社会資本(インフラ設備)は、自分自身の収入から納税した金で整備されたものばかりではない。個人が成人し、職業を得て、人生の時間を切り売って他人にサ−ビスを提供し、その対価として収入を得るようになり担税力を得るまでに20余年の歳月が必要となる。 その間は既に出来上がっている道路を使え、公共建物を使え、乗り物を利用できる。安心して橋を渡れ、山道を上ることもなく、トンネルをくぐり山脈を通過することもできる。自分が生まれる前に税負担をしてくれた世代からの贈り物(便益)を無料で享受できる幸せを誰も気づきはしないのか。 いわゆる税の「フリ−ライド論」(ただのり)だが、良くも悪くもそうならざるを得ないところもある。赤字国債を発行しての公共投資が悪者扱いされるが、今より後世の世代がそこで築いた社会資本を利用できることを考えればあながち悪いことばかりではない。それより後の世代にとっていかに有意義な社会資本を残せるかに知恵をしぼることが大切であり、「借金」という概念でひとくくりにするのは偏った勉強不足の議論ではないだろうか。 基本計画策定から40年余の歳月がかかってようやく開通した北陸新幹線。この40余年という時間軸の間にどれだけの先人の思いがこめられてきたことか。この計画にたずさわってきた人の多くが、開通を見ることなく次世代にバトンをつないでくれたことをかみ締めたいものだ。 ※「兜町放浪記」は株式市況の解説と分析を中心に株式投資+αを目指す個人投資家向け株式ブログです。単なる上がる株・下がる株の予想屋を標榜とせず、株式投資を通じて社会全般と経済と人生を学ぶ、個人投資家に支持されるブログとなるよう日々アクティブな情報発信に励んでおります。当ブログの監視銘柄は直接「兜町放浪記」にお立ち寄りいただくことをオススメします。 ---- 執筆者名:兜町放浪記 ブログ名:兜町放浪記 《NO》